フランス、コロナ第4波に直面(2021/08/12)
フランスが新型コロナウィルスの第4波に直面している。フランス政府は11日、第4波をなるべく抑え込むための一連の対策を発表した。
新型コロナウィルスの感染が再び拡大しているフランス。
『ロイター通信』によると、新型コロナウィルスによる入院患者数は週明けに9000人を超え、集中治療室に入っている患者は1700人を超えた。9日には、新規感染者は28576人となり、死亡者は68人に上った。
マクロン大統領は、「論争」や「操作」などを超えて「フランスの人々を守りたい」と語り、「ワクチンを接種できるすべてのフランス人にワクチン接種してもらうこと」を変わらずに目標としていると述べた。...
全部読む
新型コロナウィルスの感染が再び拡大しているフランス。
『ロイター通信』によると、新型コロナウィルスによる入院患者数は週明けに9000人を超え、集中治療室に入っている患者は1700人を超えた。9日には、新規感染者は28576人となり、死亡者は68人に上った。
マクロン大統領は、「論争」や「操作」などを超えて「フランスの人々を守りたい」と語り、「ワクチンを接種できるすべてのフランス人にワクチン接種してもらうこと」を変わらずに目標としていると述べた。ワクチンパスポートを導入したフランスでは、9月の新学期から各中学校と高校で集団予防接種を実施することも発表されている。80歳以上の人には、3回目の接種を提供する。ワクチン接種を促すために、PCRと抗原検査は10月中旬以降から有料化される。
また、コロナが流行している国から来た旅行者全員に抗原性検査を実施することが明らかになった。人口10万人あたりの感染者数が200人を超える県では、2万平方メートル以上のショッピングセンターに入る際、今後はワクチンパスポートの提示が必要となる。
一方、仏『ルポワン』誌は、第4波はこれまでの流行とは異なっていると報じている。約1ヶ月半前から、フランスでは新規感染者数が毎日増加している。しかし、病院の状況は、2020年3月の状況とは比較にならないという。
新たな感染者数は先月から急増し始め、2020年4月の感染者数のピークを数週間で超えた。昨年は1日の感染者数が5000人近くだったのに対し、ここ数日は28000人以上になっている。幸いなことに、病院での状況は異なる動きをしている。2020年の初めには病棟が急速に飽和状態になり、多数の死亡者が出たが、今年の夏は入院した人の数がずっと少ない。
この違いは、主に2つの理由があると同誌は伝えている。感染力の強いデルタ型が登場したことで、これまでの波に比べて感染が急速に増加している。一方で、現在までに人口の56%がワクチン接種しており、感染者の重症化と病院の過密状態を抑えることができているという。7月には、コロナで入院した人の84%、死亡した人の80%がワクチンを接種していない人達だった。
ワクチン接種は、重症化する年齢層にも影響を与えているようで、いち早くワクチンを接種した高齢者は、重症化の可能性が低くなっている。昨秋は70~80歳代の患者が多かったのに対し、現在は50~70歳代の患者が最も多い。第2波のピーク時に比べて、若い年齢層も重症化しやすくなっており、2020年11月のピーク時には95人だった30~40歳の重症患者が、ここ数日で120人ほどに増えている。この傾向は20~30歳代にも見られ、その割合はほぼ倍増している。
閉じる
パリの地下鉄、人の流れを管理するために人工知能を導入(2021/05/26)
パリ交通公団(RATP)は、フランスの首都パリの主要なターミナル駅の1つであるリヨン駅で、人の流れを改善することを目的とした人工知能(AI)による案内を実験的に開始した。
仏
『ルポワン』によると、パリ交通当局は25日から3ヶ月間、地下鉄14号線のリヨン駅のホームの利用者の密度をほぼリアルタイムで測定していく。人の流れを改善し、過密状態を防ぐことを目的としている。乗客は、新しく設置されたパネルでホームの混雑状況を随時確認できるようになる。そのためにRATP社は、駅構内にすでに設置されているビデオカメラと、名前が伝えられていない会社が提供する人工知能ソリューションを利用する予定だという。...
全部読む
仏
『ルポワン』によると、パリ交通当局は25日から3ヶ月間、地下鉄14号線のリヨン駅のホームの利用者の密度をほぼリアルタイムで測定していく。人の流れを改善し、過密状態を防ぐことを目的としている。乗客は、新しく設置されたパネルでホームの混雑状況を随時確認できるようになる。そのためにRATP社は、駅構内にすでに設置されているビデオカメラと、名前が伝えられていない会社が提供する人工知能ソリューションを利用する予定だという。
14号線はオルリー空港まで延長される予定となっており、リヨン駅の1日の利用者数は今後50万人から100万人近くまでに倍増することが見込まれている。今回の取り組みは、将来的な混雑を防止するための対策の一環である。
なお、AIは、駅ホームに設置された6台のビデオカメラの映像に移る人間のシルエットの数をカウントして混雑状況を表示する。RATP社のイノベーション・ディレクターであるコーム・ベルバン氏は、カウントはすべて匿名で行われ、「顔を識別することは一切ない」と明言し、画像も削除されると説明している。
駅構内のスクリーンには、10㎡に2人以上の人がいる飽和状態のエリアを赤色表示、10㎡に1人の人がいる状態をオレンジ色、10㎡に0.5人しかいない状態は灰色で表示してくれる。
ベルバン氏は、この装置のおかげで、乗客はホームの混雑状況をリアルタイムで確認し、「移動経路の変更や、別の通路を通る必要があるかどうか」を判断できるようになると述べている。また、「混雑が長引く場合、目的地に行くための代替ルートを提案したり、可能であれば列車の本数を1、2本追加したりすることもできるだろう。この実験が満足のいくものであれば、他の路線にも展開することができる」と説明している。
仏ラジオ局『RTL』によると、2020年6月に却下された後、今年の3月12日に法令で命じられ復活した、地下鉄シャトレ駅でのマスク着用検知実験とは異なり、乗客は、ホームの端に設置された車2台分の専用エリアに身を置くことで、リヨン駅の実験に参加しないことを選ぶことが出来る。
仏『BFMTV』によると、昨年、RATPは、パリの地下鉄で始まったマスクの着用を監視する実験を始めたが、地下鉄の利用客は監視への拒否を表明できないという理由で中止されていた。しかし、今年3月、政令により、監視カメラを統計目的で使用する可能性が再び導入された。
閉じる
その他の最新記事