米・英・ロシアメディア;トランプ新政権の重要閣僚が漸く就任?(2017/01/25)
既報どおり、トランプ新大統領が指名した閣僚15名の内、ジェームズ・マティス国防長官、ジョン・ケリー国土安全保障長官しか上院議会で承認(注後記)されておらず、2009年のオバマ大統領就任時には、国務長官、財務長官、国防長官等重要閣僚7名が承認されていたときとは大違いである。しかし、議会多数派の共和党も、新大統領就任後何日間も重要閣僚が決定されないことに危機感を抱いたのか、反トランプを表明する共和党議員はもとより、徹底抗戦する民主党議員にも数による攻勢をかけ、徐々にではあるが閣僚人事承認に動き出している
1月24日付米
『Foxニュース』(
『CNN』配信):「ニッキー・ヘイリー氏、容易に国連大使指名承認獲得」
「●上院本会議は1月24日、ドナルド・トランプ新大統領が指名していた国連大使候補のニッキー・ヘイリー氏(サウスカロライナ州知事)について、96対4の絶対多数で承認。
●これで漸く4人目の閣僚人事承認(編注;省長官は15名だが、国連大使は閣僚級人事)となったが、共和党側は、2009年のバラク・オバマ大統領就任時には7名の閣僚人事を承認して協力していたとして、今回の民主党側抵抗を非難。...
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1月24日付米
『Foxニュース』(
『CNN』配信):「ニッキー・ヘイリー氏、容易に国連大使指名承認獲得」
「●上院本会議は1月24日、ドナルド・トランプ新大統領が指名していた国連大使候補のニッキー・ヘイリー氏(サウスカロライナ州知事)について、96対4の絶対多数で承認。
●これで漸く4人目の閣僚人事承認(編注;省長官は15名だが、国連大使は閣僚級人事)となったが、共和党側は、2009年のバラク・オバマ大統領就任時には7名の閣僚人事を承認して協力していたとして、今回の民主党側抵抗を非難。
●これに対して民主党側は、トランプ大統領が指名した閣僚候補の中には、出身企業や業界との関係から、利益相反がないかどうか確認する必要があるため慎重にならざるを得ないと反論。
●1月24日の上院委員会の指名候補者公聴会では、トム・プライス下院議員(厚生省長官指名)、ミック・マルバニー下院議員(行政管理予算局長指名)の聴聞が大揉め。
●また、上院エネルギー委員会では、テキサス州リック・ペリー知事(エネルギー省長官指名)及びライアン・ジンキ下院議員(内務省長官指名)の承認についての票決を中止。
●一方、上院商務委員会は、投資家のウィルバー・ロス氏(商務省長官指名)及びベン・カーソン神経外科医(住宅都市開発省長官指名)を賛成多数で承認し、上院本会議の承認申請。」
同日付ロシア
『ロシア・インサイダー』オンラインニュース:「ティラーソン氏、新保守主義のルパート・ルビオ議員の翻意で第一関門突破」
「●上院外交委員会は1月23日、11対10票(賛成票は全共和党議員、反対票は全民主党議員)で漸くレックス・ティラーソン氏(エクソンモービル会長)の国務省長官指名を承認。
●上院は共和党が多数派であるので、本会議での承認取得が確実視。
●ルパート・ルビオ上院議員は、ティラーソン氏がロシア寄り過ぎると公聴会で疑問を呈して承認に抵抗していたが、共和党出身大統領の指名に最後まで抵抗するのは得策でないと判断。」
同日付英
『メール・オンライン』(
『ロイター通信』配信):「ティラーソン氏、米国務省で初の概況報告を受ける」
「●レックス・ティラーソン氏は1月24日、国務省を訪れて初めて概況報告を聴取。
●同氏は前日、上院外交委員会においてぎりぎりで承認取得。」
同日付英
『ニューズウィーク欧州』誌:「トランプ氏指名のロス氏とチャオ氏が承認獲得」
「●上院の商務・科学・運輸委員会は1月24日、トランプ新大統領が指名した投資家のウィルバー・ロス氏(商務省長官指名)及びエレーン・チャオ元労働長官(運輸省長官指名)を賛成多数で承認。
●両氏とも、共和党が多数派の上院本会議での承認取得が確実。
●ロス氏は、トランプ新大統領が推す北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉等に力を発揮すると期待され、また、チャオ氏の場合、トランプ政権が重要政策としたインフラ投資促進政策のうちの道路・橋の建設計画などにおいて、共和党のみならず民主党からも支援を獲得できると期待。」
(注)上院議会承認:大統領が指名した各省長官などの官吏を承認。他に条約の批准承認権も有り(3分の2以上の賛成)。なお、下院は予算案など歳入に関する法案を先に審議する権利を有す。
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ロシア・中国・米国メディア;日ロ平和条約と北方領土交渉の行方は?(2016/05/23)
5月2日付
Globali「安倍首相、ロシア訪問」の中で触れたとおり、5月6日に訪ロした安倍首相はプーチン大統領と、長期にわたる懸案事項である平和条約並びに北方領土返還交渉時期、及び延び延びとなっていた同大統領の来日について協議した。そして同大統領はこの程、ロシア・東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議後の記者会見で、日本側との交渉について柔軟な対応をする考えを表明するに至っている。
5月20日付ロシア
『スプートニク』国際オンラインニュースの報道記事「プーチン氏、ロシアは日本側と平和条約締結交渉に前向きと発言」:
「・プーチン大統領は5月20日、ソチで開催されたロシア・ASEANサミット後の記者会見で、日本側と平和条約締結交渉を積極的に進める考えを示し、その中には北方領土問題も含めることを披露。
・ロシアは従来、1951年のサンフランシスコ講和条約に基づき、国後島・択捉島・色丹島・歯舞群島を含めた北方領土が旧ソ連に帰属したとの立場。...
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5月20日付ロシア
『スプートニク』国際オンラインニュースの報道記事「プーチン氏、ロシアは日本側と平和条約締結交渉に前向きと発言」:
「・プーチン大統領は5月20日、ソチで開催されたロシア・ASEANサミット後の記者会見で、日本側と平和条約締結交渉を積極的に進める考えを示し、その中には北方領土問題も含めることを披露。
・ロシアは従来、1951年のサンフランシスコ講和条約に基づき、国後島・択捉島・色丹島・歯舞群島を含めた北方領土が旧ソ連に帰属したとの立場。
・当該4島の返還を求める日本側との間で、北方領土問題が長期にわたり懸案事項となって、第二次大戦後の日ロ平和条約が未締結の状態。」
5月19日付ロシア
『ロシア・インサイダー』オンラインニュースの報道記事「日本側、ソチサミットでロシアに言い寄る」:
「・5月6日の安倍首相・プーチン大統領のソチ会談では、何ら公式な決定はなされなかったものの、経済協力、同大統領の訪日等、前向きな動きの契機。
・具体的には、5月半ばには、ユーリ・トルトネフ大統領補佐官(極東担当)が来日して、日本側の極東への投資誘致交渉。
・また、9月2~3日にウラジオストックで開催予定のロシア東部経済フォーラムに安倍首相を招待。
・景気回復のための経済連携を望むロシア側、及び北方領土を含めた平和条約締結を求める日本側にとって、ソチサミットは意義ある首脳会談。」
5月17日付中国
『チャイナ・デイリィ』(
『ロイター通信』記事引用)の報道記事「プーチン氏、2016年末に訪日予定」:
「・ロシア大統領府のユーリ・ウシャコフ補佐官は5月17日、長い間ペンディングとなっていたプーチン大統領の訪日について、2016年末となる可能性に言及。
・同補佐官はまた、その前に安倍首相が、9月にウラジオストックで開催される経済フォーラムに出席し、同大統領と日ロ間の大規模な経済連携につき協議予定と発表。」
一方、5月19日付米国
『ユーラシア・レビュー』通信の報道記事「日ロ関係は雪解け?」:
「・最近の日ロ関係は、2014年のウクライナ問題に伴う欧米からの経済制裁に日本も賛同したこともあって、停滞傾向が継続。
・両国間は、北方領土帰属問題が障害となり、第二次大戦後の平和条約が未締結となっている状況。
・かかる停滞状況の改善を試みたのが、5月6日にソチでプーチン大統領と首脳会談を持った安倍首相。
・オバマ大統領は、ウクライナ問題を契機に、ロシア孤立化政策を取っており、日本にも同調することを求めていて、今年2月には、安倍首相の訪ロ案に対して、少なくとも5月26~27日の主要7ヵ国首脳会議(G7サミット、2014年よりロシア排除)以降とするよう要請。
・ただ、米国としても、シリア問題でロシアと協議する必要があったことから、安倍氏の訪ロの差止めまでは不可能だったと分析。
・経済制裁等で景気後退に喘ぐロシアにとって、中国との連携は渡りに船であったこともあり、(歩み寄ってくる)日本との関係改善が必要と判断したと予想。
・そして、原油価格低迷とルーブル下落に伴い、エネルギーインフラの開発投資が単独では無理となったロシアとして、日本からの経済支援が必須となり、一方日本側としても、ロシアから天然ガスなどをもっと輸入できれば、総合的にエネルギー戦略上メリットが大きいと判断。」
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