米・カナダメディア;2030年冬季大会開催地を争う札幌が誘致活動一旦停止、と報道
2030年冬期大会の招致を目指す札幌市と日本オリンピック委員会(JOC、1911年前身設立)は12月20日、東京大会をめぐって汚職や談合事件が相次いだことなどを受けて「不信感の払拭が先決だ」として、招致に関する機運醸成活動をいったん休止すると発表した。これを受けて、開催地を争っていた米国(ソルトレークシティ)及びカナダ(バンクーバー)メディアが速報している。
12月21日付米
『AP通信』は、「札幌、2030年冬季大会招致活動を一旦停止」と題して、ソルトレークシティと開催地をめぐって争っていた札幌が、東京大会に関わる様々なスキャンダルの影響に鑑み、招致活動を一旦停止することにしたと速報している。
札幌は12月20日、東京大会に関わる様々なスキャンダルの影響に鑑み、2030年冬季大会の招致活動を一旦停止すると発表した。
同市の秋元克広市長(66歳、2015年就任)が記者会見で明らかにしたもので、冬季大会を承知すべきか改めて有権者に問うことにすると言及している。...
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12月21日付米
『AP通信』は、「札幌、2030年冬季大会招致活動を一旦停止」と題して、ソルトレークシティと開催地をめぐって争っていた札幌が、東京大会に関わる様々なスキャンダルの影響に鑑み、招致活動を一旦停止することにしたと速報している。
札幌は12月20日、東京大会に関わる様々なスキャンダルの影響に鑑み、2030年冬季大会の招致活動を一旦停止すると発表した。
同市の秋元克広市長(66歳、2015年就任)が記者会見で明らかにしたもので、冬季大会を承知すべきか改めて有権者に問うことにすると言及している。
同市長によると、来年4月の同市市長選を含む統一地方選の結果を踏まえた後とし、また、対象を札幌市民か、北海道民か、あるいは全国に広げて行うかも検討するという。
同市長は、記者団から招致活動撤回もあり得るのかと訊かれて、“有権者の総意を尊重したい”とのみ答えた。
今回の決断に関し、同市長は、“(東京大会に関わるスキャンダル発覚から)招致活動を取り巻く環境が一変してしまい、有権者に改めて招致活動の可否について確認する必要があると判断した”と言及している。
2014年に行われた住民投票では、後に開催対象大会は2030年に延期されたが、2026年大会の招致について67%の札幌市民が支持をしていた。
しかし、今年3月に行われた投票では、東京大会の総費用が最終的に膨大なレベルとなったことが明らかになっていたこともあって、支持率は52%に下がっていた。
なお、夏季・冬季大会主催者の国際オリンピック委員会(IOC、1894年設立)は12月6日、2030年冬季大会開催地の決定時期を、当初の2023年秋ではなくそれ以降に延期すると決定している。
かかる背景もあって、札幌として改めて有権者に招致活動の可否について問うことになったものである。
同日付カナダ『CBCニュース』(1952年設立のカナダ公共放送局)は、「札幌、2030年冬季大会の招致活動を“見直す”と発表」と詳報している。
秋元市長は12月20日の記者会見で、招致活動から撤退するのではなく一旦停止するものだと強調した。
北海道の鈴木直道知事(41歳、2019年就任)も先週、東京大会に関わるスキャンダルが札幌の招致活動に大きな逆風となっていると吐露している。
候補都市の札幌の状況悪化で、2030年あるいは2034年冬季大会の候補都市はソルトレークシティのみになるとみられる。
何故なら、バンクーバー(ブリティッシュコロンビア州)もかつて名乗りを上げていたが、同州政府が今年10月、総費用が10億ドル(約1,320億円)と見積もられたことから、州政府として費用負担に応じないと表明しているからである。
なお、ソルトレークシティは、むしろ2034年大会の開催を望んでいると表明している。
理由は、ロスアンゼルスが2028年夏季大会を開催することになっていることから、(大会が連続することで)スポンサー集めに競合することになるのを避けたいからだとする。
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英大手電力会社がカナダの貴重な森林を破壊していた
環境にやさしい、持続可能なバイオマスペレットをアジアやヨーロッパへ供給しているイギリスの電力会社Drax社が扱う木材の一部が、カナダの貴重な原生林を伐採した木材から来ているという。
10月2日付
『Yahooニュース』(英BBC):「英電力会社がカナダの原生林を伐採」:
グリーンエネルギーの政府補助金を受けている英国の企業が、環境的に貴重な森林を伐採していたという。
このDrax社は、英国最大の発電所をもち、現在、補助金を受け、英国の再生可能電力の12%を賄っており、再生可能エネルギーとされる、輸入木材パレットを使った発電も行っている。
同社が取り扱うカナダ、ブリティッシュコロンビア州の森林の一角には、古くからある原生林が含まれている恐れがあり、同州は、貴重な森林の伐採をやめるよう通達している。...
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10月2日付
『Yahooニュース』(英BBC):「英電力会社がカナダの原生林を伐採」:
グリーンエネルギーの政府補助金を受けている英国の企業が、環境的に貴重な森林を伐採していたという。
このDrax社は、英国最大の発電所をもち、現在、補助金を受け、英国の再生可能電力の12%を賄っており、再生可能エネルギーとされる、輸入木材パレットを使った発電も行っている。
同社が取り扱うカナダ、ブリティッシュコロンビア州の森林の一角には、古くからある原生林が含まれている恐れがあり、同州は、貴重な森林の伐採をやめるよう通達している。
一方、企業側は、森林の大部分の木は枯れており、伐採は森林火災を防ぐ効果があると主張。木材工場では、余った小型の朽ちた木材のみ使用しているとする。
しかし、カナダ森林データベースの文書によると、同社工場に過去1年搬送された木材のわずか11%のみが、木材製品に利用できないほどの低品質と認定されているという。
後に同社は、森林の木を木材に利用していると認めた上で、木材業者が欲しがらない品物で、森林火災のリスクを避け、焼却処分となる類のものだとしている。
同日付加『CBCニュース』:「英ドラックス社、カナダの原生林を伐採」:
英国最大の電力会社Drax社は、再生可能エネルギーとされる輸入木材パレットを燃やし燃料を生み出している。
グリーンエネルギー補助金を受けている企業だが、環境に影響を与える森林伐採を行っていることを、BBCの看板ドキュメンタリー番組「パノラマ」が突き止めた。木材の一部はカナダの原生林由来のものだと判明したが、Drax社は、おがくずや廃材のみを使用しているとしている。
「パノラマ」は衛星画像を分析、伐採許可やドローン映像から証拠を集め、番組記者が工場のトラックを追跡した。環境学の専門家も、数千年をかけて形成された森林が破壊されているとする。
英国ヨークシャー州にあるDrax社は石炭発電所からバイオマス発電所に以降し、現在では、英国の再生可能エネルギーの12%を生産。既に6億ポンドのグリーンエネルギー補助金を受けている。木材燃焼は、専門家の間では、環境に良いと考えられている。
調査によると、Drax社は、ブリティッシュコロンビア州の環境的に問題とされる2ヶ所の森林の伐採許可を購入。1ヶ所は1マイル平方の森林で、古くからある希少な森林とされるエリアを含んでいるという。同州政府は、この森林は特に重要な場所で、伐採を保留すべきだとしている。
木を燃焼させることは、石炭の燃焼よりも多くの温室効果ガスを発生させる。電力は、古い木に代わる新たな木が植林される点、そして、それが木材パレット燃焼による炭素を吸収するため再生可能だと位置づけられている。しかし、炭素の吸着には数十年を要するため、サステナブルな素材で作られたペレットの場合のみオフセットが可能となる。
伐採されたことのない、大量の炭素を蓄えた原生林は、サステナブルなものとは見なされていない。新規に植林された木が、古い森よりも多くの炭素を吸収する可能性は、非常に低いのである。
同社は、カナダの木材パレットの80%は製材所の廃材だとし、最新科学を鑑み厳格なサステナビリティー基準を満たしていると主張している。英国政府は今年、木材など自然燃料に関する新たなバイオマス戦略を打ち出す予定としている。
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