タリバン侵攻が進むアフガニスタン、民間人の集団処刑や少女の性奴隷化が横行(2021/08/13)
米国、北欧諸国、英国が20年ぶりに軍隊を撤退させる中、イスラム教過激派組織のタリバンが政府軍から広大な領土を奪い始めている。タリバンが占領した都市から逃げてきた何千人ものアフガニスタン人による証言から、占領された都市での悲惨な状況が明らかになってきている。
インドのニュースサイト
『インディア・トゥデイ』によると、反政府勢力のタリバンが支配しているアフガニスタン北部の地域から、何千人もの人々が故郷を脱出している。これらの人々の多くは、タリバンの戦闘員による残忍な行為について話している。タリバンが支配する地域では、死体が路上に散乱しているという。少女たちは誘拐され、タリバン戦闘員との結婚を強制されている。若者はタリバンのために戦うように促されている。ほとんどの市民がタリバン支配地域から首都カブールに逃げてきた。...
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『インディア・トゥデイ』によると、反政府勢力のタリバンが支配しているアフガニスタン北部の地域から、何千人もの人々が故郷を脱出している。これらの人々の多くは、タリバンの戦闘員による残忍な行為について話している。タリバンが支配する地域では、死体が路上に散乱しているという。少女たちは誘拐され、タリバン戦闘員との結婚を強制されている。若者はタリバンのために戦うように促されている。ほとんどの市民がタリバン支配地域から首都カブールに逃げてきた。
6人の子供と逃げてきたという未亡人のファリバ(36歳)は、「刑務所の近くの道路に死体が散乱しているのを見た。横には犬が立っていた」と話している。22歳のミルワイズ・カーン・アミリは、タリバンが3日前に理髪師を殺したのは、単に彼が政府のために働いていると思ったからだと語った。アミリは、タリバン戦闘員たちは政府のために働いていると思われる人々を殺していると話した。アブドゥル・マンナンはAFP通信に対し、タリバン戦闘員が彼の息子の首を切って殺したと証言している。「彼らは息子を、まるで羊のように連れて行き、ナイフで頭を切り落として捨てた」と語っている。
英ニュースサイト『メトロ』によると、タリバンの戦闘員たちは、占領した都市で、性奴隷にするための少女を集めるために住宅を一軒一軒回っているという。また、司令官は地元の宗教指導者イマームたちに12歳から45歳までの未婚の女性を連れてくるように命じ、兵士たちに結婚させているという。
豪ニュースサイト『News.com.au』は、タリバン支配により厳格なイスラム教のシャリア法が戻ってくるだろうと伝えている。女性は男性の付き添いなしでは外出できず、ヒジャブの着用が義務づけられる。女性は教師が女性である場合にのみ学校に通うことができる。タリバンは、規則に違反した者は「厳格に対処する」と警告している。父親たちは、タリバン戦闘員に娘を奪われ、奴隷にされてしまうのではないかと恐れている。
アフガニスタンの国民和解高等評議会のメンバーであるファークフンダ・ザフラ・ナデリ氏は、国内の既存の公民権が荒廃することへの恐れを語った。「私が最も恐れているのは、これまで指導的立場で活動してきた女性たちが疎外されてしまうことです。彼女たちは、最も強力な虐待者に対して強い声を上げてきましたが、同時に現場の状況を変えるために彼らと協力してきました。このような指導者がいなくなってしまったら、誰が女性のために声をあげ、過去20年間の成果を守ることができるのでしょうか」と述べている。
タリバンは、1996年から2001年9月11日の同時多発テロによる米軍侵攻までの間、イスラム法を厳格に解釈し、些細な犯罪でも公開鞭打ちや処刑で処罰することで有名だった。今回の侵攻では、特に抵抗を受けている地域の政府関係者や治安維持者を標的にした戦争犯罪でも告発されている。
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中国の学生、留学先のオーストラリアの大学でも母国共産党による監視の対象に(2021/07/01)
人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」の調査によると、オーストラリアの大学で中国本土や香港の民主主義を支持する学生が、クラスメートから脅迫を受けていることが判明した。身体的暴力、母国の中国当局への通報、個人情報のネット公開などの脅迫を受けているという。
豪メディア
『News.com.au』によると、オーストラリアの大学に在学している中国人学生は、反共産党的な意見を述べると、刑務所に入れるなどの脅迫を受けており、オーストラリアの大学が、中国人学生や学者を十分に保護出来ていないことが、「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」の報告書で明らかになった。
報告書には、オーストラリア在住の中国人へのインタビューが掲載されており、彼らの活動が中国政府に報告されていることが判明した。...
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豪メディア
『News.com.au』によると、オーストラリアの大学に在学している中国人学生は、反共産党的な意見を述べると、刑務所に入れるなどの脅迫を受けており、オーストラリアの大学が、中国人学生や学者を十分に保護出来ていないことが、「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」の報告書で明らかになった。
報告書には、オーストラリア在住の中国人へのインタビューが掲載されており、彼らの活動が中国政府に報告されていることが判明した。中国本土からの留学生であるLi Weiさんは、オーストラリアでツイッターのアカウントを開設した後、「2020年3月、中国の地方警察から両親に連絡があり、警察署に行ったところ、私が黙っていなければ帰国した際非常に重い代償を払うことになるという警告を受けました。中国当局は、私がツイッターアカウントを閉鎖し、反政府的なメッセージを広めるのをやめるように言い、協力しなければ罪に問われるかもしれないと言ってきました。私はツイッターのアカウントを削除しました。なぜなら、両親のことが心配だからです。」と証言している。
別の学生は、オーストラリアで行われた香港の民主化デモに参加した後、中国の元クラスメートから「お前を監視している」というメッセージを受け取ったという。オーストラリアのある教授によると、学生から「中国にいる両親が、自分の授業でチベットに関するプレゼンテーションを行ったことについて、職場の上司に詰め寄られた」という報告を受けた。
また、ある講師は、「オンライン授業に移行した際、IT部門からメールが来て、中国にVPN(特定の人のみ利用できる専用ネットワーク)を設置したと言われましたが、それは授業の内容について懸念を持たれていたからです」と語った。中国学の授業を担当していた別の講師は、監視を恐れて、中国の学生向けにその授業を意図的に「簡略化 」して提供していたという。
報告書は、学生はこのような監視が行われていることを広く認識しており、多くの学生が恐怖を感じ、自らの行動を検閲しているという。ヒューマン・ライツ・ウォッチの研究員であるソフィー・マクニール氏は、「オーストラリアの大学は、中国からの留学生の権利を守るための注意義務を怠っています。大学は、留学生がもたらす学費に頼る一方で、中国政府とその代理人による嫌がらせや監視の懸念には目をつぶっています。大学は、中国の学生やスタッフの学問の自由を支援するために、声を上げ、具体的な行動を起こすべき」だと述べている。
英『ガーディアン』によると、ヒューマン・ライツ・ウォッチは、このような威嚇行為は、オーストラリアで勉強している一般の中国人学生が行っているのではなく、「非常に意欲的で声高な少数派が行っているもので、他の多くの人々に影響を与える力を持っている」と考えている。
マクニール氏は、「監視されていることを知っているので、決して授業中に発言したり、自分の意見を言ったりしない」中国の学生たちがいることを指摘し、こうした問題について、オーストラリアの大学は認めようとしない傾向があると主張している。同氏は、「この調査から本当に浮かび上がってくるのは、若者たちが抱いている恐れと、どこにも頼れないという気持ち。大学側が中国政府を怒らせることをより心配していると感じていること。中国からはるばる留学してきて、より高いレベルの学問の自由があると思っていても、ここでも監視されており、見張られていると感じ、仲間から密告されることを恐れているというのは、どれほど悲しいことでしょうか」。と指摘している。
ヒューマン・ライツ・ウォッチの報告書によると、オーストラリアの学者もまた、中国に関連する問題について自己検閲を行うよう圧力を感じているとのことで、学問の自由が脅かされていると指摘している。
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