カナダ公共放送局、フリーダムコンボイに関して偽情報を流したことを認め記事を撤回(2022/03/14)
日本のNHKのような存在であるカナダ放送協会(CBC)は、ワクチン義務化の撤回を求めて抗議活動を行っていた「フリーダムコンボイ」に関して誤情報を広めたことを認め、報道内容を訂正した。一方、カナダ政府は、こうした誤情報を根拠に緊急事態法を決断していたことが判明した。
カナダ日刊紙
『トロント・サン』によると、CBCは当初、ワクチン義務化に反対する大規模な抗議活動は、カナダ政府を不安定にするために、ロシア人が裏で関与しているものだと主張した。1月28日のCBCのテレビ番組で、司会者は、「この抗議行動が大きくなるにつれ、ロシアの陰の立役者が事態を悪化させ続け、外から扇動している可能性も懸念される」と主張していた。しかしその後、ロシア人がフリーダムコンボイの背後にいるという主張は根拠のないものであったことが確認され、CBCはテレビでの報道内容を訂正した。...
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『トロント・サン』によると、CBCは当初、ワクチン義務化に反対する大規模な抗議活動は、カナダ政府を不安定にするために、ロシア人が裏で関与しているものだと主張した。1月28日のCBCのテレビ番組で、司会者は、「この抗議行動が大きくなるにつれ、ロシアの陰の立役者が事態を悪化させ続け、外から扇動している可能性も懸念される」と主張していた。しかしその後、ロシア人がフリーダムコンボイの背後にいるという主張は根拠のないものであったことが確認され、CBCはテレビでの報道内容を訂正した。また、トルドー政権とCBCが指摘していた白人至上主義者による陰謀も、特別調査委員によって関与はなかったことが確認された。
そして今回新たにCBCは、抗議活動がクラウドファンディングで1000万ドル(約9億円)近くを短期間で集められたのは、国外からの強力な資金提供者がいるからだという記事の内容も間違っていたことを認めた。
カナダのニュースサイト『ウエスタン・スタンダード・オンライン』によると、CBCニュースは当時、フリーダムコンボイへの寄付を独自に分析し、外国人からの疑わしい寄付を見つけたと主張していた。ニュースはさらに、特定した寄付は、「カナダ国外から寄せられた寄付のほんの一部に過ぎないようだ」と2月10日付のウェブサイトの記事で報じていた。
さらに別の記事では、「CBCニュースによるクラウドファンディングの寄付の分析で、少なくとも3分の1は、匿名を選んだ寄付者、または明らかに架空の名前や政治的なコメントを記載した寄付者によって行われたことが明らかになった。」と報じていた。
しかし、クラウドファンディングの幹部は3月3日、下院の公共安全委員会で証言し、外国からの寄付はごく一部であり、ほとんどの寄付は少額で、クレジットカードの記録を調べたところ、テロリスト集団やネオナチ、その他の既知の犯罪者が関与した形跡はないことを報告した。カナダの対テロ資金規制当局の副局長も2月24日下院の財務委員会で、フリーダムコンボイの募金は無害なものだと証言した。「コロナにうんざりし、困っていた世界中の人たちが、デモを見た。彼らはただ大義を支持したかっただけだと思う。」と証言した。
一方、『トロント・サン』は2月17日付の記事で、トルドー首相が緊急事態法を発動し、抗議活動に参加した人々と活動に寄付をした人々の銀行口座を凍結した決断の根拠となるものは、カナダ警察による正式な調査ではなく、公共放送局の報道内容だったと伝えている。カナダ政府が下院に提出した14ページの報告書は、緊急事態法を発動し、銀行口座の凍結に踏み切った根拠として、「カナダ放送協会が最近報じたクラウドファンディングサイトに関する報道で、抗議活動への寄付の大半がカナダ国外の寄付者によって行われたことが明らかになった。」ためだったと報告している。しかし、この報道内容は誤情報であったとしてその後撤回された。
『トロント・サン』は、ここ数十年のカナダ政治で最も重大な決断を下したトルドー首相の判断材料は、後に誤情報であったことが発覚した自由党寄りのメディアであったと批判している。これらの記事は、抗議するトラック運転手に否定的な発言をしていたCBCの記者たちによるものであった。
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カナダ、フリーダム・コンボイ主催者を保釈(2022/03/08)
カナダ政府のワクチン義務化に抗議していたフリーダム・コンボイの主催者の一人タマラ・リッチさんが、2週間半拘留された後、保釈が認められた。2月17日に逮捕された後、保釈申請をしたものの拒否されたが、再審議後、釈放が認められた。
カナダ紙
『ナショナル・ポスト』によると、上級裁判所のジョンストン判事は、別の判事が2月22日にリヒさんの保釈を拒否する決定を下した際に「法律の誤り」を犯したと述べた。判事は、リッチさんが直面している容疑は、保釈が認められる他の犯罪よりも「軽い」と述べ、釈放を認めた。
「憲法の自由のための司法センター」の代表であるジョン・カーペイ氏は、犯罪歴がなく、暴力犯罪で起訴されてもいないリッチさんの拘留は 「非常に珍しい」と指摘している。...
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カナダ紙
『ナショナル・ポスト』によると、上級裁判所のジョンストン判事は、別の判事が2月22日にリヒさんの保釈を拒否する決定を下した際に「法律の誤り」を犯したと述べた。判事は、リッチさんが直面している容疑は、保釈が認められる他の犯罪よりも「軽い」と述べ、釈放を認めた。
「憲法の自由のための司法センター」の代表であるジョン・カーペイ氏は、犯罪歴がなく、暴力犯罪で起訴されてもいないリッチさんの拘留は 「非常に珍しい」と指摘している。カーペイ氏は、「麻薬取引や銃器の不法所持、暴力犯罪で告発された人々は、裁判の前に自由を与えられるのが普通である」と述べ、リッチさんはむしろ「政治犯」であると指摘している。
リッチさんは、コロナ関連の義務化に抗議しないこと、いかなる形態のソーシャルメディアも使用しないこと、自宅に戻ることを条件に、総額2万5千ドル(約220万円)の保釈金で釈放された。
リッチさんは、トルドー首相が緊急事態法を発動し、警察が3週間にわたって国会議事堂前を占拠していた群衆を分散させるために動き出す前日、2月17日に逮捕され、損害罪で起訴された。
拘留後、与党自由党の候補者として立候補した経歴を持つオンタリオ州裁判所のジュリー・ブルジョワ判事が、リッチさんの保釈を拒否したことで、リッチさんの弁護士が偏見の申し立てをした。
カナダメディア『CBC』によると、この申し立てに対し、ジョンストン判事は、最初の判決に偏見の証拠はなかったと判断して却下した。しかし、判決の中で、リッチさんは仕事を持ち、雇用主からは「優秀な従業員」として認められており、「犯罪とは無縁」の生活を送ってきたことを指摘し、街並みがほぼ元に戻ったオタワでのリスクは今や「最小化」されたとして保釈を認めた。また、リッチさんの裁判は数ヶ月間行われない可能性が高く、有罪になった場合でも、拘留期間は刑期を上回ることになると指摘し、「長期の収監に直面することはないだろう」と述べた。
カナダ紙『カナディアン・プレス』は、リッチさんはワクチン義務化に対する抗議運動の「火をつけた火種」的な存在として注目され、フリーダム・コンボイの「代表的な顔」の一人であったと伝えている。
逮捕以来、支持者たちはリッチさんを政治犯であると主張し、週末には収容先のオタワの刑務所の外で釈放を求めて集会を開いていた。この運動は英国にまで及び、7日にロンドンでジョンソン首相と会談したトルドー首相は、首相官邸前で、リッチさんの解放を要求する支持者たちに出迎えられたという。
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