4月8日付英
『Guardian』:「妊娠で生物学的老化が加速するとの仮説」:
ある研究によると、妊娠により、生物学的な加齢が加速している可能性があるという。
米コロンビア大学の公衆衛生大学院の研究者らは、フィリピンの1735人の妊娠歴とDNAサンプルを長期的に観察し、妊娠が老化プロセスに与える影響を調査した。
DNAのメチル化と呼ばれるパターンに基づき、6つの異なる「生物学的年齢」を割り出した。...
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4月8日付英
『Guardian』:「妊娠で生物学的老化が加速するとの仮説」:
ある研究によると、妊娠により、生物学的な加齢が加速している可能性があるという。
米コロンビア大学の公衆衛生大学院の研究者らは、フィリピンの1735人の妊娠歴とDNAサンプルを長期的に観察し、妊娠が老化プロセスに与える影響を調査した。
DNAのメチル化と呼ばれるパターンに基づき、6つの異なる「生物学的年齢」を割り出した。825人を対象とした研究では、1回の妊娠ごとに2~3ヶ月生物学的年齢が加速していた。調査した6年間での妊娠回数が多い人ほど、加速傾向が高くまったという。社会経済的地位、喫煙、遺伝的差異、環境要因等を考慮しても、妊娠と生物学的年齢の関係性については同じだった。
米国立科学アカデミー紀要に掲載された同研究を行ったコロンビア・エイジング・センターのカレン・ライアン所長は、「我々の研究で、妊娠により加齢が進むことが確認された。その影響は若い、妊娠力のある女性でより顕著にみられた」としている。
同日付米『ワシントン・ポスト』:「妊娠により老化が加速する仕組み」:
妊婦の血中細胞内の遺伝子マーカーを調査した2つの最新研究によると、妊娠により、数ヶ月または数年、妊婦の細胞の生物学的年齢が増していたという。
一方で、出産後にそのプロセスがもとに戻り、妊娠期間よりも細胞が生物学的に若くなり、特に母乳を与えている場合に、それが顕著にみられたという。
8日、米国立科学アカデミー紀要に掲載された研究では、人工知能プログラムを使用し開発された「生物学的年齢」の「時計」を使い、血液サンプル中のDNAマーカーを分析。マーカーは、遺伝以外の要素である年齢、健康、生活に反応し変化し、「生物学的年齢」は、実際の年齢とは違う働きをする。
同じ年に生まれたフィリピン人女性のサンプルを調査したところ、この「生物学的年齢」は妊娠により、少なくとも7ヶ月高まる傾向が見られたという。
同様に、3月、国際科学誌.「セル・メタボリズム」に掲載された研究では、米国人女性119人の血液サンプルを使い生物学的年齢に関連した後成的変化を追ったところ、妊娠周期が経過するにつれ、血液細胞のDNAに2年ほどの加齢が確認されたという。
研究を行ったイェール児童研究センターのキーラン・オドネル博士は、「妊娠の自然ストレステストとしての影響が興味深いものだった」としている。
一方で、妊娠が終了してから3ヶ月以内に、殆どの場合で加齢現象が逆転。総じてDNAマーカーはすぐもとの若い状態に戻っており、特に授乳を行った場合に、明らかに生物学的年齢が最大8歳「若く」なったケースもみられたという。
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