デンマーク、EU諸国で初めて新型コロナウイルスに関する全ての制限を解除(2022/01/28)
過去最高の患者数と入院者数の増加にもかかわらず、デンマークは2月1日付で新型コロナウイルスに関する国内規制をすべて解除すると発表した。
仏地方紙
『ル・テレグラム』によると、デンマークでは現在、オミクロン株が猛威を振るっている。しかし、デンマーク政府は、オミクロン株感染者の重症化率が低く、国民のワクチン接種率が高いため、すべての制限を解除することを決定した。フレデリクセン首相は記者会見で、「私たちは規制に別れを告げ、コロナ以前の生活を歓迎する」と述べた。「コロナウイルスはもはや社会的脅威とはみなされないと判断した。」と説明している。...
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仏地方紙
『ル・テレグラム』によると、デンマークでは現在、オミクロン株が猛威を振るっている。しかし、デンマーク政府は、オミクロン株感染者の重症化率が低く、国民のワクチン接種率が高いため、すべての制限を解除することを決定した。フレデリクセン首相は記者会見で、「私たちは規制に別れを告げ、コロナ以前の生活を歓迎する」と述べた。「コロナウイルスはもはや社会的脅威とはみなされないと判断した。」と説明している。
2月1日より、現在行われているヘルスパスの使用、マスクの着用、飲食店の時短営業などの国による規制は、すべて解除される。ただし、あと4週間は入国制限を継続するという。また、陽性反応が出た場合は、4日間隔離することが「推奨」される。通院時のマスク着用や健康パスの使用も引き続き推奨される。
25日には4万6千人以上の新規感染者が確認され、感染率は極めて高くなっている。しかし、保健相は「新規感染者数と入院患者数を切り離すという目標を達成できた」と述べており、流行はまもなくピークを迎えると見ている。1月初めの時点で、新規感染者数は35%増えていたが、入院患者数の増加率は16%にとどまっていた。また、重症患者も1月初めの74人から現在44人に減少している。デンマークでは、人口580万人のうち60%近くが、ブースター接種を済ませている。
仏紙『ジュルナール・ドュ・ディマンシュ』は、オミクロン株が主流となっているヨーロッパでは、感染者数が記録的なレベルに達している一方で、規制を取り払う国が増えつつあると伝えている。
デンマーク以外でも、例えばスペインのカタルーニャ州では、今月21日から飲食店やスポーツジムに入場する際のヘルスパスが不要になった。午前1時から午前6時までの夜間外出禁止令も解除された。オミクロン株に対しては効果がないと判断されたためだ。専門家委員会は「オミクロンの影響で、ワクチン接種の有無や、すでに感染しているかどうかにかかわらず、人口のかなりの部分が再びウイルスに感染しやすくなっている」と指摘している。
ノルウェーでも、バー(午後11時まで営業)でのアルコールの復活に続き、規制の新たな緩和を発表する準備が進められている。ヨーナス=ガール・ストーレ首相は、「ウイルスは急速に広がっているが、重症化する人ははるかに少ない」と説明している。保健当局は、「規制は費用がかかり、自由を制限し、ある意味、あるグループにとっては、感染よりも悪いことかもしれない」と述べている。「現在、多くの人がブースター投与を受けたところであり、重症化から非常に守られている。こうした人達は、今のうちに感染しておいた方が良い」と指摘している。
最も厳しい規制措置が取られていたオランダでも、営業が禁止されていた飲食店、劇場、美容院などが再開されている。保健相は、オミクロン株による入院率の低さを理由に挙げている。ただし、オランダの場合は、国内ではヘルスパスはまだ必要とされ、飲食店は夜10時以降の営業が認められていない。保健相は、オミクロン株は「軽いインフルエンザ」ではない、と指摘している。
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フランス:低迷する5歳-11歳へのワクチン接種、3.8%にとどまる(2022/01/26)
フランスは1月25日、過去最高の50万1635人の新型コロナウイルス新規感染者数を記録した。流行のピークがまだ見えない中、12月22日に始まった5歳から11歳へのコロナワクチンの接種率が停滞していることが話題になっている。
仏紙
『ルドフィネ・リペレ』は、フランスでは5歳から11歳に対するワクチン接種がなかなか軌道に乗らないと報じている。保健省が25日に発表した数字によると、この年齢層の子どものうち、ワクチン接種を受けたのは、580万人の対象者のうち21万6000人と、わずか3.8%にとどまっている。
ワクチン戦略評議会のアラン・フィシェ会長は、「子供たちへのワクチン接種は大成功とは言えず、本当に残念だ」と悔しがっている。...
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仏紙
『ルドフィネ・リペレ』は、フランスでは5歳から11歳に対するワクチン接種がなかなか軌道に乗らないと報じている。保健省が25日に発表した数字によると、この年齢層の子どものうち、ワクチン接種を受けたのは、580万人の対象者のうち21万6000人と、わずか3.8%にとどまっている。
ワクチン戦略評議会のアラン・フィシェ会長は、「子供たちへのワクチン接種は大成功とは言えず、本当に残念だ」と悔しがっている。フランス政府は、親がワクチン接種に踏み切れるよう、科学的な根拠を示し、接種できる場所も増やしていく方針だ。
小児へのワクチン接種は、「感染者が非常に多いパンデミックの状況下では適切であり、安全である」とフィシェ会長は主張している。保健・倫理当局も、子供たちの集団的な保護だけでなく、個人の保護のためにも、このワクチン接種を支持している。
当局が特に懸念しているのは、1月9日時点で、慢性疾患に苦しむ35万人の子どものうち、ワクチンを少なくとも1回接種した子どもが2.8%にとどまっていることである。フィシェ会長は、「一刻も早くワクチンを打って、子どもたちを守らなければならない」と訴えている。
仏地方紙『ル・テレグラム』によると、フランス政府は、接種率向上のために、子どものワクチン接種に関するいくつかのルールを簡素化する。まず、片親の同意があれば、投与が可能となる。また、接種センター以外の場所でもワクチンを投与できるよう、今週から、看護師、薬剤師、助産師も子どもへのワクチン投与を行うことができるようになる。
様々な場所で気軽にワクチン接種できる環境づくり以外に、親を説得することが大きな課題となっている。しかし、既存のワクチンでは感染予防効果が大幅に低くなっているオミクロン株が主流となっている中、もともと重症化しにくい健康な子どもに、ワクチン接種を促す科学的根拠が乏しいのが現状だ。フィシェ会長は、「重症化は稀かもしれないが、重症化する例はある」と主張している。
仏のニュース専門局『BFMTV』によると、他の欧米諸国ではフランスとは異なり、5歳から11歳へのワクチン接種は順当に進んでいるという。スペインでは、1月20日までに5歳から11歳の子ども320万人のうち51.8%(約170万人)が少なくとも1回の接種を受けている。イタリアでは、25日時点で、5歳から11歳の子どもたち約360万人のうち28.85%(約105万4千人)が1回目の接種を済ませている。ベルギーでは12.1%、ドイツでは15.6%、オーストリアでは11.1%が接種している。
北米では、1月21日時点で、カナダでは5歳から11歳の51.07%(147万人)が少なくとも1回目の接種を済ませている。米国では5歳から11歳の2800万人のうち、25日までに800万人以上が少なくとも1回接種している。なお、イスラエルではこの年齢層に対してブースター接種キャンペーンを始めようとしている。
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