トランプ大統領は選挙戦の最中、日韓及び北大西洋条約機構(NATO)の軍事費負担増を要求していたが、大統領就任後は、日韓両国訪問のマティス新国防長官に費用負担要求の件は持ち出させなかった。しかし、NATO国防相理事会に出席した際には、同国防長官が、同加盟国に対して応分の負担を要求し、これが応えられないならば、NATOへの支援を抑制すると脅しをかけた。一方で同長官が、ロシアとの軍事連携には消極的で、むしろ対ロ対策が必要だと主張するに至り、NATO加盟国も対応に追われている。
2月16日付中国
『環球時報』(
『ロイター通信』配信):「トリック、オア、トリート(言うこと聞かないといじわるするぞ):米国がNATO加盟国に軍事費負担増を要求」
「●ドナルド・トランプ政権のジム・マティス国防長官は2月15日、NATO国防相理事会において、ロシアやイスラム過激派等の脅威を軽んじているとNATO加盟国を非難し、応分の軍事費負担をしないならば、米国のNATOへの支援は“抑制”されることになろうと警告。...
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2月16日付中国
『環球時報』(
『ロイター通信』配信):「トリック、オア、トリート(言うこと聞かないといじわるするぞ):米国がNATO加盟国に軍事費負担増を要求」
「●ドナルド・トランプ政権のジム・マティス国防長官は2月15日、NATO国防相理事会において、ロシアやイスラム過激派等の脅威を軽んじているとNATO加盟国を非難し、応分の軍事費負担をしないならば、米国のNATOへの支援は“抑制”されることになろうと警告。
●なお、同長官は、トランプ大統領が大統領選最中、NATOの意義について懐疑的であったが、今はNATOを支援する考えに至っているとコメント。」
同日付スペイン
『エージェンシアEFE通信』:「NATO事務総長:米国要求に応えて、加盟国に軍事費負担を増やすよう要請」
「●NATOのジェンス・ストルテンベルグ事務総長は2月16日、米国の要求に応えて、欧州加盟国及びカナダはもっと軍事費負担額を増やすよう要請。
●同事務総長は、加盟各国はNATO条約第5条に則って、域外勢力から侵略された場合、共同してこれに対抗する取決めとなっており、その観点から応分の軍事負担も必要だともコメント。
●マティス長官によると、ウェールズ(英国)での首脳会議で取り決められた2014年枠決めに則り、加盟国は各々の国内総生産(GDP)の2%の軍事費負担が求められるが、目下これに適っているのは、米国以外は英国・ギリシャ・ポーランド・エストニアの4ヵ国のみ。」
一方、2月17日付米
『Yahooニュース』(
『ロイター通信』配信):「EUユンケル委員長:
米国要求に応えて軍事費増額の必要なしと表明」
「●欧州委員会のジャン=クロード・ユンケル委員長は2月16日、NATOの欧州加盟国は、米国要求に従って軍事費増強に応じる必要はないと発言。
●ミュンヘン国際安全保障会議の席上同委員長は、欧州には軍事強化以外に、“現代に則した安全政策”-開発援助、人権擁護政策等があり、必ずしも軍事費支出が最善なことではなく、もっと資金を有効に使うべきだ、とも主張。
●同委員長によると、例えばドイツのNATO軍事費負担額は目下GDPの1.22%だが、それを取決めの2%まで引き上げる政府予算上の余裕は全くない由。」
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