3月13日付米
『ユーラシア・レビュー』オンラインニュース:「ベトナムに寄港したフランス軍艦、南シナ海における域外国の存在をアピール」
フランス海軍のフリゲート艦“プレリアル”(1992年就役)が今週、ベトナム南東部のカムラン港に寄港している。
これは、南シナ海における勢力拡大のため、一方的な活動を展開している中国を、改めて牽制するための行動である。
今年2月、フランス国防省は攻撃型原子力潜水艦及び随行艦に南シナ海における監視航行を実行させたと発表した。...
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3月13日付米
『ユーラシア・レビュー』オンラインニュース:「ベトナムに寄港したフランス軍艦、南シナ海における域外国の存在をアピール」
フランス海軍のフリゲート艦“プレリアル”(1992年就役)が今週、ベトナム南東部のカムラン港に寄港している。
これは、南シナ海における勢力拡大のため、一方的な活動を展開している中国を、改めて牽制するための行動である。
今年2月、フランス国防省は攻撃型原子力潜水艦及び随行艦に南シナ海における監視航行を実行させたと発表した。
また、米海軍も今年1月から、同海域における“航行の自由作戦(FONOP)”を展開してきている。
そして、ベトナムメディア『Vnエクスプレス』紙(2001年創刊)によると、3月11日にフランス海軍のフリゲート艦がカムラン港に寄港したという。
在ベトナム・フランス大使は、“南シナ海において、航空及び航行上の自由を支持するための行動である”と表明している。
昨年来の発表によると、フランスに加えて英国、ドイツも同海域の航行の自由を確保するための作戦を実行するとしており、2021年後半にそれぞれ具体的活動を取るとされている。
米国に加えて欧州諸国は、同海域において外交及び軍事的活動を活発化する中国を牽制するため、これまで以上に積極的に関わってこようとしている。
また、日本政府も中国牽制の動きを活発化していて、外務省によると、菅義偉首相(72歳)が今週、ナレンドラ・モディ首相(70歳)との電話会談で、“東・南シナ海での中国による一方的な現状変更活動に非常に懸念している”と表明したという。
更に、先週実施された日米安全保障関連協議においても、米国務省発表によると、“両国は、中国の一方的な現状変更活動のみならず、海警局法(2021年1月施行)に基づく同局艦船による武力行使の可能性に重大な懸念を抱いているという認識で一致している”とする。
なお、ドイツ政府高官が3月初め、ドイツ海軍フリゲート艦が南シナ海を自由航行したと発表したが、これに対して米国務省報道官は、“インド太平洋地域における国際秩序の確保についての支援活動を歓迎する”とコメントしている。
同日付英国『ジ・エクスプレス』紙:「フランス、領有権問題で中国に対峙するため南シナ海に軍艦派遣」
在ベトナムのフランス大使館高官は、地元メディアがフリゲート艦“プレリアル”のカムラン港寄港は修繕のためと報じているが、南シナ海における“FONOP”を実施するためだと明言した。
ニコラス・ワーナリィ大使は、“今回の本艦のベトナム来訪は、同海域における飛行・航行の自由の原則を支持するとの明確なメッセージを表すもので、フランス・ベトナム両国の同意の下で実施されている”と言及している。
フランスは今年2月、攻撃型原子力潜水艦“エムロード”(1988年就役)を同海域に派遣して監視航行を実施している。
そして、4月初めには、日・米・豪・印四ヵ国による合同海上演習に参加する。
更に、今年後半には、米・英の共同演習にも参加することを明らかにしている。
フローレンス・パーリィ国防相(57歳)は、“フランス海軍が、軍艦を長期に遠方まで派遣する能力を有していることを証明するとともに、日・米・豪の戦略的パートナーとの連携を確固たるものにするものだ”と強調した。
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2月17日付GLOBALi「バイデン新政権;東アジアに対して軍国主義的に対応」で報じたとおり、ジョー・バイデン大統領(78歳)は、アジア政策においてはもっぱら、中国の軍事力及び経済力の台頭を阻止することに注力すると明言した。しかし、したたかな中国は、新政権が対中強硬政策を具体化する前に、広い南シナ海に米軍艦が進出してこようとお構いなく、自身が主張する同海域における海底資源探査等を着々と継続推進している。
2月18日付
『ユーラシア・レビュー』オンラインニュース:「中国探査船、ベトナムが領有権を主張する海域でも構わず探査活動等を継続」
中国国営メディア報道及び船舶追跡データによると、中国政府所有の探査船が、ベトナムが領有権を主張する海域において、探査活動を実施していたことが判明した。
探査船“探策(タンスオ)2号”で、2月4日に海南島南端の三亜港(サンヤー)を出航して後、2月9日までの間に、西沙諸島(パラセル)周辺海域内において、ベトナム・ダナンから140海里(約260キロメートル)沖で生体資料の採取や深海潜水探査艇の試験を行っていたという。...
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2月18日付
『ユーラシア・レビュー』オンラインニュース:「中国探査船、ベトナムが領有権を主張する海域でも構わず探査活動等を継続」
中国国営メディア報道及び船舶追跡データによると、中国政府所有の探査船が、ベトナムが領有権を主張する海域において、探査活動を実施していたことが判明した。
探査船“探策(タンスオ)2号”で、2月4日に海南島南端の三亜港(サンヤー)を出航して後、2月9日までの間に、西沙諸島(パラセル)周辺海域内において、ベトナム・ダナンから140海里(約260キロメートル)沖で生体資料の採取や深海潜水探査艇の試験を行っていたという。
同海域は、ベトナムが領有権を主張している排他的経済水域(EEZ)内に当たるが、中国は南シナ海全体の9割近くを自国の主権だと一方的に主張していて、ベトナム同様、南シナ海の一部の海域で同じく領有権を主張しているブルネイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、台湾と対立してきている。
これに対して、米国は以前から、南シナ海における中国の一方的な領有権主張及び海洋進出は認めないと非難してきている。
この姿勢はバイデン政権になっても変わらず、直近でも、米海軍第7艦隊は、ミサイル駆逐艦“ラッセル”が2月17日、南シナ海南沙諸島(スプラトリー)周辺海域において“航行の自由作戦(FONOP)”を展開したと発表している。
しかし、米国のみならず、周辺国からの反発や抗議行動にお構いなしに、中国はこれまで、南シナ海及び更に拡大した海域において、天然資源探査、海底起伏調査、最新技術試験やその他科学的調査を継続してきている。
例えば、『フィリピン・デイリィ・インクワイアラー』紙(1985年創刊)報道によると、今年1月、福建省の厦門大学(シャーメン、1921年設立の国立大)所有の探査船“嘉庚(チアガァン)号”が、フィリピン政府の事前了解ないままフィリピン領海内で探査活動を実施していたという。
また、昨年12月には、南シナ海ではないが、インドネシア東部スラウェシ島南部のセラヤー島周辺海域で、インドネシア政府が中国所有とみられる無人潜水機を発見している。
同機は、人民解放軍(PLA)海軍の潜水艦のための情報収集活動を行っていたとみられている。
なお、冒頭で報じた“探策2号”は、中国国営メディアによれば、中国科学院(1958年設立)傘下の深海科学技術研究所(2015年発足)所有の探査船で、同船には同科学院の研究員60名が乗船し、また、有人深海探査艇“深海戦士”を艦載していたという。
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