サウジのジャーナリストがイスタンブールで失踪し、トルコ側が捜査(2018/10/07)
10月5日、サウジアラビアの体制に批判的なジャーナリストが、イスタンプールで10月2日から行方不明になり、トルコ当局による刑事捜査が始まったとトルコの通信社「Anatolie」が伝えた。
サウジのジャーナリストは、ジャマール・カショギ氏で、サウジ政府に批判的な論評で知られており、10月2日にイスタンブールのサウジ領事館を訪ねた後、消息を絶った。カショギ氏の失踪4日目の10月5日から知人の要請によりトルコ当局の刑事捜査が開始された。
10月5日、サウジのムハンマド・ベン・サルマン王子は、通信社「Bloomberg」との会見に答えて、サウジ領事館での捜査を行ったが、カショギ氏がいないことを確認した。...
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サウジのジャーナリストは、ジャマール・カショギ氏で、サウジ政府に批判的な論評で知られており、10月2日にイスタンブールのサウジ領事館を訪ねた後、消息を絶った。カショギ氏の失踪4日目の10月5日から知人の要請によりトルコ当局の刑事捜査が開始された。
10月5日、サウジのムハンマド・ベン・サルマン王子は、通信社「Bloomberg」との会見に答えて、サウジ領事館での捜査を行ったが、カショギ氏がいないことを確認した。 しかし必要ならトルコ当局による、 サウジ領事館内部をくまなく調べることを許可すると述べた。
その一方で、トルコ政権寄りの新聞、「Sabah」によると、トルコ当局は、サウジ領事館にカショギ氏が現在も監禁されていることを確信と述べており、イスタンブール検察庁も10月5日から本格的な捜査に踏み切ったと発表した。
婚約者で、トルコ人のハーチスAと女性の証言によると、カショギ氏は、結婚に関する手続きのため、サウジ領事館を訪ねた後、領事館から外に2度と出てこなかったとのことである。
人権擁護機関(HRW)とアムネスティ・インターナショナルの2団体は、サウジアラビア政府に対して、このジャーナリストの監禁は、「強制失踪」の罪に相当するとして警告を発している。
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気候変動のハリケーンへの影響(2017/09/11)
9月9日の
『TIME』は気候変動のハリケーへの影響について報じている。気候変動がハリケーンに与える影響について決定的な答えは見つかっていないが、気象学者はハリケーンの発生と強さに地球温暖化が及ぼす影響の証拠があると指摘している。
米海洋大気庁の研究員はデータから、気候変動とハリケーンに与える影響ついて5つ指摘する。第一に暖かい大気の影響が挙げられる。ハリケーンは暖かい大気から発生する。空気が暖かくなると上昇し、下に低い大気圧の領域ができ、暖かい周囲の空気を引き込み成長させる。海上では空気がハリケーンの好む水を運び、空気が熱くなるにつれて湿った空気が得られる。1℃の温度上昇で大気は7%以上水分を増加させる。地球全体の気温は過去数十年に着実に上昇し現在は1951~1980年平均よりも0.99℃高い。...
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米海洋大気庁の研究員はデータから、気候変動とハリケーンに与える影響ついて5つ指摘する。第一に暖かい大気の影響が挙げられる。ハリケーンは暖かい大気から発生する。空気が暖かくなると上昇し、下に低い大気圧の領域ができ、暖かい周囲の空気を引き込み成長させる。海上では空気がハリケーンの好む水を運び、空気が熱くなるにつれて湿った空気が得られる。1℃の温度上昇で大気は7%以上水分を増加させる。地球全体の気温は過去数十年に着実に上昇し現在は1951~1980年平均よりも0.99℃高い。ここ2年間の7月の気温は過去137年間で最も暑かった。暖かい大気はよりハリケーンを発生させる。
第二に暖かい海水がある。ハリケーンのエネルギー補給で暖かい海水は2つ役割を果たす。海水の熱はハリケーンに必要なエネルギーとなり、また海水は雲になりその水分は雨を降らせる。1901年から現在までの海面の気温は10年毎に0.072℃上昇した。より暖かい海水がより暖かい大気を作り、より暖かい大気はより多くの水を保持するので海水が暖かくなるとハリケーンによる降雨量は多くなる。
第三に大西洋数十年規模振動(AMO)の変化がある。気候変動は最も被害を受けやすい場所にハリケーンを発生させる。北大西洋の海水温や気圧はAMOという周期に支配される。研究では気候変動がAMOの周期を混乱させ、高い緯度の国でも台風を発生させ、多くの人命を危険に曝すとしている。
第四に海面の上昇がハリケーンの被害の大きさに重要だ。グリーンランドと南極大陸では、海面は1880年以来20cm上昇し、2230億ドル相当のハーベイ関連の被害を受けたテキサス州ガルベストンでは海面は32cm上昇した。ニューオーリンズでは、今世紀半ばまでに海面の37cm上昇が見込まれる。
第五に澄んだ空が重要だ。45年以上前、米大気汚染防止法で全米の大気中の汚染物質は70%削減された。地球温暖化の時代にも温室効果ガスを排除する法律が必要だ。
また9月9日の『Bloomberg』は気候変動によりハリケーンが1箇所に停滞しやすくなっている原因を報じている。ハリケーン・ハーベイの被害が破壊的だった理由の一つにテキサス州に上陸後、2つの高気圧に巻き込まれたため減速して停滞し、長時間雨を降らせたことが挙げられる。これを米コーネル大学の科学者は北極の温暖化が、ジェット気流の減速をもたらし、ハーヴェイがテキサスにとどまり、大きな被害をもたらしたと主張している。また米国西部の最近の干ばつも同じ理由によって悪化しているとしている。
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