【Globali】
米国FRB10月利上げせず、12月利上げに含みを持たす(2015/10/30)
米国連邦準備理事会(FRB)は、10月28日に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)において政策金利の利上げを行わず、ゼロ金利に据え置くことを決定した8、9月の雇用環境が弱含んでいるため利上げに踏み切れなかったが、委員会終了後発表された声明文では、次回12月のFOMCでの利上げに含みを持たせた。イエレンFRB議長は、今年前半には今年中の利上げを強く示唆していたが、12月に利上げが出来るかどうか議長の手腕が試されることになる。
10月29日付
『ウォールストリートジャーナル』は、「FRBは語り、市場は聞く」という見出しで、この決定を以下のように報じた。雇用情勢を中心に米国景気はやや弱含んでいるため、市場関係者の間で今年中の利上げがあると見る向きは1ヶ月前で6%、今回のFOMC開催直前で38%であったが、FOMC後この比率は47%に上がった。市場の見方が大きく変わって来た理由は、今回の声明文の中の「次回会合で、景気回復の実現度合と今後の改善見込みが金利引き上げを正当化するかどうかを検討する」とあり、12月のFOMCで引上げを検討することを明示した為である。...
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10月29日付
『ウォールストリートジャーナル』は、「FRBは語り、市場は聞く」という見出しで、この決定を以下のように報じた。雇用情勢を中心に米国景気はやや弱含んでいるため、市場関係者の間で今年中の利上げがあると見る向きは1ヶ月前で6%、今回のFOMC開催直前で38%であったが、FOMC後この比率は47%に上がった。市場の見方が大きく変わって来た理由は、今回の声明文の中の「次回会合で、景気回復の実現度合と今後の改善見込みが金利引き上げを正当化するかどうかを検討する」とあり、12月のFOMCで引上げを検討することを明示した為である。大方の市場関係者はこの文言にFRBの12月利上げに対する意気込みを読み取っていると報じている。
10月28日付
『USNews&World Report』は、「利上げへ向けて時計の針が進むにつれて、FRBの信頼性に危機が」という刺激的な見出しで今回のFOMCの記事を以下の通り掲載している。今回の金利据え置きは、景気の現況から見て当然であるが、イエレン議長を始めとしてFRBのメンバーは、金利正常化のために今年中の金利引き上げが望ましいと繰り返し発言して来たし、今回の声明文で12月の利上げが示唆された。これを受けてある証券会社の首席エコノミストは、「実態経済が良くないにもかかわらず、貴方は利上げを約束したではないかと言って市場関係者がFOMCを利上げに追い込むことはFRBの信頼性を損ねるリスクがある。」と発言している。12月に金利引き上げを行わない場合、FRBは信頼性を保つためには納得できる説明を行う必要があると、記事は述べている。
10月29日付
『BloombergBusiness』は、「FRBの12月委員会前に以下の6項目に注意」と題する見出しで、今回のFOMCで次回12月に利上げが検討されることになったが、利上げの決定は「景気回復の実現度合と今後の改善見込み」に掛かっているので、その判断のもとになる六つの項目を紹介している。①第3四半期GDP②消費者物価指数③イエレンFRB議長④フィッシャーFRB副議長⑤雇用統計⑥ダッドリーニューヨーク連銀総裁⑦おまけとしてFOMC議事録。今後発表されるこれらの主要な経済指標とFRBの中枢メンバーの今後の議会証言、講演等がキーになるという極めてオーソドックスな見方である。
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