【Globali】
再び原油増産凍結の動き(2016/08/16)
原油価格は今年前半1バレル30ドルを割り込んだため、サウジアラビアなどのOPEC諸国とロシアなど非OPEC諸国が原油の供給量を抑えるため増産凍結へ向けて話し合いを進めたが、最終段階でサウジアラビアのムハンマド副皇太子がイランの同意にこだわり不首尾に終わった。その後原油価格は50ドル近辺を推移して来たが、夏に掛けて供給量が増加するに従い40ドル近辺まで値下がりしている。
このためOPECは9月にアルジェリアで非公式の会合を開くことを決めたが、8月11日サウジアラビアのファリハ・エネルギー相がアルジェリアの会議では、OPECと非OPEC諸国が市場安定に必要とされる対策を協議するとの声明を発表した。再び増産凍結へ向けての動きが始まったようではあるが、いつものことながら最後まで予断は許さない。
8月11日付サウジアラビア系の英文版
『アッシャルクル・アウサト』は、「サウジエネルギー相:アルジェリア会議で原油市場安定化を協議」という見出しで、サウジのファリハ・エネルギー相は声明で「来月アルジェリアの国際エネルギーフォーラムで大臣会合を持ち、その際OPEC及び非OPECの主要石油輸出国が,市場安定化のために必要とされる行動を含め市場の現況につき協議を行う機会を持つ」と発表したと報じた。発表後北海ブレント価格は3%値上がりして45.5ドルとなった。...
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8月11日付サウジアラビア系の英文版
『アッシャルクル・アウサト』は、「サウジエネルギー相:アルジェリア会議で原油市場安定化を協議」という見出しで、サウジのファリハ・エネルギー相は声明で「来月アルジェリアの国際エネルギーフォーラムで大臣会合を持ち、その際OPEC及び非OPECの主要石油輸出国が,市場安定化のために必要とされる行動を含め市場の現況につき協議を行う機会を持つ」と発表したと報じた。発表後北海ブレント価格は3%値上がりして45.5ドルとなった。サウジは6月のOPEC総会で原油供給過剰な状態にはしないと約束したが、声明では7月に日量1,067万バレルの記録的生産量に達した理由は夏季需要と顧客よりの要請のためと弁解していると報じている。
8月11日付
『フォックスビジネス』は、「供給過剰の緩和と増産凍結への希望から、原油高騰」という見出しで、原油価格は木曜日サウジエネルギー相の市場安定化のために出来ることを行う用意があるとの発言を受け値上がりしたと報じた。サウジ、イラク、米国、カナダの増産により原油価格は50ドルを割れて動いていおり、この価格ではOPEC各国の予算の帳尻を合わせることが出来ない。ただ、多くのアナリストはサウジがその言葉通り動くがどうかについて疑念を持っていると報じている。
8月12日付
『CNBC』は、「サウジ、この秋2兆ドルのためにOPECと協力」という見出しで、以下の分析記事を掲載した。今回のサウジの声明は、今後原油価格が弱含んだ場合OPEC及び非OPEC諸国が何らかの手段を取る可能性を強めたが、その背景として、サウジはムハンマド副皇太子が主導する経済改革の目玉であるサウジアラムコの上場で、2兆ドルの資金を得るためには原油価格の安定化が必要であるとアナリストは見ている。あるアナリストは、サウジは表立って株式公開をするので原油価格の動きに懸念を持っているとは言わないが、当然考えている筈であると言う。また、別のアナリストはイランが既にフル稼働に近い水準まで生産を回復させていることも9月に何らかの合意ができる可能性があると見る理由の一つであるという。原油価格が40ドルを割った場合は可能性が高くなるとと見る向きが多いとも伝えている。
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イングランド銀行金融緩和へ(2016/07/01)
イングランド銀行(英国中央銀行)のカーニー総裁は6月30日英国のEU離脱の結果を受けて、経済の減速が予想されるため夏にも金融緩和を行う必要が出てくるであろうと述べた。
6月30日付英国
『メールオンライン』(ロイター通信引用)は、「イングランド銀行のカーニー総裁、英国EU離脱ショックを受け夏にも景気刺激の必要性を認める」という見出しで、イングランド銀行のカーニー総裁が先週の投票結果を受けて、夏にかけて英国景気の刺激策が必要となるだろうと述べたと報じた。市場は既に現在0.5%の政策金利の利下げを織り込んでいたが、総裁の明言を受けて英ポンドは対ドルで1%下落し、英国債の金利も0.882%まで下落した。...
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6月30日付英国
『メールオンライン』(ロイター通信引用)は、「イングランド銀行のカーニー総裁、英国EU離脱ショックを受け夏にも景気刺激の必要性を認める」という見出しで、イングランド銀行のカーニー総裁が先週の投票結果を受けて、夏にかけて英国景気の刺激策が必要となるだろうと述べたと報じた。市場は既に現在0.5%の政策金利の利下げを織り込んでいたが、総裁の明言を受けて英ポンドは対ドルで1%下落し、英国債の金利も0.882%まで下落した。総裁はマイナス金利の適用については、銀行の収益を圧迫し却って融資を難しくし企業の借入れコストを引上げる結果にも繋がるという理由で否定した。
総裁はまた、総裁が投票前EU離脱は英国経済に打撃を与えると警告したことに反感を持つ離脱派が今後政府の要職を占めたとしても辞任はしないと述べ、法律で定められた職を放棄することは無責任であるとの持論を展開した。また中央銀行だけで今回のショックに対応することは不可能であり、英国経済の将来については政治レベルの決定が必要だとも述べた。
6月30日付
『ロイター通信』は、「イングランド銀行カーニー総裁のハト派発言後英ポンド下落」という見出しで、カーニー総裁の景気刺激策が必要との発言でドルが英ポンドに対し買われたと報じた。ある専門家は、8月に政策金利が0.5%引き下げられ、年末には英ポンドは1.20ドルまで切り下がるだろうと予想したと伝えている。
6月30日付
『フォックスビジネス』(ロイター通信引用)は、「イングランド銀行カーニー総裁、夏の利下げを示唆」という見出しで、カーニー総裁は英国が将来EUの外の地位に上手く適合することに自信を示した上で、この数ヶ月は景気が減速するので利下げなどの政策が必要となるだろうと述べたと報じた。英国は世界で最もフレクシブルな経済で、人的資本も厚く、世界的インフラ、法の支配を持つ。問題は英国が変化に適応出来るかではなく、どれだけ早く、どれだけ上手く適応出来るかだと述べたとも報じている。
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