ドーバー海峡での移民ボート遭難で英仏間の緊張高まる(2021/11/26)
イギリスとフランスを結ぶドーバー海峡を渡る移民ボートで27人が死亡する事故が発生、移民対策を巡り英仏間の緊張が高まっている。
11月24日付仏
『フランス24』(ロイター通信)は「英は移民ボート沈没を政治利用すべきでないとマクロン大統領」との見出しで以下のように報道している。
英仏を隔てる海峡を渡る移民の船が転覆し過去最悪の死者となった。世界一の往来があり潮の流れも速い海峡で、人身売買斡旋業者は定員オーバーの移民をボートに乗せて英国へ渡らせる。仏内相によると、27人の移民が死亡、2人が重体。フランス警察はこの事故に関与した疑いで斡旋業者4人が逮捕。...
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11月24日付仏
『フランス24』(ロイター通信)は「英は移民ボート沈没を政治利用すべきでないとマクロン大統領」との見出しで以下のように報道している。
英仏を隔てる海峡を渡る移民の船が転覆し過去最悪の死者となった。世界一の往来があり潮の流れも速い海峡で、人身売買斡旋業者は定員オーバーの移民をボートに乗せて英国へ渡らせる。仏内相によると、27人の移民が死亡、2人が重体。フランス警察はこの事故に関与した疑いで斡旋業者4人が逮捕。移民らの国籍や身元は不明だという。
英国のジョンソン首相は、「衝撃を受け、愕然とした」とし、斡旋する犯罪集団は「殺人をして咎められないも同然」と批判。フランスのマクロン大統領は、「英国は自国の利益のためこの問題を政治化すべきではない」とし、ダルマナン内相は、「英国も問題解決における役割を果たすべき」と述べ、フランスに対し、同海峡での移民横断を阻止する対策強化を求めた。EUの国境沿岸警備機関(FRONTEX)は、難民がフランス北方海峡に集結しないよう、域外の境界線を守るためにより多くの支援金が必要だと指摘した。
マクロン仏大統領は、英国は国内世論を有利に導くためにこの問題を政治化すべきではないと指摘。ダルマナン仏内相は、英国も問題解決に向け役割を果たすべきだと訴えた。一方イギリスはここ数週間にわたり、フランスは移民の渡航を止めず対策をしていないと批判、フランス側はその批判に反発している。
ジョンソン首相は声明で、マクロン大統領と海峡移民対策強化で合意したと表明。難民支援団体は、監視強化により移民が更に危険な行動にでる可能性があると指摘し、斡旋業者のみを批判するのは政府の責任逃れだとしている。
11月25日付加『CBCニュース』(AP通信)は「英海峡での難民遭難事故を巡り英仏の緊張関係高まる」との見出しで以下のように報道している。
英国海峡を渡る移民ボートで27人が死亡する事故が発生、移民対策を巡り英仏間の緊張が高まっている。イギリスのジョンソン首相と仏のマクロン大統領は、移民の命を危険にする斡旋業を阻止するあらゆる策を取ることで合意したのだが、両国政府は事故を防げなかった責任で互いを批判している。
イギリス当局は、合同警備強化としてイギリス警察をフランス沿岸に派遣することを提案したが、フランス側がこれを拒否したことに不満を表した。一方のマクロン大統領は、「沿岸部の警備体制はこれ以上なく完璧であり、フランスはイギリスのために国境を守っているのだから、イギリス側の対策強化を求める」と述べ、イギリス側には「より責任あるパートナー」が必要だと反論、EUの支援を要請した。
フランス政府の発表では、ボート沈没の死者の中には子どもや妊婦が含まれているという。コロナ禍で飛行機や船便渡航が制限されたため、空気注入式ボート等小型の船で海峡を渡る難民の数が増加しており、今年小型ボートでイギリスに入国したのは2.3万人以上。昨年は8500人、2018年にはわずか300人程度であった。
今年6月、英国政府はフランスの斡旋業者摘発対策支援として5400万ポンド(約82億円)の拠出を決め、合同警備も提案したが、フランス側が自治権に抵触するとの懸念からこの提案を再三にわたり拒否している。
緊張関係は、昨年のEU離脱にも原因があるとされる。離脱の際イギリスはEU内の移民問題協力体制からも離脱していた。斡旋業者による海峡難民渡航支援ビジネスが拡張していたのだが、EU内での亡命希望者の動向を監視するシステムが十分働いておらず、新たな監視体制が敷かれていないかったことが悲劇を生んだとされる。イギリスは他国に亡命希望者の管理センターを設立するなど新たなルールを提案してきたが、議会で反対されてきた。
遭難事故に関し英国の新聞メディアは、事故の数時間前移民がボートを膨らませているのをフランス警察が見ている写真を掲載し、「ギャングの犯罪を見過ごすとは恥ずべきこと」とフランスに批判を向けた。翌日ジョンソン首相はマクロン大統領やEU首脳らに書簡を送り、海峡、空域、地上での合同警備を来週にでも開始することや、移民をフランスに送還する協定について提案している。
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カナダ石油・天然ガス、2022年にはカナダの掘削活動が増加すると石油連盟が発表(2021/11/17)
カナダ石油サービス連盟(PSAC)の予測によると、カナダにおける石油・天然ガスの掘削量は、2022年に16%増加する。
カナダ紙
『グローブ・アンド・メール』によると、業界の最新の予測では、カナダの石油・天然ガスの掘削活動は、2022年にはパンデミック以前のレベルに戻るという。カナダ石油サービス連盟(PSAC)は、来年、カナダでは合計5400本の井戸が掘削され、前年比で16%増加し、2019年以降で最も活発になると予想している。
またPSACは、下半期の活動の増加を考慮して、2021年の予測を4650本に修正した。...
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カナダ紙
『グローブ・アンド・メール』によると、業界の最新の予測では、カナダの石油・天然ガスの掘削活動は、2022年にはパンデミック以前のレベルに戻るという。カナダ石油サービス連盟(PSAC)は、来年、カナダでは合計5400本の井戸が掘削され、前年比で16%増加し、2019年以降で最も活発になると予想している。
またPSACは、下半期の活動の増加を考慮して、2021年の予測を4650本に修正した。2021年の年初には、PSACは年間で3350本の井戸が掘削されると予測していた。
PSACの2022年の予測は、WTI原油価格を1バレルあたり平均70ドル、AECO天然ガス価格を1千立方フィートあたり平均4.10ドルと予測している。
PSACの会長兼最高経営責任者であるグルプリート・ライル氏は、見通しは1年前に比べて明るいものの、業界はまだ2014年後半に原油価格が暴落する前の状態にまで回復していないと述べている。商品価格の上昇により掘削が活発化している一方で、業界は成長を妨げる可能性のある深刻な労働力不足にも直面しているという。
『カナダ放送協会(CBC)』は10月13日付の記事で、世界中でコロナ規制が緩和され、世界的なエネルギー需要の増加に対応するため、長年にわたる価格低迷、解雇、統合を経て、カナダ西部の石油・ガス会社は再び生産を活発化させていると伝えている。
カナダエネルギー請負業者連盟(CAOEC)によると、カナダでは先週175の掘削リグが稼働していたが、昨年の同時期にはわずか75、2019年には155であった。
CAOEC事務局長のマーク・ショルツ氏は、「これは20750件の雇用増加であり、業界は活動に対して非常に強気だ。しかし、課題は、あまりにも急速に生産量を増やそうとしているため、生産能力の制限に対処しなければならないことだ。「会員の中には、顧客である石油・ガス生産者に対して、利用可能なリグがないという声がすでに聞こえ始めている。これは、主に人材不足によるものだ。生産量を増やす能力に影響を与えることになるだろう」と述べている。
今年の石油・ガスの生産量を増やそうとしている企業は、すでに労働市場の問題に直面している。業界の労働市場情報を提供するEnergySafe Canada社の一部門であるPetroLMI社のデータによると、カナダの石油・ガスサービス部門の失業率は、2020年9月の17.7%から2021年9月には3.7%に低下している。サスカチュワン州では、現在、石油・ガスサービス従事者の失業率は基本的にゼロだという。
PetroLMI副社長のキャロル・ホウズ氏は、業界が直面している最大の問題は、雇用が大幅に増加しているにもかかわらず、石油・ガスサービスの労働力の規模が昨年とほとんど変わっていないことだと語っている。そして、歴史的に見て、カナダ西部のリグ労働者の多くは国内の他の地域、特に東海岸から来ており、パンデミックの際には地元に戻ってしまった。そのような労働者の多くは、ウイルスの脅威が続く限り、仕事に戻りたくないと考えている、とホウズ氏は指摘している。
しかし、パンデミックの前から、石油・ガス業界の労働力は減少傾向にあったという。2013年から2019年の間に、原油価格の暴落によって、請負業界の雇用は2万1200人(29%)減少した。2020年にはさらに6300人の雇用が失われた。
ショルツ事務局長は、多くの労働者は、何年にもわたって価格の低迷、解雇、不安定な状況が続いたことで、倦怠感を感じているのではないかと述べている。石油業界の労働者は「他の人たちと同じように仕事をしたいと思っている。他の人々と同じように、仕事に安定性と一貫性を求めている。この業界もいずれは安定した仕事を提供できるようになると思うが、現時点ではまだこのような中間的な段階にある」と説明している。
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