北朝鮮の金正恩総書記の妹、金与正氏は、米高官のアジア訪問前の声明で、現在行われている米韓軍事演習を批判し、米政権に対し、平和を望むなら「騒ぎをおこすな」等と警告している。
3月16日付
『ロイター通信』は「北朝鮮国営通信;平和を望むならば騒ぎを避けるべきと米新政権に警告」との見出しで以下のように報道している。
金与正氏が米高官と防衛長官の訪韓前日の声明で、現在行われている韓国の軍事演習を批判し、米政権へは平和を望むなら「騒ぎをおこすな」と警告している。朝鮮中央通信(KCNA)で同氏は、「我が国を挑発する米政権にこの機会に警告する。今後4年静かに眠りたいなら、最初から騒ぎを起こさないほうが良い」とした。...
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3月16日付
『ロイター通信』は「北朝鮮国営通信;平和を望むならば騒ぎを避けるべきと米新政権に警告」との見出しで以下のように報道している。
金与正氏が米高官と防衛長官の訪韓前日の声明で、現在行われている韓国の軍事演習を批判し、米政権へは平和を望むなら「騒ぎをおこすな」と警告している。朝鮮中央通信(KCNA)で同氏は、「我が国を挑発する米政権にこの機会に警告する。今後4年静かに眠りたいなら、最初から騒ぎを起こさないほうが良い」とした。
ブリンケン米国務長官とオースティン国防長官が、外交政策や安全保障問題を協議するため、1週間の日程でアジアを訪問する。キングスカレッジの韓国研究家は、この声明のタイミングからは、これまで中国と北朝鮮政策を焦点としてきた協議の重要課題が北朝鮮であることが伺えると指摘している。北朝鮮分析サイト「38ノース」は声明が「過去の発言と行動との違いに対するいら立ちを露わにするものだった」としている。
北朝鮮は米国からの対話の申し入れを拒絶してきた。トランプ元大統領の時からの関係悪化はバイデン政権でも継続中である。米韓は先週、合同軍事演習を開始。演習は北との関係考慮や、コロナのリスクを回避する形でシミュレーションによるものとなった。
金氏は、「戦争演習と敵対心からは、決して対話と協力は生まれない」とし、韓国を「戦争ゲームに頼り、泥沼の政治経済的、疫病の危機に瀕している」と批判。2018年の南北合意について、「戻るのは難しい」とし、今後の挑発を注視するとしている。また、南北国境の緊張緩和のための合意書の破棄や、韓国との協力を目的とした団体の解体する可能性も示している。
3月15日付米国『FOX』は「北朝鮮が沈黙を破り米国に騒ぎを起こすなと警告」との見出しで以下のように報道している。
金正恩氏の妹、金与正氏が月曜、ホワイトハウスが北朝鮮からの反応がないとした後、バイデン政権に最初から騒ぎを起こすべきでないと警告した。15日、サキ報道官は、「北朝鮮に様々なチャンネルを通じ接触を試みた。外交が常に我々の目的だ。緊張緩和を目的とする。だが反応が得られていない」等とした。だが、金与正氏の声明前には、バイデンチームの北朝鮮関係筋からは、コロナ禍など多くの理由から、しばらくの期間、北からの反応は見込めないだろうとみられていた。
バイデン政権は、トランプ元政権の北朝鮮政策を精査しており、今後数週間以内に発表するとしている。バイデン氏はトランプ氏のように金正恩氏へ「ラブレター」は書かないようで、アプローチの明確な方針は示していないが、複数の声明や文書からは、米政府の目標は、完全な北朝鮮の非核化だとされている。元高官からは、北朝鮮が米国との対話に応じない要因には、政権側が北朝鮮の関税を撤廃しない意向だと察したためだとと指摘されている。
北朝鮮は日韓訪問で今週会談するブリンケン氏、オースティン氏と日韓との会談、アラスカでのブリンケン氏、ジェイク・サリバン国家安保補佐官と中国外交担当トップと会談を注視しているはずだ。特に韓国について北朝鮮は会談内容を考慮に入れるものとみられている。
新政権への警告にもかかわらず、北朝鮮は以前のように、新大統領就任を歓迎したミサイル試射は行っていない。
日韓訪問、軍事演習、そして4月のバイデン大統領と菅総理の会談も北朝鮮からの挑発につながる可能性がある。
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杭州のG20サミット開催中のタイミングで北朝鮮は弾道ミサイル3発を発射した。核兵器と弾道ミサイル開発国連決議を無視した格好の北朝鮮の挑発行為に対し、安全保障理事会で非難決議が全会一致で採択された。フランスメディアは次の通り報じる。
『レゼコー紙』は、北朝鮮国営
『朝鮮国営通信』の報道内容から「金正恩第一書記は日本の米軍基地に新たな狙いを定めた模様」と報じる。「レゼコー紙」によると、北朝鮮西部から発射された弾道ミサイルはノドン型で1000キロ飛行し3発とも日本海の防空識別圏で落下した。また金正恩第一書記は実験目的を「信頼性、標的まで到達する精密性、改良版弾道ミサイルの飛行の安定性の再評価」と述べ、軍備強化は「太平洋に駐在する米国の侵略の起点となる軍事基地に対する攻撃のため」と発言した。この事から「つまり日本に駐留する米軍基地とグアム島が北朝鮮の射程距離に入った」との韓国の専門家の見解を採用する。
また「レゼコー紙」は「中国が北朝鮮のミサイル所有を支援したのか?」と小見出しをつけて中国の関与の可能性を報じる。「8月末に北朝鮮の潜水艦から発射されたミサイルは中国のJL-1型ミサイルに酷似しており、中国製もしくはJL-1型に極めて近い改造型である可能性が高い」という米国サンアンジェロ大学のベクトル氏の見解を引用する。この見解は「北朝鮮は中国からミサイルを獲得した事を示唆する」というイスラエルのフィッシャー研究所の専門家と共通の見解という。
『フィガロ紙』はG20開催中でも特に、中国の習近平国家主席と韓国の朴大統領の会談の数時間後に実施された事から、中国への警告でもあったと指摘する。「中国は北朝鮮が懸命に維持したい主要同盟国だが、両国の関係は北朝鮮の核や弾道ミサイル計画で緊張状態にある」。また「韓国は米国の防衛ミサイルTHAADを国内配備して北朝鮮に反撃したが、この決定は論争を呼び、中国とロシアが一斉に非難した」という状況がある。習近平国家主席も「米国ミサイルシステム配備に繰り返し反対し、この問題の扱いを誤れば地域の紛争を激化させると警告」しており、これら「北朝鮮の挑発行為」は「中韓関係に対する挑戦」で両国に揺さぶりをかけているとの見方を示す。
『ルモンド紙』は、国連安全保障理事会は北朝鮮のミサイル発射を強く非難し、さらなる制裁措置を示唆し、北朝鮮に新たな核実験行為を控えるよう求めた事を報じる。理事会宣言が全会一致で採択され、北朝鮮の主要同盟国である中国を含む事を大きく評価する。一方で、核と弾道ミサイルを禁ずる国連決議と制裁措置を北朝鮮は無視する現実があり、効力への疑問が浮き彫りになる。また「ルモンド紙」は弾道ミサイルの飛行距離が伸びて日本のほぼ全土に到達可能になった事、金正恩が実験成功に満足して先制攻撃を示唆した事を報じ、北朝鮮のミサイル技術改良が懸念される。さらに今回は日本への事前通告がなかった。
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