「アストラゼネカ」ワクチン・高齢者は控える欧州で勧告相次ぐ(2月3日)
ヨーロッパでは英国の製薬大手、アストラゼネカなどが開発した新型コロナウイルスのワクチンをめぐり、65歳以上の高齢者に対する有効性のデータが不足しているとして、当面、高齢者への接種を控えるよう求める勧告が相次いでいる。
EU当局が、55歳以上のデータが不十分としながらも、18歳以上の使用を条件に販売の許可を出した。
これを受けてEUの加盟国ではそれぞれの専門機関などがワクチンの接種に関する勧告を政府に出している。...
全部読む
ヨーロッパでは英国の製薬大手、アストラゼネカなどが開発した新型コロナウイルスのワクチンをめぐり、65歳以上の高齢者に対する有効性のデータが不足しているとして、当面、高齢者への接種を控えるよう求める勧告が相次いでいる。
EU当局が、55歳以上のデータが不十分としながらも、18歳以上の使用を条件に販売の許可を出した。
これを受けてEUの加盟国ではそれぞれの専門機関などがワクチンの接種に関する勧告を政府に出している。
フランス高騰保険機構・ドミニクルグルデックは「65歳以上の被験者のデータが不足している当面65歳未満に使用するよう勧告する」とコメントした。
高齢者に対する有効性のデータは今後数週間のうちに得られるとしていて、その段階で改めて評価を行うとしている。
フランス政府は今回の勧告に沿って65歳以上への接種を控えるとみられる。スウェーデンもフランスと同様の勧告、ドイツは65歳以上への接種を控える方針である。
英国は高齢者にも接種、イタリアは政府の専門家委員会で高齢者にも接種すべきなど対応が分かれている。
閉じる
宣言延長・ワクチンの接種開始・菅首相”今月中旬を目指す”(2月3日)
感染対策の決め手と位置づけられるワクチンの接種について菅首相はできるだけ今月下旬としてきた目標を前倒しして、今月中旬の開始を目指す考えを明らかにした。
緊急事態措置の実施の必要が無くなったと認められるときは速やかに緊急事態を解除するとしている。
ワクチン承認判断へ最終調整(2月2日)
各接種が待たれるワクチンは国内での承認の動きも出てきている。
各地の病院へ発送作業が始まっているのがディープフィリーザーと呼ばれる特殊な冷凍庫である。
国内で唯一承認を行っているファイザーのワクチンを-75℃程度前後の超低温で保管する。
ファイザーのワクチンについて厚労省は海外の治験データとあわせ有効性・安全性を審査しているが今月12日に専門家の部会を開き承認の是非を判断する方向で最終調整にはいったということである。...
全部読む
各接種が待たれるワクチンは国内での承認の動きも出てきている。
各地の病院へ発送作業が始まっているのがディープフィリーザーと呼ばれる特殊な冷凍庫である。
国内で唯一承認を行っているファイザーのワクチンを-75℃程度前後の超低温で保管する。
ファイザーのワクチンについて厚労省は海外の治験データとあわせ有効性・安全性を審査しているが今月12日に専門家の部会を開き承認の是非を判断する方向で最終調整にはいったということである。
承認の場合、接種の対象は当面16歳以上とし過去にワクチン成分で「アナフィラキシー」など重度アレルギー反応が出た人は使用を認めない方針である。
厚労省は部会がワクチンの承認を認めれば数日以内に正式承認する見通しである。
閉じる
どうなる日本のワクチン接種(1月30日)
コロナ感染者数が高止まりし、なかなか減りそうもない中で、日本にとってワクチン接種が明るい希望の一つとなっている。
マスコミはファイザー社のワクチンは重症化予防効果や変異種の予防効果があるといった断片的な情報を流しているがそもそもワクチンをなんのために打つのかわかっていない人も多い。
ワクチンはそもそも薬ではない。ワクチン接種は人口の一定数の割合が免疫をもち、他の人に感染させる機会を減らす「集団免疫」を獲得するために打つという基本原理を理解しておく必要がある。...
全部読む
コロナ感染者数が高止まりし、なかなか減りそうもない中で、日本にとってワクチン接種が明るい希望の一つとなっている。
マスコミはファイザー社のワクチンは重症化予防効果や変異種の予防効果があるといった断片的な情報を流しているがそもそもワクチンをなんのために打つのかわかっていない人も多い。
ワクチンはそもそも薬ではない。ワクチン接種は人口の一定数の割合が免疫をもち、他の人に感染させる機会を減らす「集団免疫」を獲得するために打つという基本原理を理解しておく必要がある。7割ぐらいの人が集団免疫を持つ必要があり、強制ではないがなるべく多くの日本人が接種しないと意味をもたないが、WHOや国連の調査で世界で一番ワクチンを信頼していない国は日本であるという気がかりなデータもある。
接種したくないといった人がます理由にあげるのがアナフィラキシーショックなどの副反応である。ワクチン自体には副反応はつきものだが、新型コロナウイルスワクチンは通常のインフルエンザワクチンより副反応の出方が強いと言われていることは確かである。
接種したくないといった人が2つ目に理由にあげるのが「効果のそれほど続かないのではないか」という見方であるが、特にメッセンジャーRNAワクチンは人類発のワクチンで免疫の持続期間や安全性など、まだまだ不明なところが多く、新型コロナの感染拡大がさらに長引いた場合、再度接種しなければならない可能性もゼロとはいえない。
10年かかるワクチン開発を1年という超短期で行っており、接種しながら様子を見ているというのが実情である。ちなみにインフルエンザワクチンの場合は、だいたい4~5ヵ月で効果がなくなるとされている。
接種したくないといった人が3つ目に理由にあげるのが、すでに感染したので(免疫があるので)受ける必要がないということである。人によっては、再感染するという科学論文が出ており、これによると再感染した時は重症化しやすいという。このため、一度感染した人もワクチンを接種したほうがよいと言われている。
この他、異なるワクチンが3つもあることが、混乱させ原となっている。3つのワクチンは自治体や市町村単位に割り振られ、国民は自由に選ぶことはできない。基本的に2回の接種を行うが2回とも同じ会社のワクチンのものに限られる。
これら3つのワクチンはおおまかに2つのグループに分けられる。メッセンジャーRNAワクチンとアデノウイルスをベクターとして用いるウイルスベクターワクチンで、前者には米国・ファイザーとモデルナ社、後者は英国・アストラゼネカが分類される。
3社のワクチンの基本原理は同じで、ウイルスの遺伝情報の一部を接種することによって、体内でスパイクたんぱく質と呼ばれる部分が作られ、それによって身体が抗体を作り出しウイルスの細胞への侵入を防ぐメカニズム(免疫)が作られるというものだが、構造は同じなのでそれほど恐れる必要はない。
ちなみにメッセンジャーRNAワクチンは遺伝子情報を書き換えればガンなど他の病気にも応用が効くと今後の医療を大きく変えるのではないかと期待されているワクチンでもある。残念ながら日本ではRNAワクチン開発は行われていない。この背景には日本には遺伝子治療や外来生物への特別な規制があり、これらがハードルになっているためとされている。
閉じる
EUがワクチン輸出管理強化策を発表(1月30日)
外国製ワクチンに依存している日本にとって恐れていた事態が早くも表面化してきた。EUがワクチン輸出管理強化策を発表したのである。
日本政府が2月下旬に想定していたワクチンは米国・ファイザー社のワクチンだが、このワクチンはEU圏・ベルギーの工場経由で輸送予定だったため、EUの政策が運用された場合には日本の接種計画に大きな狂いが生じてくることは間違いない。
これとは別に米国のバイデン政権によるワクチン接種計画の微修正によって日本へのワクチン配布が遅れるとの話も聞こえてきている。...
全部読む
外国製ワクチンに依存している日本にとって恐れていた事態が早くも表面化してきた。EUがワクチン輸出管理強化策を発表したのである。
日本政府が2月下旬に想定していたワクチンは米国・ファイザー社のワクチンだが、このワクチンはEU圏・ベルギーの工場経由で輸送予定だったため、EUの政策が運用された場合には日本の接種計画に大きな狂いが生じてくることは間違いない。
これとは別に米国のバイデン政権によるワクチン接種計画の微修正によって日本へのワクチン配布が遅れるとの話も聞こえてきている。各国がワクチンを囲い込む傾向が出てきたことは日本にとってまた一つ頭の痛い問題が増える事態となった。
29日、WEF・世界経済フォーラムオンライン会合に参加した河野規制改革担当大臣はEUのワクチン輸出管理強化策に対し「非常に懸念している、考えていなかった事態であり、日本はEUからワクチンを輸入することを考えていた」と憤りを見せた。その上でワクチンの配分について「G20のリーダーがひざをつき合わせて、議論すべき時に来ている」と呼び掛けた。
そもそもこうした事態に陥ったのは先週、英国の製薬大手・アストラゼネカが当初の供給量が予定量の半分以下になるとEUに通告したことに端を発している。これに焦ったEUがワクチン囲い込みの自衛策に乗り出した形である。
WHO・テドロス事務局長は「少数の国が自国のためだけに消火器を独占しても意味はない」とEUをけん制し、WHO・シマオ事務局長補は「今の段階でワクチンの生産に必要な原料などの輸出を禁止したり障壁を作ったりすることは有益ではない」と強く批判した。
各国の政治指導者にとって、自国民のためのワクチンを確保することが、政権維持にとって不可欠という事情はどの国でも共通であり、ワクチンが政治ツール化している。
自前のワクチンがまだ完成していない日本はワクチン外交においては非常に弱い立場にあるが、一方で五輪ホスト国というカードをもっと有効活用すべきではないかとの声も聞こえてくる。
閉じる
「ワクチン・新薬・検査」内の検索