10月12日付
『ロイター通信』、中国
『環球時報』、10月13日付
『China Daily』等は、中国の2022年の出生数が建国以来最低値を記録しただけでなく、その過半数が「一人っ子政策(注後記)」緩和後の第二子・第三子で占められていたことが判明したと報じている。
中国国家衛生健康委員会(NHC、1949年前身設立)が10月12日に公表したデータによると、2022年の全国出生数は前年比▼10%減の956万人と、1949年の建国以来最低値となっている。
また、総人口についても、2022年は前年比▼85万人減の14億1千万人と、1960年代初めに減少傾向から増加に転じて以来、およそ60年振りに減少している。
この背景には、子育てや教育に関わる費用の高騰、若者世代の失業率悪化が挙げられる。
更には、長らく続けられていた「一人っ子政策」に伴って、適齢期の女性の数が圧倒的に少ないという不均衡の事態がある。
なお、中国共産党政府は、人口高齢化の対策の一環で、2015年に「一人っ子政策」を一部緩和し、2021年に廃止としているが、この施策変更がなかった場合、出生数減少率は更に悲惨だったかも知れない。
何故なら、出生数の内訳は、初産(第一子)が約430万人(45%)だったのに対して、第二子が約380万人(40%)、第三子もしくはそれ以降が約140万人(15%)であったからである。
(注)一人っ子政策:1979年から2014年まで実施された、原則として一組の夫婦につき子供は一人までとする計画生育政策。弊害として、少子高齢化が促進しただけでなく、家父長制(男子が世帯主として両親を含めた家族を扶養)の慣習から一人っ子が男子優勢となり女子の絶対数が減少。なお、2015年から2021年までは緩和政策の一環で二人っ子政策に転じ、最終的に2021年8月には第三子以降も認められることになっている。
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フィリピンの新大統領に決まったロドリゴ・ドゥテルテ氏(南部ミンダナオ島ダバオ市長)は中国間の南シナ海をめぐる問題の解決に意欲を示していたが、16日、ダバオ市内で早速駐フィリピン趙鑑華中国大使と会談。会談は経済問題が中心だったようで、領土問題に話は及んだかとの質問に大使は笑顔でコメントを避けたという。6年に及ぶアキノ政権下、戦力的な重要な海上拠点である南シナ海問題関係が急激に悪化。国内の反発は予測されるがフィリピンの対中強固路線が変更されるとの懸念もある。中比関係は強固なものだが、「周知の理由により、両国関係は深刻に損なわれた」としていた中国外交部も新大統領を祝福し、新政権における2国関係の発展を期待している。」
5月16日付比
『マニラビュレティン』は「中比の関係強化」の見出しで以下のように報道している。
・月曜午後、次期大統領が在マニラ中国大使と会談、中国との長年に及ぶ領土問題での緊張が高まる中、関係改善と強化で一致、「親善的で率直な意見交換」を行った。
・中国大使館は声明で、趙鑑華大使は「両国はよい隣人、パートナーであり親戚だ。中比の相違点を詰め、これまでの親善協力関係をより一層強めたい」と述べているとした。...
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5月16日付比
『マニラビュレティン』は「中比の関係強化」の見出しで以下のように報道している。
・月曜午後、次期大統領が在マニラ中国大使と会談、中国との長年に及ぶ領土問題での緊張が高まる中、関係改善と強化で一致、「親善的で率直な意見交換」を行った。
・中国大使館は声明で、趙鑑華大使は「両国はよい隣人、パートナーであり親戚だ。中比の相違点を詰め、これまでの親善協力関係をより一層強めたい」と述べているとした。
・中国は山積する課題、とりわけ資源豊富な南シナ海の領土問題等の解決のため、同大統領の就任を期待していた。
5月17日付比
『The Standard』は、「ドゥテルテ氏、ダバオで中国大使と会談」との見出しで以下のように報道している。
・両国関係が悪化していた2014年に任命された大使は、会談で西フィリピン海(フィリピン諸島西部の南シナ海)問題に話が及んだかとの質問に答えなかったが、中比は親戚だと関係改善を強調。
・ドゥテルテ氏は日曜報道陣に述べたのと同様に、領土問題について中国との直接対話の用意があると再度述べた。「両国間は良好だったが、私はさらに親交を深めたい」、とした。
・来月末大統領就任予定のドゥテルテ氏は、他の交渉が決裂すれば中国側との直接会合に臨むと強調した。
・上院議員(元海軍中尉)のアントニオ・トリレイン・IV氏は、スカボロー礁を中国に「売る」ことを批判。大統領がスカボロー礁の領有権放棄を認めるなら弾劾もありうるとした。同氏は高官らの助言を無視し2012年中国との会談に臨もうとしたが、沈黙を通した。両国間の緊張を解くのが役目だとする。
・同氏は、「領有権を放棄したとするのは大統領として危険なこと。大統領は中国に領有権を譲ろうとしているように見え、ついにはアキノ元大統領と私の責任を追及するのであろう。来月の就任後(漁船もある)スカボロー礁の所有権放棄を宣言すれば、弾劾へつながる事になる。」と述べている。
・大統領の発言はメディアで報道されたが、防衛当局者からの情報はない。
5月17日付比
『サンスター』は、「海外が投資先として注目」との見出しで以下のように報道している。
・ドゥテルテ新大統領の報道官や暫定政府関係者によると、新政権は海外企業から注目されており、企業名は明かせないが日本、中国、EU諸国、アメリカ、マレーシア等のASEAN諸国からおフォーがある。株式市場や通貨市場の反応を注視しており、新政権の政策が待たれる、としている。
5月17日付中国
『China Daily Asia』は、「フィリピンの新大統領、中国との関係改善を誓う」との見出しで以下のように報道している。
・フィリピン新大統領による南シナ海問題で2国間会談を持ちたいとの意向を受け、趙鑑華駐在大使と会談。大使は会談後、両国の協力関係を確認したとした。
5月17日付中国
『中国新聞社』は、「中国大使がドゥテルテ氏との初会談使節となる」との見出しで以下のように報道している。
・対中国政策に変化の兆し。ドゥテルテ氏が日曜「AFP通信」で中国との会談を要請、趙鑑華大使が最初の会談相手なった。会談では、ドゥテルテ氏が国家主権よりむしろ経済関係を強化したいように見えたとする。
・アキノ政権下、比の経済は発展し中間層は豊かになった。ドゥテルテ氏の支持率を見ると比国民は経済の更なる発展を望んでいるため、経済を優先させる必要があるのだろうとする。
・過激発言のドゥテルテ氏に領土問題でソフトな対応は望めない可能性があるが、柔軟性は期待できる。新政権は南シナ海政策を転換させるとの期待もあるが、政府内の承認に難航することも予測される。
・比副大統領は自由党となる可能性が高く、領土問題政策に変更があればこれに反対する恐れもある。
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