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日米首脳会談・北朝鮮問題を議論(4月27日)
(日米首脳会談・北朝鮮問題を議論)
トランプ大統領との日米首脳会談を終えた安倍首相は「トランプ大統領と北朝鮮問題について2人だけでかなりの時間を割いて議論した。北朝鮮の非核化について新しい流れが生まれている。日本も国際社会とともに朝鮮半島の非核化に向けて努力していき、積極的な役割をはたしていきたい。令和になっても強固な日米同盟のもとに北朝鮮の非核化、拉致問題の解決に向けて協力をしていきたい」「次は、私自身が金正恩委員長と向き合い、解決する。...
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(日米首脳会談・北朝鮮問題を議論)
トランプ大統領との日米首脳会談を終えた安倍首相は「トランプ大統領と北朝鮮問題について2人だけでかなりの時間を割いて議論した。北朝鮮の非核化について新しい流れが生まれている。日本も国際社会とともに朝鮮半島の非核化に向けて努力していき、積極的な役割をはたしていきたい。令和になっても強固な日米同盟のもとに北朝鮮の非核化、拉致問題の解決に向けて協力をしていきたい」「次は、私自身が金正恩委員長と向き合い、解決する。トランプ大統領からは、全面的に協力するという力強い言葉があった」と語った。これまでトランプ大統領と金正恩委員長の個人的な信頼関係で融和路線に向けて進んでいた朝鮮半島に関する状況だが、ハノイ会談の決裂を境に潮目が変わり始めている。
(北朝鮮は米国を非難・プーチン大統領は6か国協議に言及)
特別列車でロシア・ウラジオストク入りした金正恩委員長はプーチン大統領と初会談を行った。この会談の中で金委員長は「米朝首脳会談が物別れに終わった責任は米国にある」と主張し、「朝鮮半島情勢が膠着し、危険な状態に至った」と米国を非難するなど、敵対姿勢を示し始めている。一方、プーチン大統領は、会談後の会見で「北朝鮮が求めているのは、自国の安全保障だけだ。そのことを各国は考えてほしい」と述べたほか、2008年12月以来行われていない6か国協議の開催もやぶさかではない考えを表明した。6か国協議の開催は東アジアで存在感を示したいロシアにとっては絶好の機会となる。北朝鮮の最大の後ろ盾である中国が米中貿易戦争の真っ只中にあり北朝鮮を取り込みたい考えとみられる。ただし今回の会談で北朝鮮側が期待していたロシア側からの経済支援に関する具体的な話はなく、金委員長は会談後に予定されていた経済視察を取りやめ1日短縮して帰路についた模様だ。
(北朝鮮は瀬戸際外交に戻るのか)
現在、トランプ大統領は北朝鮮を経済制裁で兵糧攻めにしている状況といえる。経済制裁がかなり効いているとみられ、中国に助け船を出してもらいたいがそれも叶わない状況であるため、今度はロシアに援助を求めた恰好である。ロシアはエネルギー大国ではあるが経済的には大国とは言えず、GDPは韓国と同程度である。加えて北朝鮮はロシアとの貿易面での取引きは少ない。例えば北朝鮮からのロシア向け輸出は全体のわずかに0.21%に過ぎないが、北朝鮮からの中国向け輸出は91%もある。また輸入は中国からのものが全体の94%を占めているのに対し、ロシアはわずかに2.2%で、北朝鮮を貿易で支えているのは中国に他ならないことがわかる。となると、ロシアが北朝鮮に対し経済面で貢献できることはほとんどないのが現状である。ロシア自体もクリミア問題がらみで国際的な経済制裁を受けているので国連制裁決議違反のリスクを犯してまで北朝鮮を援助することは難しい状況である。これから年末にかけていよいよ苦しくなった北朝鮮は、米国が新たな助け船を出してくれるまで耐えるしかないのかもしれない。それとも再び瀬戸際外交に戻るのか、今後の金委員長の動きを注目されている。
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金正恩、米国への不満を口に(4月27日)
露朝首脳会談を終え、26日に金正恩委員長は帰国の途に着いた。25日に行われた露朝首脳会談の席上で、金正恩委員長は、第二次米朝首脳会談で、米国が一方的で、友好的でない立場をとったことから、朝鮮半島情勢はもとの状態に戻りかねない、という不満をもらしていた。
これに対しプーチン大統領は、中国と米国に対し、露朝首脳会談の結果を報告すると述べ、また非核化は北朝鮮の軍縮を意味するので、北朝鮮の安全と主権を保証するためには、米韓のみの体制の保証では不十分であり、六者会談が必要である、と強調した。...
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露朝首脳会談を終え、26日に金正恩委員長は帰国の途に着いた。25日に行われた露朝首脳会談の席上で、金正恩委員長は、第二次米朝首脳会談で、米国が一方的で、友好的でない立場をとったことから、朝鮮半島情勢はもとの状態に戻りかねない、という不満をもらしていた。
これに対しプーチン大統領は、中国と米国に対し、露朝首脳会談の結果を報告すると述べ、また非核化は北朝鮮の軍縮を意味するので、北朝鮮の安全と主権を保証するためには、米韓のみの体制の保証では不十分であり、六者会談が必要である、と強調した。六者会談は2008年を最後に開かれていない。六者会談の提案に対する金正恩委員長の反応は明らかになっていない。
金正恩委員長は26日に第二次世界大戦の戦没者の追悼施設で献花をし、ロシア沿海地方のコジェミヤコ知事と会談したが、同知事は図們江にかけられる露朝を結ぶ大橋のフィージビリティスタディについて紹介した。この後予定されていた太平洋艦隊司令部や水族館に金正恩委員長は訪問はせずに、日程を短縮して帰国の途に着いた。
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南北首脳会談1周年、成果はいかに(4月27日)
2018年4月27日に金正恩委員長が板門店の韓国側に足跡を残した南北首脳会談から1年がすぎた。1周年を記念して韓国は記念式典を開催するが、北朝鮮からは誰も参加していない。果たしてこの1年で朝鮮半島にどのような変化があり、成果はどうだったのか。
南北首脳会談を機に、中朝首脳会談(1回目は2018年3月開催)は4回、米朝首脳会談は2回、さらに露朝首脳会談も行われた。南北首脳会談はその後5月、9月にも開催され、朝鮮半島に話し合いの機運が起こった。...
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2018年4月27日に金正恩委員長が板門店の韓国側に足跡を残した南北首脳会談から1年がすぎた。1周年を記念して韓国は記念式典を開催するが、北朝鮮からは誰も参加していない。果たしてこの1年で朝鮮半島にどのような変化があり、成果はどうだったのか。
南北首脳会談を機に、中朝首脳会談(1回目は2018年3月開催)は4回、米朝首脳会談は2回、さらに露朝首脳会談も行われた。南北首脳会談はその後5月、9月にも開催され、朝鮮半島に話し合いの機運が起こった。
昨年4月の南北首脳会談で両首脳が署名した「板門店宣言」には、朝鮮半島の非核化がうたわれていた。2018年6月の米朝首脳会談でも朝鮮半島の非核化がいわれていたが、具体的な非核化を話し合おうとした、2019年2月末に行われた米朝首脳会談で完全な非核化を求める米国と、段階的な非核化・経済制裁の緩和を求める北朝鮮の間で、会談は物別れに終わってしまった。
南北朝鮮の間では、南北担当者が常駐する連絡事務所が造られ、南北を結ぶ鉄道や道路を連結するための式典が開催され、スポーツ交流や山林協力も行われるようになった。また非武装地帯の監視所の破壊も行われた。さらに米韓の大規模な合同軍事演習は行われなくなった。もっとも米韓合同軍事演習は、トランプ大統領によると膨大な費用がかかるから停止するのだとされている。
しかし本年2月の米朝首脳会談の決裂以降、南北連絡事務所の所長会議が9週間にもわたって開かれていない事態も起こっている。さらに経済制裁下では、鉄道や道路の連結式はできても、鉄道や道路を連結するための機械も持ち込めない状況で、実際の連結には至っていない。また2018年内にといわれていた金正恩委員長のソウル訪問も実現していない。
北朝鮮の非核化が進まないにも関わらず文在寅大統領は、2018年10月の欧州歴訪時には、各国首脳に北朝鮮への経済制裁緩和をといていた。また本年4月26日に韓国の江原道で行われた江原道ビジョン戦略会議の席上ですら、同大統領は金剛山観光の早期再開に言及している。同大統領が2018年9月に平壌を訪れた際に、ベンツに金正恩委員長と同乗した写真が、国連の経済制裁委員会の報告書に制裁違反の証拠として掲載される始末であったにもかかわらず、である。
結局文在寅大統領の空回りが目立った1年であり、米朝首脳会談の決裂後は金正恩委員長が警告するように「(2017年以前の)もとの状態に戻りかねない」事態になっている。
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露朝首脳会談終わる(4月26日)
25日、ウラジオストックの極東連邦大学で行われた露朝首脳の1対1の会談は予定の50分を大幅に延長し2時間にもおよび、その後の拡大会議とあわせると3時間半の会談が行われ、友好ムードのなかで晩餐会となった。会談後金正恩委員長は「朝露関係の発展は地域の安全保障のために必要だ」と述べた。
プーチン大統領は単独で行った記者会見で、露朝双方は米国との関係、制裁問題、非核化の手順などについて議論した、と述べ、さらに「非核化と軍縮を実現するためには、国際法に則って朝鮮の安全を保証することが必要であり、このためには六者会談を新たに始動させなくてはならない」とも述べた。...
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25日、ウラジオストックの極東連邦大学で行われた露朝首脳の1対1の会談は予定の50分を大幅に延長し2時間にもおよび、その後の拡大会議とあわせると3時間半の会談が行われ、友好ムードのなかで晩餐会となった。会談後金正恩委員長は「朝露関係の発展は地域の安全保障のために必要だ」と述べた。
プーチン大統領は単独で行った記者会見で、露朝双方は米国との関係、制裁問題、非核化の手順などについて議論した、と述べ、さらに「非核化と軍縮を実現するためには、国際法に則って朝鮮の安全を保証することが必要であり、このためには六者会談を新たに始動させなくてはならない」とも述べた。さらに「北京で行われる『一帯一路』の会議に参加するが、その際中国に露朝会談の成果を伝えると同時に、米国にも金正恩委員長の立場を知らせる。我々は何ら秘密にすることはない」と述べた。
この会談について、「ニューヨーク・タイムス」は、金正恩委員長はロシアの支持を取り付け、非核化と同時に、経済制裁を緩和させようとしている、と記事の中で述べている。また「ワシントンポスト」はロシアが露朝首脳会談を通じて、自身のグローバル社会での影響力を米国に対してみせつけているのではないか、としている。また「ソウル経済」は、プーチン大統領が「露朝が経済協力の面でたくさんできることがある」と述べたことに注目し、両首脳は、南北朝鮮を縦断する鉄道をロシアとも接続させ、ロシアから北朝鮮を経て韓国に達する天然ガスパイプラインや露朝間での電力網を建設することになるのではないかとみている。
天然ガスパイプラインの構想は、ロシアを訪問した当時の朴槿恵大統領も「ユーラシア・イニシアティブ」の一環として述べていたし、文在寅大統領がかかげる「朝鮮半島の新経済地図」にも触れられている。ただいずれも経済制裁下では建設は難しい。
なお25日の朝鮮中央通信は、祖国平和統一委員会が、22日からF16戦闘機などを動員して行われている韓米合同軍事演習を、昨年4月の「板門店宣言」や9月の「平壌宣言」に違反する挑発行為だとして韓国を非難している。「ワシントンポスト」は、これは北朝鮮の米国に対する失望のシグナルではないかとみている。
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露朝首脳会談始まる(4月25日)
25日午後1時(現地時間)より、ウラジオストックで、露朝首脳会談が始まった。
冒頭、金正恩委員長は「この会談が両国関係の安定した発展のために有益なものになるだろう。全世界が朝鮮半島に注目しているなかで、我々は共に有意義な会談にしていこうと思う」と述べた。
これに対しプーチン大統領も「今回の委員長の訪問によって、我々は朝鮮半島についてさらに理解し、朝鮮半島問題を解決するために、ロシアとしても積極的な役割を果たしていきたい」と述べ、さらに「双方は露朝の経済関係を発展させるために、多くのことができる」と付け加えた。...
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25日午後1時(現地時間)より、ウラジオストックで、露朝首脳会談が始まった。
冒頭、金正恩委員長は「この会談が両国関係の安定した発展のために有益なものになるだろう。全世界が朝鮮半島に注目しているなかで、我々は共に有意義な会談にしていこうと思う」と述べた。
これに対しプーチン大統領も「今回の委員長の訪問によって、我々は朝鮮半島についてさらに理解し、朝鮮半島問題を解決するために、ロシアとしても積極的な役割を果たしていきたい」と述べ、さらに「双方は露朝の経済関係を発展させるために、多くのことができる」と付け加えた。
1対1の首脳会談は1時間ほど行われ、その後外相などを交えた拡大会議が開催された。
事前にはプーチン大統領が6か国協議の提案を行うのではないかとの観測もあったが、まだ確認されていない。また朝鮮半島の非核化の話だけではなく、プーチン大統領がわざわざロシアの北朝鮮に対する経済協力について言及したことは注目される。
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