ベルギー:アウディのベルギー工場の将来が危ぶまれている(2024/04/21)
『仏モンド誌』4月19日付けによると、 アウディ社は、大型の電気自動車SUV、Q8の生産を3000人の従業員を抱えるベルギーのフォーレスト工場で行っていたが、この工場に対して閉鎖の危機が迫っているという。ベルギーのアレクサンダー・デ・クロー首相は、個人的にもこの問題解決に強い関心を寄せている。
ベルギーではこれまで、1997年のルノー工場閉鎖、2006年のフォルクスワーゲン工場閉鎖、2010年のオペル工場閉鎖、および2014年のフォード工場閉鎖、など自動車の組み立てラインの閉鎖とそれに伴う数千人規模の従業員の解雇という苦い経験を積んできている。ベルギー政府と労働組合はさらにアウディのフォーレスト工場の閉鎖がこれまでの暗い歴史に名を連ねることになることを警戒している。
3000人の従業員を抱えるフォーレスト工場は、約400人の一時雇用の従業員の解雇を発表後、2週間操業停止していたが、4月8日から操業再開した。...
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ベルギーではこれまで、1997年のルノー工場閉鎖、2006年のフォルクスワーゲン工場閉鎖、2010年のオペル工場閉鎖、および2014年のフォード工場閉鎖、など自動車の組み立てラインの閉鎖とそれに伴う数千人規模の従業員の解雇という苦い経験を積んできている。ベルギー政府と労働組合はさらにアウディのフォーレスト工場の閉鎖がこれまでの暗い歴史に名を連ねることになることを警戒している。
3000人の従業員を抱えるフォーレスト工場は、約400人の一時雇用の従業員の解雇を発表後、2週間操業停止していたが、4月8日から操業再開した。一方、、下請け会社は、70人の従業員の解雇を発表した。
このシナリオは、2006年に起こった出来事を彷彿させるものであった。この時フォルクスワーゲンはフォーレスト工場での’ゴルフ‘の生産を断念して、ドイツの2つの工場へ生産拠点を移している。この時、3200の従業員ポストが犠牲になるところであったが、翌年の2007年にはアウディの旗の下でタイプ’A1‘の生産を開始した。
なお、2018年には人気車種、アウディA1の生産はスペインに移されたが、ベルギー政府からのアウディ社への強い要請で、アウディ社としてはフォーレスト工場でハイクラスの電気自動車SUV、Q8の生産を行っていた。しかし、値段が8.5~12.5万ユーロ(=約1360~2000万円)と高価なため、ヨーロッパでは販売台数が伸び悩んでいる。アウディ社としてはコストダウンのため、近い将来、例えば2026年には生産拠点をメキシコや中国に移したいと考えている。
従って、ベルギーのアウディ社フォーレスト工場は今後、厳しいリストラの影響を受ける可能性があり、最悪の場合は工場閉鎖に追い込まれる危険性があるという。
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ドイツ:ドイツーロシア国籍の2人をババリア地方でスパイ容疑により逮捕(2024/04/19)
『フランス国際ラジオ局(RFI)』4月18日付けで、元ドイツの情報機関職員が17日水曜日にドイツの機密情報をロシアのスパイに伝えたとの疑惑により捜査され、18日木曜日にはババリア地方で2人のドイツーロシア国籍を持つ容疑者たちが逮捕された、と伝えている。2人の容疑者たちは犯行を否定しているという。
容疑者たちは、ウクライナ東部の新ロシア派の分離派軍事組織に属していた、元戦闘員で、ロシアのためにドイツ側の情報を収集した容疑と、テロ攻撃活動をドイツ国内で計画した容疑で逮捕された。
2人の容疑者は、ドイツのインフラとババリア地方の巨大な米軍基地に興味を抱いていたものと推察される。まさにこの基地で、ウクライナ兵たちがアメリカ製のエイブラハム型戦車の操縦法の訓練を受けていたという。
2人の容疑者のうちの主犯格、ディタ―・Sはロシアとドイツの国籍を持っていて、2023年10月から、ロシアの情報局にドイツ軍の情報を送っていた。...
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容疑者たちは、ウクライナ東部の新ロシア派の分離派軍事組織に属していた、元戦闘員で、ロシアのためにドイツ側の情報を収集した容疑と、テロ攻撃活動をドイツ国内で計画した容疑で逮捕された。
2人の容疑者は、ドイツのインフラとババリア地方の巨大な米軍基地に興味を抱いていたものと推察される。まさにこの基地で、ウクライナ兵たちがアメリカ製のエイブラハム型戦車の操縦法の訓練を受けていたという。
2人の容疑者のうちの主犯格、ディタ―・Sはロシアとドイツの国籍を持っていて、2023年10月から、ロシアの情報局にドイツ軍の情報を送っていた。ドイツのテロ対策検察局のコミュニケによると、ディタ―・Sはドイツの軍事施設や軍事産業企業にテロ攻撃を行う準備をしていたという。もう1人の容疑者、アレキサンダー・Jは最近の3月末からディタ―・Sのスパイ活動に加わったと見られる。
ドイツのナンシー・フェーザー内務大臣は、2人のスパイ容疑者の逮捕とセキューリテイ・サービスの成果を称賛し、「セキュリテイ職員の仕事により、ウクライナに送る貴重な弾薬へのテロ破壊工作や、ウクライナへの軍事援助が台無しにされることを未然に防ぐことができた。」と語った。さらに、「ドイツは、いかなる脅しにも屈しない。」と豪語し、さらにSNSのX上で、プーチン大統領の犯罪政権を強く非難した。
さらに2人の容疑者が逮捕されてから、ドイツのアンナレーナ・べアボック外務大臣は、駐独ロシア大使を呼びつけて、ロシア側への強い非難の意を表した。
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