中国の全国人民代表大会常務委員会は26日、トルコ政府との引き渡し条約を批准したと発表した。中国が「テロ」活動家と疑うウイグル族難民のトルコからの強制送還が加速する懸念がある。トルコ議会もこの協定を承認する必要があるが、ウイグル族のディアスポラの間では不安が広がっている。
仏国際ニュース専門局
『フランス24』によると、中国は26日、ウイグル族の大規模なディアスポラを抱えるトルコから、一部のウイグル人の帰還を加速させるようと、2017年にトルコ政府と署名した身柄引き渡し協定を批准した。
トルコ議会はこの二国間協定をまだ承認していないが、こうした動きは、トルコに住む推定5万人のウイグル人コミュニティの間で懸念を抱かせるものである。
中国中央政府は、ウイグル族のイスラム教分離主義を警戒し、新疆北西部地域のウイグル自治区に対し厳格な監視政策を進めている。...
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仏国際ニュース専門局
『フランス24』によると、中国は26日、ウイグル族の大規模なディアスポラを抱えるトルコから、一部のウイグル人の帰還を加速させるようと、2017年にトルコ政府と署名した身柄引き渡し協定を批准した。
トルコ議会はこの二国間協定をまだ承認していないが、こうした動きは、トルコに住む推定5万人のウイグル人コミュニティの間で懸念を抱かせるものである。
中国中央政府は、ウイグル族のイスラム教分離主義を警戒し、新疆北西部地域のウイグル自治区に対し厳格な監視政策を進めている。海外の専門家によると、中国当局はウイグル人を含む少なくとも100万人を「収容所」で抑留しているという。中央政府は、住民が仕事を見つけて過激主義から遠ざかるのを助けるための「職業訓練センター」だと主張している。しかし、多くのウイグル人は、迫害の犠牲者であるとしてトルコに逃げてきた。
全国人民代表大会常務委員会は26日夜、ウェブサイト上の短い声明の中で、中国が「引き渡し条約を批准した」ことを発表した。しかし、条約文には、引き渡しを拒否できる条件も記載されている。例えば、引渡を要求された国が「政治犯罪」に関連していると見なした場合や、引き渡しの対象者が自国民である場合、または関係者が亡命権を享受している場合などだ。
世界各国のウイグル人組織を統括する「世界ウイグル会議」のスポークスマン、ディルクサット・ラクシット氏は、条約の批准のために、中国政府がトルコに経済的な圧力をかけていると述べ、「この引き渡し条約は、中国から逃れてトルコの市民権を持っていないウイグル人の間でパニックを引き起こすだろう」と訴えた。そして、「我々は、この条約が迫害の道具になるのを防ぐためにトルコ政府に(...)呼びかける」と付け加えた。
仏国際放送局『RFI』によると、ウイグル人はトルコと同じイスラム教であり、トルコ語と共通のルーツを持つ言語を共有しているため、ウイグル族難民はトルコの人々から強い支持を得ている。一方でトルコ政府は、中国の投資に依存している。そのため、今回の中国側の動きは、トルコに対して圧力をかけることが目的だと見られている。
トルコのエルドアン大統領は10年前こそ、ウイグル族に対する中国の扱いを大量虐殺だと非難していたが、現在はそうした主張を控えるようになっている。野党は、トルコ政府が中国に手足を縛られていると非難している。長引く経済危機に直面しているトルコが、これまで以上に中国からの投資を必要としているからだ。
一部の報告書は、トルコはすでに引き渡しを開始しており、ウイグル人を中国に密かに強制送還しているとして非難の声をあげている。
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