元素の周期表(注後記)は118番まであるが、そのうち原子番号113、115、117、118番の元素については、発見されているものの名前が付けられていなかった。そしてこの程、日本の研究チームが発見した113番元素に初めて命名権が与えられたと各国メディアが伝えた。
1月1日付中国
『サウス・チャイナ・モーニング・ポスト』香港英字紙は、「日本、アジアで初めて113番元素を命名」との見出しで、次のように報じた。
「・日本の理化学研究所は12月31日、森田教授のチームが発見した113番元素が国際機関に新元素として認定され、命名権を与えられたと発表。
・認定したのは、国際純正・応用化学連合(IUPAC)と国際純正・応用物理連合(IUPAP)。
・日本の研究者たちはこれまで、2015年の二人を含めておよそ20人が自然科学系のノーベル賞を受賞。...
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1月1日付中国
『サウス・チャイナ・モーニング・ポスト』香港英字紙は、「日本、アジアで初めて113番元素を命名」との見出しで、次のように報じた。
「・日本の理化学研究所は12月31日、森田教授のチームが発見した113番元素が国際機関に新元素として認定され、命名権を与えられたと発表。
・認定したのは、国際純正・応用化学連合(IUPAC)と国際純正・応用物理連合(IUPAP)。
・日本の研究者たちはこれまで、2015年の二人を含めておよそ20人が自然科学系のノーベル賞を受賞。
・理研は昨年初め、同所所属の若い研究者の発表した新細胞発見の論文に不正があったとして取り消すという不名誉に見舞われていた。
・115、117、118番元素は、米・ロシア共同研究チームに命名権授与。」
同日付中国
『上海日報』(
『AP通信』記事引用)は、次のように伝えた。
「・113番元素の命名権争いは、日本のチームより少々早く2004年に論文を提出した米・ロシア共同チームとの間で繰り広げられていたが、日本のチームによる新元素の合成等について、より確実なデータが提出されたと認められたため、日本チームに軍配。
・森田教授は、具体的な名前はまだ決まっておらず、これから検討とコメント。」
1月2日付米
『マザーボード』科学誌は、以下のように報じた。
「・森田教授のチームは、113番元素の研究に2003年から着手。
・理研の前理事長でノーベル化学賞受賞者の野依良治氏は、研究者にとってオリンピックの金メダルよりも偉大なこととコメント。」
1月4日付米
『ニューヨーク・タイムズ』紙は、以下のように伝えた。
「・19世紀以来、元素の周期表は欧米の研究者のみで発見、命名されていたが、今回初めてアジアから命名権者が現出。
・2004年に森田教授チームが提出した資料では、“ジャポニウム”の名前が記されていたが、森田氏は未定とコメント。」
同日付英
『ザ・テレグラフ』紙は、次のように報じた。
「・名前のない新元素に命名権が与えられるのは2011年以来。
・92番元素のウランまでは自然界から発見されてきたが、それより重い元素は人工的に合成して発見。」
また、同日付ロシア
『ロシア・インサイダー』オンラインニュースは、次のように伝えた。
「・森田教授は、今後は周期表にない119番元素やそれ以降の元素に挑む、とコメント」
(注)周期表:物質を構成する基本単位である元素を、それぞれが持つ物理的または化学的性質が似たもの同士が並ぶように決められた規則(周期律)に従って配列した表。原則的に、左上から原子番号の順に並ぶよう作成されている。周期表上で元素はその原子の電子配置に従って並べられ、似た性質の元素が規則的に出現する。
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