フィリピン新大統領が中国大使と会談(2016/05/18)
フィリピンの新大統領に決まったロドリゴ・ドゥテルテ氏(南部ミンダナオ島ダバオ市長)は中国間の南シナ海をめぐる問題の解決に意欲を示していたが、16日、ダバオ市内で早速駐フィリピン趙鑑華中国大使と会談。会談は経済問題が中心だったようで、領土問題に話は及んだかとの質問に大使は笑顔でコメントを避けたという。6年に及ぶアキノ政権下、戦力的な重要な海上拠点である南シナ海問題関係が急激に悪化。国内の反発は予測されるがフィリピンの対中強固路線が変更されるとの懸念もある。中比関係は強固なものだが、「周知の理由により、両国関係は深刻に損なわれた」としていた中国外交部も新大統領を祝福し、新政権における2国関係の発展を期待している。」
5月16日付比
『マニラビュレティン』は「中比の関係強化」の見出しで以下のように報道している。
・月曜午後、次期大統領が在マニラ中国大使と会談、中国との長年に及ぶ領土問題での緊張が高まる中、関係改善と強化で一致、「親善的で率直な意見交換」を行った。
・中国大使館は声明で、趙鑑華大使は「両国はよい隣人、パートナーであり親戚だ。中比の相違点を詰め、これまでの親善協力関係をより一層強めたい」と述べているとした。...
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5月16日付比
『マニラビュレティン』は「中比の関係強化」の見出しで以下のように報道している。
・月曜午後、次期大統領が在マニラ中国大使と会談、中国との長年に及ぶ領土問題での緊張が高まる中、関係改善と強化で一致、「親善的で率直な意見交換」を行った。
・中国大使館は声明で、趙鑑華大使は「両国はよい隣人、パートナーであり親戚だ。中比の相違点を詰め、これまでの親善協力関係をより一層強めたい」と述べているとした。
・中国は山積する課題、とりわけ資源豊富な南シナ海の領土問題等の解決のため、同大統領の就任を期待していた。
5月17日付比
『The Standard』は、「ドゥテルテ氏、ダバオで中国大使と会談」との見出しで以下のように報道している。
・両国関係が悪化していた2014年に任命された大使は、会談で西フィリピン海(フィリピン諸島西部の南シナ海)問題に話が及んだかとの質問に答えなかったが、中比は親戚だと関係改善を強調。
・ドゥテルテ氏は日曜報道陣に述べたのと同様に、領土問題について中国との直接対話の用意があると再度述べた。「両国間は良好だったが、私はさらに親交を深めたい」、とした。
・来月末大統領就任予定のドゥテルテ氏は、他の交渉が決裂すれば中国側との直接会合に臨むと強調した。
・上院議員(元海軍中尉)のアントニオ・トリレイン・IV氏は、スカボロー礁を中国に「売る」ことを批判。大統領がスカボロー礁の領有権放棄を認めるなら弾劾もありうるとした。同氏は高官らの助言を無視し2012年中国との会談に臨もうとしたが、沈黙を通した。両国間の緊張を解くのが役目だとする。
・同氏は、「領有権を放棄したとするのは大統領として危険なこと。大統領は中国に領有権を譲ろうとしているように見え、ついにはアキノ元大統領と私の責任を追及するのであろう。来月の就任後(漁船もある)スカボロー礁の所有権放棄を宣言すれば、弾劾へつながる事になる。」と述べている。
・大統領の発言はメディアで報道されたが、防衛当局者からの情報はない。
5月17日付比
『サンスター』は、「海外が投資先として注目」との見出しで以下のように報道している。
・ドゥテルテ新大統領の報道官や暫定政府関係者によると、新政権は海外企業から注目されており、企業名は明かせないが日本、中国、EU諸国、アメリカ、マレーシア等のASEAN諸国からおフォーがある。株式市場や通貨市場の反応を注視しており、新政権の政策が待たれる、としている。
5月17日付中国
『China Daily Asia』は、「フィリピンの新大統領、中国との関係改善を誓う」との見出しで以下のように報道している。
・フィリピン新大統領による南シナ海問題で2国間会談を持ちたいとの意向を受け、趙鑑華駐在大使と会談。大使は会談後、両国の協力関係を確認したとした。
5月17日付中国
『中国新聞社』は、「中国大使がドゥテルテ氏との初会談使節となる」との見出しで以下のように報道している。
・対中国政策に変化の兆し。ドゥテルテ氏が日曜「AFP通信」で中国との会談を要請、趙鑑華大使が最初の会談相手なった。会談では、ドゥテルテ氏が国家主権よりむしろ経済関係を強化したいように見えたとする。
・アキノ政権下、比の経済は発展し中間層は豊かになった。ドゥテルテ氏の支持率を見ると比国民は経済の更なる発展を望んでいるため、経済を優先させる必要があるのだろうとする。
・過激発言のドゥテルテ氏に領土問題でソフトな対応は望めない可能性があるが、柔軟性は期待できる。新政権は南シナ海政策を転換させるとの期待もあるが、政府内の承認に難航することも予測される。
・比副大統領は自由党となる可能性が高く、領土問題政策に変更があればこれに反対する恐れもある。
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新フィリピン大統領の素顔(2016/05/10)
フィリピンの大統領選挙で反主流派で扇動者 ロドリゴ・ドゥテルテ(南部ミンダナオ島ダバオ市長)が当選確実となった。他候補のグレース・ポー上院議員、アキノ氏の後継指名のマヌエル・ロハス氏を584万票引き離し圧勝とみられる。死刑制度がなく犯罪が横行するフィリピンでドゥテルテ氏は「犯罪者は射殺」など過激な発言で知られており、経済成長のさなかも貧困や格差問題を解決できない既存政治への批判で支持を集めたことから、「フィリピンのドナルド・トランプ」氏になぞらえられている。大統領就任の暁には中国間の南シナ海をめぐる問題の解決を目指すとしている。
5月9日付韓国
『コリアタイムズ』は「4枚舌の政治家はフィリピン大統領になれるのか?」との見出しで以下のように報道している。
・月曜フィリピンの大統領選挙が開始され、71歳、南部ダバオ市長を歴任したフィリピンのドナルドトランプと称されるロドリゴ・ドゥテルテ氏の当選が注目される。
・最新調査統計では33%で首位。前内務・自治相マヌエル・ロハス氏と上院議員グレース・ポー氏が20%台で続く。...
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5月9日付韓国
『コリアタイムズ』は「4枚舌の政治家はフィリピン大統領になれるのか?」との見出しで以下のように報道している。
・月曜フィリピンの大統領選挙が開始され、71歳、南部ダバオ市長を歴任したフィリピンのドナルドトランプと称されるロドリゴ・ドゥテルテ氏の当選が注目される。
・最新調査統計では33%で首位。前内務・自治相マヌエル・ロハス氏と上院議員グレース・ポー氏が20%台で続く。
・過激発言や犯罪防止政策で支持を集め、その犯罪への強硬姿勢はダバオの犯罪率を大きく改善し、治安のよい都市へと改革した。
・TVで「10万人の凶悪犯罪者を死刑とし、マニラ湾に捨て海のもずくとする。人権を守る法を破ろう」と述べており、女性に関する発言でも海外で報道されている。」
同日付比
『マニラビュレティン』(ロイター通信引用)は「大統領候補、当選に自信」との見出しで以下のように報道している。
・今回の選挙戦では、長期経済成長期においても貧困や格差問題を是正できなかった政権の支配者層に対する国民の不満を露出。旧体制を否定する最有力候補として浮上した同氏は米国共和党大統領候補トランプ氏と重なるものがある。アキノ氏は先週、ドゥテルテ候補阻止で他候補に団結を呼びかけていた。
・投票率は5割以上で人口1億の半分が大統領、副大統領、300名の議員、1.8万人の地方議員に投票。候補者にはビジネス界、芸能界、ボクサー等も見られた。
同付英
『BBC』は、「フィリピン大統領、犯罪強硬派ドゥテルテ氏が勝利」との見出しで以下のように報道している。
・22年以上ダバオ市長だったドゥテルテ氏は選挙活動中犯罪者を締め上げると発言、前国家検察官からは「懲罰者」との別称が付けられていた。今選挙では経済とインフラ改革、中国との南沙諸島を巡る領土問題も取り上げられた。
・現地の投票所は近隣者同士や家族連れで常に混雑した様子であったが、混乱も無く投票が行われた。
・ドゥテルテ氏に熱狂する有権者の年齢や職業層をみても、経済政策に失敗した既存政権へのあきらめが見て取れる。ドゥテルテ氏は国の問題解決に支障となるならば、民主主義的抑制と均衡を無視してもよいとしており、このメッセージが国民に受け入れられている。
・2位のマヌエル・ロハス氏は前投資銀行家で初代大統領の孫にあたる。3位の前教師で上院議員のグレース・ポー氏は負けを認め、「選挙結果を尊重する。ドゥテルテ氏に委任し期待したい」としている。アキノ大統領は他候補を擁護し、ドゥテルテ氏が当選すれば独裁制に逆戻りするとしていた。
・投票に当っては10万人の警官が動員された。
5月10日付中国
『China.org.cn』は、「フィリピンが領海問題対処変更の可能性」との見出しで以下のように報道している。
・フィリピンのの政権は南沙諸島を巡る政策を変更、軟化の可能性。しかし2国間関係への米国の介入により、新大統領政権の裁量に影響が出る恐れがある。結果は今月25日となり、新大統領の任期は6となる。
・現アキノ氏と違い、3候補とも国民調査によると中国との海洋問題を外交的に解決したいとしている。
・大統領候補ドゥテルテ氏が、「当選した暁には多国間協議が2年以内に実を結ばないなら、2国間会合を開き解決に努める」とコメントしたのを受けて、先週、中国外交部ホンレイ報道官は、新フィリピン大統領には「南沙諸島問題を適切に解決し、打開策により2国間の関係を強化」してほしいと述べた。
・中国現代国際関係研究所、南シナ海問題の研究員は2国間に米国が介入して問題を「かき乱す」と、南沙諸島問題を打開しようとする新政権の可能性を狭めてしまう、と述べている。
5月9日付米
『VOA』は、「賛否両論の市長がフィリピン大統領選で勝利確定か」との見出しで以下のように報道している。
・犯罪抑制に関する過激発言でトランプ氏に例えられているドゥテルテ氏が支持を集める情勢の中、米国務長官の報道官は、米国は「フィリピンでの偏りなく両立で民主的な選挙に期待する」と述べた。
・2週間前までは最有力とされていたグレース・ポー上院議員は3位となり、負けを受け止めドゥテルテ氏と協力する姿勢を示した。
・軍は、西部ミンダナオやルソン島で銃撃と爆発などの暴動により10人死亡、3人が負傷したと発表。
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