1ヶ月後に迫った4/23フランス大統領選挙の仕組みと現状(2017/03/23)
5年に1度の2017年フランス大統領選挙の1回目の投票の4月23日まであと1ヶ月に迫ったが、その仕組みと現状は下記の通りとなっている。
1. 仕組み
3月13日の
『Bloomberg』、3月9日の
『Business Insider』は仕組みについて紹介している。フランス政治の方向性決定には、国民は投票を大統領選挙2回(4/23、5/7)、下院である国民議会選挙2回(6/11、6/18)の計4回行う必要があるとしている。大統領選挙に立候補するには500名以上の市長、国会議員等の選挙で選ばれた者からの署名が必要。第1回の投票で過半数を確保できればそのまま当選となるが、できなければ上位2名により第2回の投票が行われ、票が多いほうが大統領となる。...
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1. 仕組み
3月13日の
『Bloomberg』、3月9日の
『Business Insider』は仕組みについて紹介している。フランス政治の方向性決定には、国民は投票を大統領選挙2回(4/23、5/7)、下院である国民議会選挙2回(6/11、6/18)の計4回行う必要があるとしている。大統領選挙に立候補するには500名以上の市長、国会議員等の選挙で選ばれた者からの署名が必要。第1回の投票で過半数を確保できればそのまま当選となるが、できなければ上位2名により第2回の投票が行われ、票が多いほうが大統領となる。大統領は行政権を持つが立法権は国会にあるため、大統領が安定した政権運営をするためには、続く2回の国会議員選挙で与党議員を多く確保することが大切であるとしている。
2. 現状
今回の大統領選挙の候補者数は11名。最新の各種世論調査による上位3候補は以下の通り。
(1)マリーヌ・ル・ペン:極右政党の国民戦線党首。反EU、反移民、フランス第一主義を掲げ、右派のみならず左寄りの労働者階級にも訴える。
(2)エマニュエル・マクロン:中道系の政治運動「前進」設立者。前経済・産業・デジタル相。国による保護とイノベーションのための企業寄りの規制緩和策を組み合わせた政策を掲げる。
(3)フランソワ・フィヨン:共和党。元首相。5年ぶりに主流の中道右派の政権復帰を目指す。公共支出・公務員数の削減を提唱。しかし家族を議員秘書として雇用するも勤務実態がほとんど無かったとのスキャンダルが暴露され窮地に陥るも選挙運動を継続中だが、候補辞退を周囲から勧められている。
3月21日の
『REUTERS』によれば、3月20日の候補者によるテレビ討論会が開かれた後に行われた調査会社エラブが21日公表した世論調査では第1回投票での支持率はマクロン候補26%(前回調査より0.5%上昇)、ル・ペン候補24.5%(前回調査より0.5%ダウン)で、第2回投票での支持率はマクロン候補64%、ル・ペン候補36%となっており、現在の状況では。ル・ペン候補が第2回投票で勝利する可能性は低く、マクロン候補が勝利する可能性が高い。
また同じくエラブの3月10日の世論調査によると、フランス人の約72%がEU離脱に反対で、うち44%は強く反対と回答している。一方、EU加盟は、利益よりも不利益の方が多いとの回答が約37%、利益の方が多いが約31%、どちらとも言えないが32%となっている。
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Robo-interviewsロボット面接(アメリカ)(2016/10/17)
能力のある従業員を評価し雇いたいと思っている採用責任者たちはロボ面接(robo-interview)を使い始めている。採用責任者は質問を録音しそれを配信するだけである。コンピューターのスクリーン上に質問が現れ、回答者は制限時間内にそれらに応答する。コンピューターに向かって話し、それを録音し、そして企業に送るだけである。
このようなビデオ面接用ソフトウエアを提供する企業のひとつがHireVueである。...
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能力のある従業員を評価し雇いたいと思っている採用責任者たちはロボ面接(robo-interview)を使い始めている。採用責任者は質問を録音しそれを配信するだけである。コンピューターのスクリーン上に質問が現れ、回答者は制限時間内にそれらに応答する。コンピューターに向かって話し、それを録音し、そして企業に送るだけである。
このようなビデオ面接用ソフトウエアを提供する企業のひとつがHireVueである。HireVueには、デロイト社やJPモルガン・チェース社などを含め、600社にものぼる大企業の顧客がいる。HireVueは、今年だけで2500万件の面接を実施し、そのうちの90%がオン・デマンド面接だった。つまり、面接官が面接中にその場にいる必要がないのである。
多くの企業は、ロボ面接を、第1次段階の審査として使っている。その後、実際に面接官を前にした面接へと進むのである。
“Bloomberg”は、「本当に恐ろしいWebcam採用面接の増加」というタイトルで、少し違った切り口で紹介している。ある大学卒業生はwebcamによる面接だと知らされたとき、スカイプかな、と思ったという。しかし、これはスカイプほど人間的ではない。スカイプならば、ウェッブを通して現にあちら側に存在する人間と話ができるが、ロボ面接はそうではないからである。利点は、自分の答え方が気に入らない場合に何度も録音し直せるところである。恥ずかしがり屋の人間にとっても利点があるだろう。第1次審査の段階で、オフィスに出向き愛想よく握手をする必要がないし、口ごもってしまったときにやり直しができるからである。
しかし、ロボ面接を受ける側にとっては非常にやりにくいようである。存在しない聴衆に向かってしゃべり続けるというパフォーマンスが耐えがたいようだ。
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