米アップル社は、アイフォンの中国での売上減などにより、1~3月第2四半期決算で、売上高506億ドル(前年比13%減)、今週一時アップル株は8%下落した。同じくIT大手アルファベット社やマイクロソフト社も不振の模様。アップルから今年発売のアイフォン7に注目も集まるが、今後どう巻き返しを図るのか?
4月27日付英
『ガーディアン』は「アップルのCEO400億ドル超損失で再起を図る」との見出しで以下のように報道している。
・アップルは、今年第2四半期売上前年比13%減、売上高506億ドル(前年580億ドル)で、13年で初の減益を記録し、アップル株が7%下落。アイフォンからの収益は3割超を占めており、アイフォン売上前年比16%減益、収益18%減となった。
・先週、世界大手2位アルファベット社(前グーグル社)も同様の結果で5%下落。
・収益減の主な要因は中国の経済低迷によるとされる。アップル社は7か月間、ドル高元安で価格が上昇した中国での商品販売で苦戦を強いられている。
・中国経済に精通した米投資銀行パイパージャフレーのアナリストはアップルの財政状況はアイフォン7を発表する今年末まで続くが、アイフォン7の時期には成長に転じると見ている。
・アイフォン不振が続いたが、アイフォン7後は、研究開発費に21%(100億ドル)投資し現在開発中の製品にシフトするとみられる。クックCEOが「インドは中国の7~10年前のようだ」と述べたように、中国依存は終わるとみられる。
同日付
『ロイター通信』は「アイフォン頭打ち論の中アップルは次のモデルに賭ける」との見出しで以下のように報道している。
・Siriに「アップル打開の決め手はアイフォンか」と尋ねるとホームページに答えがあるとの回答がある。
水曜の株価暴落によりアイフォンは頂点を過ぎたかとの見方がされている。アナリストらはアップルが巻き返しを図る9月発売予定のアイフォン7が鍵となるとし、「もし新機能がアピール不足なら、消費者はアップグレードしないだろう」と懸念、残念ながら現時点では革新的機能がないとする。
・アイフォン7には、防水、無線イヤホン、接触式ホームボタンの機能等が追加される予定。スマホ業界で人気不動の従来アイフォンやAndroidから切り替えが起きるかは疑問である。
・アップル同様、マイクロソフトとグーグルの親会社アルファベットも不振。
同日付英
『WEEK』は「アイフォン7は変わり映えしないが革新的」との見出しで以下のように報道している。
・多くの新機能追加はなく2015年の型に似た物となるとみられているが、消費者の心をつかむほどでないが、小さな革新はある。
・イヤホンジャックがなくなり、アイフォン6Sより薄型で二重スピーカー内臓。他社機種もアップルを追従するとみられ、アナログポートをUSBのCポートに替えていきたいとする業界の意図がみえる。消費者はこれまでのイヤホンやヘッドホンが使えなくなるため不便となる。
・また、ホームボタンがなくなり、タッチパネル上でのボタンとなる。アップルは指紋読み取りスキャナー付きのディスプレイの開発に興味があるといわれ、これだとホームボタンの機能を既に備えることとなる。
・アップル社は、指で押すと圧力により変形し、指を離すと元に戻る液体金属のホームボタンの特許をもっており、2010年から使う権利があったが同社製品に使用してこなかった。アイフォン7からは、ボタンが取り払われるモデルとなる見込みである。
・また、アイフォン7は完全防水、防塵機能が追加されるとみられる。
同日付米
『CNBC』は以下のように報道している。
・水曜アップル株が約8%下落し6.2%安で取引を終えた。
十数か所の投資会社が同社株の価格目標を下げた。
同日付米
『FORTUNE』は「大手不振も中小IT企業株が好調」との見出しで以下のように報道している。
・大手アップル社( AAPL 6.32%↓) , アルファベット社( GOOGL 0.37%↑)マイクロソフト社(MSFT 0.97%↓)不振の中、中小企業は好調。
・S&Pテクノロジーセクター指数は、5日間で4%下げたが、 S&P 中型株指数(テクノロジ―セクター)は0.8%上昇、中型株は1%上昇した。決算発表が先となる中小企業は好調。
・マイクロ・デバイセズ社は先週の好感からの38%上昇、小売り企業チェックポイントシステム は合併後6割増益など、買収可能な規模の企業が吸収合併に乗り出している。
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