米大統領選挙で、民主党ヒラリー・クリントン候補の側近中の側近フーマ・アベディン氏が、元下院議員で夫のアンソニー・ウィーナー氏がツイッターで女性にわいせつな写真を送信していたこと事が明るみとなり、同氏と別居する事が分かった。今月ニューヨーク・ポスト紙が、トランプ氏の支持者からとされる情報により、中年女性との写真の送信をスクープ。ウィーナー氏は2011年にも複数の女性に自身のわいせつな写真を誤って送った事で議員辞職していた。
共和党候補ドナルド・トランプ氏は、長くクリントン候補の側近を務めているアベディン氏の別居騒動をすぐさま捉え、メール問題においてクリントン氏の国務長官時代に機密情報を知り得る立場にあったため、「クリントン氏は不注意にもウィーナー氏を機密情報に近づけた」と批判し、これをクリントン氏の判断力欠如としてついている。今後もトランプ氏はこの問題を大いに取り上げていくものと予測される。
8月29日付米
『ニューヨークポスト』は「フーマにとっては良い事、ウィーナーは酷いとトランプ」との見出しで次のように報道している。
・ドナルド・トランプ氏は、夫のわいせつな写真スキャンダルの渦中にいるクリントン氏の側近フーマ・アベディンについて、(トランプ氏が)「よく知っている」アンソニー・ウィーナーとの別居は良い決断だとし、クリントン氏がアベディンを側近にし国家の安全を危険にさらしたと批判。「ただただ国を思い、ウィーナーに機密情報に近づけたというクリントンの軽率さを嘆いているだけ」とクリントン氏の判断力の無さを批判した。
同日付米
『CNN』は「再びのわいせつ写真疑惑でアベディンがウィーナーと別居」との見出しで以下のように報道している。
・長年クリントン氏の側近を務めたフーマ・アベディンが元議員のアンソニー・ウィーナーが再びわいせつ写真疑惑が浮上し、同氏と別居。アベディンは文書で、二人で子どもを一番に努めてきたが互いのプライバシーを尊重し、熟慮の末別居を決めたと述べた。友人によると、同氏はクリントン氏に混乱を与えたくないと悩んでいた。
・5年前わいせつ写真疑惑で議員を辞職したウィーナー氏は、今回の疑惑が明るみに出た後ツイッターのアカウントを削除。トランプ氏の支持者がニューヨークポスト紙に、複数の女性との際どい写真交換が約1年続いているとの情報を流していた。ポスト紙によると相手の女性は西部の40代の離婚歴のある女性で、ウィーナーからの12枚のセルフィーを提供。中にはウィーナー氏が子どもと添い寝していると見られる写真もある。
・共和党大統領候補トランプ氏はこの問題をとらえ、アベディンは「賢い決断」をした、だが側近として機密情報漏えいの危機管理を怠ったと批判。クリントン氏の判断力のなさの一例とした。
・アベディンは長くクリントン氏の側近として務め、側近の中では最も有名。イベント時支持者はクリントンとのセルフィー写真をよく同氏に頼んでいるという。
・ウィーナー氏は2011年ツイッターで自身のわいせつ写真を誤って投稿したことで議員辞職、このスキャンダル中、妻が第一子を妊娠中だったことが判明。その2年後ポルノ女優との写真投稿が明るみに出たこともある。
8月30日付
『ヤフーニュース』(AP通信引用)は「クリントン側近アベディンが夫のウィーナーのスキャンダルで別居」との見出しで次の様に報道している。
・アベディンは民主党を勝利に導くために過去にもスキャンダルで辞職や知事選をふいにした夫と平穏を保ってきたがついに別居。
・ポスト紙は写真の入手方法には触れず、相手はトランプの支持者である女性でめいやおいの写真も送っていた。
・トランプ氏はクリントン氏の「悪い判断」を直ぐさま攻撃し、ウィーナーが国家の安全を危険にさらす可能性もあったとしたがその証拠への言及はなかった。
・アベディンはクリントン氏が国務長官時代のメール問題で調査を受け、FBI長官はクリントン氏と側近が機密情報の扱いに「非常に不注意」だったと指摘。
・同氏はホワイトハウスのインターンとして勤務し始め、2000年上院議員となったクリントン氏の側近となり、ウィーナーとの結婚式ではビル・クリントン元大統領が司宰を務めた。アベディンはクリントン氏の2番目の娘のように慕われている。
・今月中旬ニューヨークタイムズ紙のインタビューでウィーナー氏は、今もわいせつ写真を送っているか質問され、そんな質問に答えるわけがないと回答していた。
8月29日付米
『ロサンゼルスタイムズ』は次の様に報道している。
・ドナルド・トランプ氏は2007年と2010年ウィーナーの議員選挙資金として合計4300ドル、1997年の市議会選挙で150ドルを提供しているとNBCニュースが報道。トランプ氏はクリントン氏を含めた両陣営の政治家らに数々の資金提供をしてきている。共和党のライバル候補が民主党候補への資金提供を厳しく非難した際、ビジネスマンとして貢献したのだと反論した。
・先月トランプ氏は、クリントン氏の安全管理に関しての議論で、ウィーナー氏に言及し「ゲスな変質者」と述べていた。
閉じる
9月21日付
『ABCニュース』は、フォルクスワーゲン社(VW)がソフトウエアを使って7年間も排気ガス規制テストを誤魔化していたと報じた。それによると、ある環境保護団体が、独自にVW車のテストを行った結果、通常走行で環境保護庁(EPA)が定める排ガス基準の40倍に達したというものであり、EPAは不正があったとして事実を公表した。
米国のディーゼル排ガス規制は主に窒素酸化物を対象としており、欧州よりも厳しい。窒素酸化物を除去するには別の装置が必要であるが、VWは密かに、ダイナモメーターという装置でテストする時にはそれを感知し、誰にも気づかれずエンジンをクリーンモードにするソフトウエアを取り付けていた。排ガステストはほとんどがダイナモメーターで行われるため、環境保護団体がウエストバージニア大学に委託して車のトランクに取り付ける装置で試験するまで、7年間も発覚しなかった。
VWは2016年モデルのディーゼル車の販売を中止するとともに、2009年以降に製造した約50万台の該当車種をリコールしなければならない。
9月21日付
『ロサンゼルスタイムズ』紙は、あるアナリストの試算によると、排ガス試験を誤魔化したVWのディーゼル車には5千百万ドルのエコカー補助金が支払われていると報じている。EPAは車種毎の金額は把握していないが、VWの排気ガス規制法違反への課徴金を決める際には、支払われた補助金も考慮すべきとの声が上がっている。
VWのマーチン・ウインターコーンCEOは、不正ソフトウエアの搭載を認め、陳謝した。リッチモンド大学法学部のカール・トビアス教授は「本件はトップダウンで有名な経営体質の会社で、誰かがコンピュータプログラムを作り、誰かが承認したものである。司法省は間違いなく会社のみならず個人の刑事事件として立件するだろう」と述べている。VWは該当全車種をリコールする費用が発生する上に、総額180億ドル又は一台につき3万7千5百ドルの罰金が課される可能性がある。何千台もの新車が販売停止となり、VWは排気システムの変更を検討しているが、車の価格は急激に値下がりしている。VWには今後、消費者に対する詐欺行為及び“毀損価値”などについての民事集団訴訟が予想される。
9月21日付
『ワシントンポスト』紙は、“VWディーゼル所有者が知っておくべきこと”と題する記事を掲載した。概要は下記のとおり。
●調査対象車種は?
2009年以降のビートル、ゴルフ、ジェッタ、アウディA3のディーゼル車(パサートについては調査中)合計48万2千台
●何をすべきか?
現時点では何もすることはないが、いずれVWがリコールを実施するので、車を所定の店に持ち込む必要がある。
●問題の深刻さは?
EPAは、地上レベルのオゾン汚染を引き起こす窒素酸化物の排出量が法定の10~40倍多いと報告している。
●車は売却できるか?
EPAは、VWは該当の新車を販売することはできないが、個人が中古車として売却することは適法であると判断している。
●今後の注目点は?
VWがどのような方法で排ガスを減らすのか、それが車の性能を低下させないかという点が大きな問題となってくる。
閉じる