トランプ大統領は6月17日、父の日に当たる週末を、歴代大統領の別荘であるキャンプ・デービッドで初めて過ごすため、夫人・息子他家族とともにメリーランド州山間部の同地を訪れた。同大統領は、オバマ前大統領含めて、歴代の政治家大統領を何かと批判し、キャンプ・デービッドについても、田舎だとか、退屈な場所だとかと酷評していた。しかし、ロシア・ゲート問題等の大スキャンダルに見舞われたことがさすがに堪えた模様で、同様の大スキャンダルに遭ったニクソン元大統領が好んで同地を利用していたことに倣ってか、大統領側近の思惑に反して、同地に初めて滞在することを決めた。
6月17日付米
『デンバー・ポスト』紙:「トランプ大統領、父の日の週末を過ごすため、キャンプ・デービッドを初訪問」
ドナルド・トランプ大統領は6月17日昼近く、家族と共に父の日の週末を過ごすため、メリーランド州キャトクティン山岳公園内の、大統領専用別荘であるキャンプ・デービッドに向かった。
歴代大統領と同様、移動には米海兵隊専用ヘリコプター“マリーンワン”を使って、メラニア夫人、息子のバロン君(11歳)と共に移動した。...
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6月17日付米
『デンバー・ポスト』紙:「トランプ大統領、父の日の週末を過ごすため、キャンプ・デービッドを初訪問」
ドナルド・トランプ大統領は6月17日昼近く、家族と共に父の日の週末を過ごすため、メリーランド州キャトクティン山岳公園内の、大統領専用別荘であるキャンプ・デービッドに向かった。
歴代大統領と同様、移動には米海兵隊専用ヘリコプター“マリーンワン”を使って、メラニア夫人、息子のバロン君(11歳)と共に移動した。ホワイトハウスから出発の際、一部メディアから、司法妨害で捜査対象となっている件などの質問が投げかけられたが、それには全く答えず、ただ手を振って搭乗した。
キャンプ・デービッドは、歴代大統領が保養だけでなく、外国の要人との会談に使用しており、特にその中でも、ロナルド・レーガン(第40代大統領)は150回も利用していた。また、バラク・オバマ前大統領は2012年、主要8ヵ国首脳会議(G-8サミット)を同地で開催している。
一方、トランプ大統領はこれまで、自身の別荘であるフロリダ州パームビーチの“マー・ア・ラゴ”や、ニュージャージー州のゴルフ・リゾートを主として使用していたが、大統領の滞在経費という税金を、自身の資産を管理する事業会社に落とす等の点で、問題視されてきていた。
同日付英
『デイリィ・メール・オンライン』(
『AFP通信』配信):「トランプ・ファミリーが初めてキャンプ・デービッドに滞在」
これまでトランプ大統領は、自身が保有するフロリダ州の別荘をよく利用していたが、ホワイトハウスから遠距離の同地まで大統領専用機“エアーフォースワン”を使用することで経費増となる問題だけでなく、パームビーチ周辺で厳重な警戒に当る必要より、地元住民から、度々不便を強いられるとの不満の声が上がっていた。
なお、キャンプ・デービッドは、1978年のエジプトとイスラエル間の和平交渉に使われたことで世界に周知されている。
同日付カナダ
『CTVニュース』(
『AP通信』配信):「トランプ大統領、ついに王宮ではなく田舎のキャンプ・デービッドに今週末滞在」
大統領就任後5ヵ月にして初めて、トランプ大統領はメリーランド州にあるキャンプ・デービッドを訪れ、家族と共に今週末の父の日をそこで滞在することにした。
ホワイトハウスから約70マイル(約112キロメーター)にあるキャンプ・デービッドは、これまで70年以上歴代大統領が利用してきたが、単なる保養所ではなく、歴代大統領の要人との重要な会談に使われてきた。
・フランクリン・ルーズベルト(第32代大統領):1943年、ノルマンディー上陸作戦についてウィンストン・チャーチル英国首相と協議。
・ジミー・カーター(第39代):1978年、エジプトとイスラエル首脳間の和平交渉を仲介。
しかし、これまでトランプ大統領は、キャンプ・デービッドは“田舎”で“30分も居れば飽きる”として、安倍晋三首相や習近平(シー・チンピン)主席との会談には、同大統領の別荘である、フロリダ州の王宮的リゾート“マー・ア・ラゴ”をよく使用していた。
6月18日付豪州
『ABCニュース』:「ドナルド・トランプ大統領、歴代大統領に倣い、“大変な田舎”のキャンプ・デービッドに初滞在」
キャンプ・デービッドは、歴代大統領の要人との会談に利用されただけでなく、ジョージ・HW・ブッシュ第41代大統領の場合は、息女のドロシー(ブッシュ第43代大統領の妹)が結婚式を挙げている。
その他、直近の大統領では、ビル・クリントン(第42代)が2度、ジョージ・W・ブッシュ(第43代)が11度、バラク・オバマ(第44代)は4度滞在している。
しかし、トランプ大統領は、自身のフロリダの別荘を好んで使っていることが周知の事実であるため、キャンプ・デービッドの地元住民は、同大統領が初めて滞在したからと言って、歓迎する等、特別な感情はない模様である。
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