既報どおり、トランプ大統領が発令した、イスラム圏7ヵ国対象の入国禁止措置令は、連邦控訴裁でも一時差し止め命令が支持され、引き続き同措置の執行が停止されている。これと同じく、不法移民の流入を防ぐためとして、同大統領が宣言し、実施しようとしているメキシコ国境に壁を建設する話は、メキシコ政府が正式に費用負担を拒否しているだけでなく、与党共和党議員からも、大枚のお金を投入する価値があるのかとの疑問が提示されている。
2月10日付米
『USAトゥデイ』紙:「米国家安全保障省、国境に建造する壁の費用が216億ドルと試算」
「●米国家安全保障省の内部資料によると、トランプ大統領が宣言し、実施を命じたメキシコ国境の壁の建設について、その費用は216億ドル(約2兆4,400億円)、また期間も3年半かかると試算。
●これは、同大統領が選挙戦中に掲げていた100~120億ドル(約1兆1,300億円~1兆3,600億円)、また、上院共和党リーダーのミッチ・マッコーネル議員が試算した120~150億ドル(約1兆3,600億円~1兆7,000億円)を遥かに上回る費用。...
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2月10日付米
『USAトゥデイ』紙:「米国家安全保障省、国境に建造する壁の費用が216億ドルと試算」
「●米国家安全保障省の内部資料によると、トランプ大統領が宣言し、実施を命じたメキシコ国境の壁の建設について、その費用は216億ドル(約2兆4,400億円)、また期間も3年半かかると試算。
●これは、同大統領が選挙戦中に掲げていた100~120億ドル(約1兆1,300億円~1兆3,600億円)、また、上院共和党リーダーのミッチ・マッコーネル議員が試算した120~150億ドル(約1兆3,600億円~1兆7,000億円)を遥かに上回る費用。
●費用大幅増加の理由は、主にテキサス州の私有地の買収費用が嵩むため。」
同日付英
『メール・オンライン』(
『ロイター通信』配信):「トランプ氏主張の“壁”建設コスト膨張のため、民主党のみならず南部州の共和党議員も不満が爆発」
「●トランプ大統領指示のメキシコ国境に壁を造る政策について、テキサス州選出のウィル・ハード上院議員は2月10日、建設コストが216億ドルにも上るとのニュースを受けて、壁建設は国境防御上最もコストがかかるが最も効果が薄い政策だと批判。
●上院歳出委員会のパトリック・リーヒィ民主党議員(バーモント州選出)は、かかる巨費はもっと有効に、例えばガン治療、学校建設、飢えに苦しむ人への食糧支援や橋・道路の修復等に充てるべきだと非難。」
2月11日付ロシア
『スプートニク・インターナショナル』オンラインニュース:「トランプ
氏宣言の壁建設費用が216億ドルと試算」
「●今回の試算は、ジョージ・ブッシュ大統領(当時)時代に建造された654マイル(約1,046キロメーター)に加えて、1,250マイル(2,000キロメーター)にわたる壁を新たに造るという計画の費用見積り。
●トランプ大統領の度重なる宣言に対して、メキシコのエンリケ・ペーニャ・ニエト大統領は、壁建設費用負担は絶対に受諾しないと繰り返し主張。
●米国家安全保障省は、今年4月か5月に議会承認を得て、9月には建設開始したい意向で、この計画でいけば建設終了は次回2020年の大統領選の時期。」
2月10日付メキシコ
『メキシコ・スター』紙:「メキシコのスターのペレス氏もトランプの
壁建設反対運動に参加」
「●フォーミュラ1(F1)世界選手権自動車レース(全20戦が世界で開催)のひとつであるメキシコ・グランプリ大会(今年は10月29日開催)運営委員会は、目下トランプ大統領が宣言するメキシコ国境に壁を造るとの計画に反対する、“壁でなく橋を造れ”キャンペーンを展開中。
●そして、メキシコ人のF1スター・ドライバーのセルジオ・ペレス氏も2月9日、同キャンペーンに参加すると表明。
●また、もうひとりのメキシコ人スターである、サッカー・メキシコ代表チームの主将だったラファエル・マルケス氏(元スペイン・バルセロナ所属)も先月、壁を造ろうとも我々は自分の信じる道を進む、とツイッターで反論。」
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