フランスに対するエルドアン大統領の攻撃的姿勢は自身のイメージ回復の為、フランスメディアの報道(2020/10/28)
フランスメディアは、イスラム教の預言者ムハンマドの風刺画をめぐるトルコ、エルドアン大統領のフランスに対する強硬な姿勢は、大統領が中東での存在感を高めることを目的としていると報じている。
『フランス24』によると、トルコのエルドアン大統領は、イスラム教の守護者のように振る舞っているが、イスラム教過激派へのフランスの姿勢に対する反発とボイコットの呼びかけは、大統領自身の威信を高め、中東のライバル国に不利益を被らせるための言動であると複数の専門家が述べている。
エジプト、サウジアラビア、アラブ首長国連邦の指導者を含む地域のライバルたちは、今もアラブ・イスラム世界に向けた同大統領の呼びかけに対してコメントを控えている。...
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『フランス24』によると、トルコのエルドアン大統領は、イスラム教の守護者のように振る舞っているが、イスラム教過激派へのフランスの姿勢に対する反発とボイコットの呼びかけは、大統領自身の威信を高め、中東のライバル国に不利益を被らせるための言動であると複数の専門家が述べている。
エジプト、サウジアラビア、アラブ首長国連邦の指導者を含む地域のライバルたちは、今もアラブ・イスラム世界に向けた同大統領の呼びかけに対してコメントを控えている。エジプト、サウジアラビア、アラブ首長国連邦は、エルドアン大統領が進めようとしているイスラム主義に対するフランスの強硬路線に同意しており、イスラム主義は自国の安定への脅威であると考えているためだ。
米国ジャーマン・マーシャル財団のアンカラ事務所ディレクターのOzgur Unluhisarcikli氏は、エルドアン大統領の風刺画に対する強い反発は、敬虔なイスラム教徒として「誠実」な反応だったとする一方で、フランスに対する強硬な姿勢によって、トルコ国内に対しておよび国際的に利益を得ようとしていると指摘している。 「西側の指導者と対立することで、国民の間で、トルコやイスラム教徒に対する西側の傲慢さに挑戦する指導者としてのイメージアップにつなげられる」と説明している。そして、エルドアン大統領が「イスラム教を守る」という点で、大統領ほど強く出ることのできない「サウジアラビアや首長国連邦などの指導者たちに対する、イスラム教市民の不満を高める」ことを目的としているという。
トルコの専門家であり、パリの国際戦略関係研究所(IRIS)の副所長であるディディエ・ビリオン氏は、エルドアン大統領は、サウジアラビアやエジプトなどの伝統的な強豪がいなくなったことで引き起こされた「中東の戦略的空白」を利用して、この地域での役割を高めようとしているとの見方を示している。同氏は「大統領はこの状況を利用して、中東地域で自分の影響力を伸ばそうとしているのではないか」と指摘しており、「欧米人に対して頭を下げない人として見せたい 」と思うと述べている。
モンテーニュ研究所の中東専門家であるモイジ氏は、『20ミニュット』のインタビューで、エルドアン大統領のマクロン大統領に対するあからさまな批判には、大きく分けて2つの理由があると語っている。まず、国内の状況があるという。トルコでは大統領と与党の人気が停滞しており、新型コロナウイルスの収束の見通しがたたない中、経済危機にも面している。こうした国内問題から世論をそらすために、フランスに対する攻撃的な姿勢を取っているという。
さらに国際面では、西側諸国に対するイスラム教の強力で確固たる声として見られることを望んでいる。現在、シーア派のイランとスンニ派のトルコの間で、イスラム世界での指導的立場を取るための対立が起こっているという。アラブ諸国の一部がイスラエルとの国交正常化に舵を切る中、トルコは原理主義者のカードを出していくことでリーダーシップを取ろうとしている。
ではなぜイスラム系少数民族を再教育のために施設に送っている中国の製品はボイコット運動をしないのか?モイジ氏は、エルドアン大統領はもともと攻撃的で直球を投げてくる気質の人であり叩く相手を必要としていたと指摘している。フランスはちょうど弱まっているように見え、攻撃しているという。アメリカ、ロシア、さらには中国などの強国に対しては、反撃が怖くて強く出ることが出来ない。しかし、その中でフランスは最も安全に攻撃を仕掛けることが出来る相手として見ているのではないかという。
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イギリス軍、屋内飛行や発砲が可能な戦闘ドローンをテスト(2020/10/06)
イギリス空軍は現在、閉鎖された空間で飛行可能な、戦闘兵器を搭載したドローンのテストを行っている。人工知能(AI)で敵を認識し、遠隔操作で発砲することができる。
仏
『20ミニュット』によると、6つのプロペラを装備した、全長1メートルのドローン「I9」は、ライフルを装備しており、狩猟用弾丸を発射することができる。
英軍としては初の建物内や地下エリア、洞窟などの閉鎖された場所で飛行できる戦闘用ドローンとなる。
ドローンはプロペラ飛行のため、通常は、閉鎖された空間で飛行する場合、空気が壁に跳ね返り機体を地面に押しつぶしてしまう可能性が高い。...
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仏
『20ミニュット』によると、6つのプロペラを装備した、全長1メートルのドローン「I9」は、ライフルを装備しており、狩猟用弾丸を発射することができる。
英軍としては初の建物内や地下エリア、洞窟などの閉鎖された場所で飛行できる戦闘用ドローンとなる。
ドローンはプロペラ飛行のため、通常は、閉鎖された空間で飛行する場合、空気が壁に跳ね返り機体を地面に押しつぶしてしまう可能性が高い。さらに武器を装備したドローンの場合は、発射した際に、その反動で壁に投げつけられてしまう。
しかし技術者らは、こうした物理的な問題を解決し、屋内で活動できる戦闘用ドローンを開発することに成功した。今後は、拳銃や超小型ロケット発射装置を搭載したドローンのテスト飛行も計画されている。
英『デイリーメール』によると、敵を認識できる顔認証システムとカメラを搭載した「I9」は、今後都市部での活動が期待されているという。
英国防省は、「遠隔操作ができる機械を危険なシーンに送るという選択肢が増えることで、人員や軍用犬の生命への脅威を軽減できる」とコメントしている。
これまで英軍が使用してきたドローンは、「デザートホーク」を含め、基地の周辺警備など屋外での使用に特化したものだったが、アフガニスタンでバリケードされた建物に侵入した際に多くの死傷者を出した経験から、屋内用の戦闘用ドローンが開発された。
今後は、人口密度の高い都市で戦うイギリス軍の人員を、保護するために用いられることになりそうだ。
ベン・ウォレス英国防長官は今月頭に「未来の戦力は、もはや人員や大量動員ではなく、スピード、即応性、耐性を重視し、宇宙、サイバー空間、海底などの最新の領域でより多くの活動を行い、紛争を防ぐと同時に紛争に勝つために活動する」と述べている。
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