フランス政府、急拡大するコロナ第4波に対しワクチンの大規模接種を呼びかけ
フランス政府は7日、国民に対しワクチン接種するよう再度呼びかけた。デルタ型の拡大と新たな流行の発生リスクに対処するためには、ワクチン接種が「切り札」だと訴えている。
仏ラジオ
『RTL』によると、フランスの保健当局は6日、3,585人の新規感染者を発表した。政府はデルタ型の拡大に伴う第4波の危険性に直面しているとして、国民に対して改めてワクチン接種への協力を呼びかけた。
閣僚会議の後、フランス政府のガブリエル・アタル報道官は、12日に健康防衛評議会を開催することを発表した。特定の職業に対するワクチン接種の義務化、出入国規制導入の可能性、ヘルスパスの延長の可能性などが検討される。...
全部読む
仏ラジオ
『RTL』によると、フランスの保健当局は6日、3,585人の新規感染者を発表した。政府はデルタ型の拡大に伴う第4波の危険性に直面しているとして、国民に対して改めてワクチン接種への協力を呼びかけた。
閣僚会議の後、フランス政府のガブリエル・アタル報道官は、12日に健康防衛評議会を開催することを発表した。特定の職業に対するワクチン接種の義務化、出入国規制導入の可能性、ヘルスパスの延長の可能性などが検討される。
アタル報道官はまた、「強力で、感染力の非常に強い」デルタ株が「感染の40%以上を占めている」と述べた。また、「国内の11の地域で発生率が上昇しており、特にプロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地域圏とイルドフランス地域圏で広がっている」ことを明らかにした。
仏『レゼコー』紙は、感染力の高いデルタ株とワクチン接種の競争が始まっていると報じている。停滞していた1回目の接種予約数がまた増加し始めているが、「この上昇が永続的であり、持続的であり、大規模なワクチン接種の新しい波の始まりとなる必要がある」とアタル報道官は述べている。レゼコー紙は、フランス政府は、追加規制という武器を振りかざしながら、国民を非難することなく、接種の必要性を納得させるという、難しいかじ取りに迫られていると伝えている。
現在、3,500万人以上のフランス人が1回目の接種を受けており、2,500万人以上が2回の投与を済ませている。しかし、この接種率は、第4波のスピードとより感染力の強い変異ウイルスに直面した場合、集団免疫を迅速に確保するにはまだ不十分だという。パスツール研究所は、人口の80%が予防接種を受ける必要性を訴えている。
フランスでは現在、医療従事者をはじめとする特定の職業に対するワクチン接種の義務化が議論されている。政府は各方面の関係者との話し合いを進めながら、義務化するための法案を作成している。法案は13日の閣僚会議で発表され、1週間延期された国会の終わりまでには採択される見通しとなっている。
今後、教師や警察官、消防士など、一般市民と接する他の職業にも拡大するかどうかもあわせて議論されている。背景には、フランス人全員へのワクチン接種を義務化するかどうかという問題がある。一方、仏下院議長のリシャール・フェラン議員などは、義務化に頼らずワクチン接種を勧めるために、PCR検査を有料化することを提案している。
閉じる
OECD予測:刺激策推進と保護主義警戒
経済協力開発機構(以下、OECD)が今年の世界経済成長率を2.9%見込めるとし、僅かながら回復した事を発表した。またOECDは保護主義が公的資金投入の効果を薄れさせるとして警戒すると共に財政刺激策を後押しする姿勢を示した。仏メディアはOECDの見通しと今後の動向を次の通り読み解く。
『フィガロ紙』は、OECDの見通しについて、「トランプ氏の約束にあるような財政刺激計画の恩恵で2018年から僅かながら回復が始まる」が、「保護主義の危険性には警告」と、トランプ新大統領の影響と関連づける。OECDは世界経済成長の予測を殆ど変えず、2016年は2.9%、2017年は予測より0.1%高い3.3%。また2018年から3.8%に達すると見込めるのは、トランプ新大統領の公約や日本の黒田バズーカ効果と見る。...
全部読む
『フィガロ紙』は、OECDの見通しについて、「トランプ氏の約束にあるような財政刺激計画の恩恵で2018年から僅かながら回復が始まる」が、「保護主義の危険性には警告」と、トランプ新大統領の影響と関連づける。OECDは世界経済成長の予測を殆ど変えず、2016年は2.9%、2017年は予測より0.1%高い3.3%。また2018年から3.8%に達すると見込めるのは、トランプ新大統領の公約や日本の黒田バズーカ効果と見る。OECDが2018年以降の見通しを示したのは初めて。
「フィガロ紙」は「トランプ氏投資計画のインフラ改善用5500億ドルをOECDや国際通貨基金(以下、IMF)が好材料と受け取った 」、「大規模投資計画に世界経済回復の原動力を見出す」と報じ、トランプ新大統領後の米国でも「回復は主に米国が支える」現状を浮き彫りにする。
『レゼコー紙』は、「2016年2.9%、2017年3.3%と控えめなGDP成長予測を出していたOECDにとって公共支出を増加させることは不可欠」とし、財政刺激策を肯定するOECDを支持する。「世界的な成長回復のための財政刺激策の余裕は全くないと考える事は誤り」、「超低金利かつ超緩和の現在の金融政策が、財政予算上の取組みを発揮できるような機会を生む」とするOECDチーフエコノミストの見解に肯定的。また「5年間財政赤字削減に取り組んで、公的負債の国内総生産(以下、GDP)比率は安定した」ことから、公的支出が増加しても「長期的にはGDP比率に影響は出ない」見る。
さらに、財政刺激策をよりどころにしているOECDが、貿易に関して強いメッセージを出すのは当然である「レゼコー紙」は評し、「貿易戦争回避」への提言は今後も続くとみられる。現に「保護主義貿易とそれに対する報復措置が、グローバルにしろ各国にしろ、財政刺激策の効果を半減させる」として貿易戦争回避を強く求める。
「レゼコー紙」によると、OECDは各国に次の事を求める。チリ、ギリシャ、メキシコ、トルコには教育システム改善を、独英伊には研究開発支援を増加を、仏と伊には政府機関の効率化を奨励する。
また「AFP通信」によると、各国についてOECDは、後退か僅かな回復の予測を出す中で、インドだけは強い成長率を維持すると予測する。2016年は7.4%、2017年は7.6%、2018念は7.7%と見積もる。中国も2017年には6%台を維持しつつもじりじり後退する。英国については、ブレグジットのマイナス影響の味方を変えず、2016年2%、2017年1.2%、2018年1%と悲観的な見通しを出す。
閉じる
その他の最新記事