香港デモの企業への影響(2019/09/02)
香港では市民による民主デモが激しさを増している。中国による企業を通じた締めつけも強まる中、香港での企業活動への懸念が高まっている。
9月1日付英国
『BBC』は「香港情勢に直面する企業」との見出しで以下のように報道している。
外国企業の間では不安な香港情勢への懸念が高まっている。中国政府による民主選挙禁止5周年となった先週、数百万人の市民が民主デモに参加。日曜には空港に向かう交通網を遮断した。
世界経済の中心である香港の評判に関わる問題によるビジネス損出は計り知れないが、更に懸念されるのは、中国による企業への強硬な締め付けである。...
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9月1日付英国
『BBC』は「香港情勢に直面する企業」との見出しで以下のように報道している。
外国企業の間では不安な香港情勢への懸念が高まっている。中国政府による民主選挙禁止5周年となった先週、数百万人の市民が民主デモに参加。日曜には空港に向かう交通網を遮断した。
世界経済の中心である香港の評判に関わる問題によるビジネス損出は計り知れないが、更に懸念されるのは、中国による企業への強硬な締め付けである。キャセイパシフィック航空は中国の標的となった良い例で、デモに参加した従業員を解雇すると通知するなど、香港で悪影響が出ている。
中国の意に添わない考えや発言をしたことで即解雇になると恐れる市民。ある女性は「香港は中国のようになってしまった。これは国民を黙らせる共産主義政府のやり方だ。反政府発言を職員に互いを監視させ、当局に報告して、理由もなく解雇するのだ。」という。
香港市民の多くは香港が中国の一部だとの認識はない。彼らは分離独立することを重要だと考えている。
一国二制度の元では、異なるルールに従い、それが香港の発展に繋がった。だがそれも変わりつつある。
香港の中心的金融業の多くは、政治的変革への対応に及び腰で、中国からの締め出しに不安を隠せない。
中国からの圧力に既に屈している企業もある。HSBCやスタンダードチャータード銀行などの新聞一面の広告。
香港の暴動を非難する広告を掲載した。アナリストは、企業収益が中国を主体とする場合、デモに関し中国側を支持する事を示すのが何より重要となる。香港のMTR Corpは地下鉄システムの運営。市民の大半が利用しており世界レベルの交通サービスを誇る。デモ参加者もこれを利用し週末デモ会場にいくのだ。人民日報やグローバルタイムズがデモ参加者を乗せたことでMTR Corpを激しく批判する論説を掲載している。キャセイパシフィック程ではないが、MTRも中国本土で運用しており、中国国内での成長により2018年度は44%増収となっている。
企業が中国市場でやっていくためには、中国の前で折れ、中国の言いなりにならなくてはならないのだ。
香港で政治リスクコンサルタント会社を経営するSteve Vickers氏は、将来的に香港を拠点とする企業は、中国同様、政府調整役を置く必要が出てくる可能性があるとし、デモ終結後には、中国による統制が更に厳しくなるとみている。
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中国がAI分野でまもなく米国を抜いてトップに、米研究所が分析(2019/03/16)
米シアトルに本拠を置くアレン人工知能研究所は13日、人工知能(AI)に関する中国の学術論文の発表や引用数が急増して、その研究の影響力が増大しており、米国はまもなくAI分野で中国に追い抜かれるとの分析結果を発表した。
『AFP通信』の他、中国の人民日報系列の
『グローバルタイムズ』、香港の
『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』などが報じたアレン人口知能研究所の分析結果は、2018年までに発表された約200万のAIに関する論文の研究データに基づいている。
中国は2006年以降、発表されたAIに関する論文数においては、米国を上回り世界で首位に立っている。また2014年以降、AI分野の特許申請数でもトップだ。...
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『AFP通信』の他、中国の人民日報系列の
『グローバルタイムズ』、香港の
『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』などが報じたアレン人口知能研究所の分析結果は、2018年までに発表された約200万のAIに関する論文の研究データに基づいている。
中国は2006年以降、発表されたAIに関する論文数においては、米国を上回り世界で首位に立っている。また2014年以降、AI分野の特許申請数でもトップだ。しかし、論文については質の面で、その多くが「中」または「低」と評価されている。
しかし同研究所は、中国は今年、最も引用された論文の上位50%に入る論文数で米国を上回り、来年には上位10%、2025年までには上位1%以内でも米国を凌ぐことになるとして、今後の急速な質の向上を予測している。また、引用数は論文の影響力が時間を置いて表れる「遅行指標」であり、中国のAI研究の影響力増大を過少評価している可能性があるとした。
同研究所の分析は、自動運転車、仮想現実(VR)、第5世代(5G)移動通信網などの主要技術の分野で、中国が米国に先行しているとの米政府や米IT企業の懸念が、非現実的なものでないことを改めて示した。
同研究所によれば、中国政府は2017年、AI分野で2030年までに世界で首位に立つとの計画を発表したが、10年以上も前から同分野への投資を急増させていたという。一方、米国は現在、移民の入国を厳格化する措置を取っており、AI分野で首位を維持することは困難になるとして、「最近の米国の政策は、外国人の留学生や研究者の採用や維持に障害となり、AI研究において中国が支配権を握る傾向を悪化させそうだ。」と指摘した。
米国のシンクタンクや研究者らは、最近政府に対し、AIに関する国家戦略を策定し、官民両部門でのAI技術に関する研究開発などの業務をさらに推進するよう求めた。先月トランプ大統領は、米国のリーダーシップを維持するために、連邦政府の資源を最大限に投入し、AIの技術革新を促進させるよう命じる大統領令に署名した。しかし、アナリストらは、包括的な戦略になっていないとして批判している。
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