今夏、熱波に悩まされているフランスでは、都市でどのような熱波対策が可能なのか、関心が集まっている。世界中の都市で、人口が集中し、アスファルトやコンクリートに覆われた路面やガラス張りの建物が増えていくが、今後より頻繁に起こると予想されている熱波に最も弱い場所なのである。
フリーペーパの20ミニュット(20minutes.fr)では、次のように書いている。
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の科学者たちは、近年、地球温暖化の影響がすぐに感じられるであろうという様々な報告を発表している。 その中でも、熱波はより強く、より頻繁に発生すると警告している。そして、都市人口は現在世界人口の54%を占めているが、2050年には、その割合が66%に上昇すると2014年の国連報告書で予測されている。...
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フリーペーパの20ミニュット(20minutes.fr)では、次のように書いている。
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の科学者たちは、近年、地球温暖化の影響がすぐに感じられるであろうという様々な報告を発表している。 その中でも、熱波はより強く、より頻繁に発生すると警告している。そして、都市人口は現在世界人口の54%を占めているが、2050年には、その割合が66%に上昇すると2014年の国連報告書で予測されている。都市での人の活動だけでなく、地面のアスファルト化によって、都市は猛暑を吸収する力が低下し、自然が残る周辺の郊外部よりも高温を招く都市高温化(ヒートアイランド現象)が深刻化することが懸念されている。
これは、冷房をかければ解決すると言う問題でもない。なぜなら、エネルギーの大量消費量を深刻化させるだけで、根本的な問題解決につながらないためだ。そのため、選択の余地はなく、都市改革が求められる。この問題に対して、建築家や都市設計家たちがすでに取り組み始めている。例えば、都心でより多くの木を植える、屋上や壁面緑化、建物や道路の表面の色を明るくする、風の道の創出など。
ニューヨークでは、2007年に開始された、100万本の木を植えるプロジェクト「ミリオン・ツリーズNYC」が2015年に達成された。ボストン、ロサンゼルス、デンバー、ロンドン、上海でもこのプロジェクトが進められている。また、パリでは、2020年までに100ヘクタール(100万㎡)の屋上や壁面の緑化が進められている。そのうちの3分の1は、野菜や果物の生産に費やされる予定だ。
他にも、ロサンゼルス(米国)では、温度を数度下げるために、黒色のアスファルトが白色でコーティングされた。
風の道の創出については、例えばドイツのシュツットガルトで、建物を建てる前に地方自治体の気象学者に事前に相談することが求められており、その他の都市でも風の道を確保することの重要性に対する意識が生まれ始めている。
現在の無機質な都市の景観は、2050年にはだいぶ変わっている可能性がある。
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