英国が減税とR&Dで企業誘致(2016/11/22)
英国のメイ首相は「英産業連盟」の会合における演説で、企業誘致と経済対策として、企業の研究開発に年20億ポンド(約2,768億円)を拠出し「法人税をG20で最低水準にする」方針を述べた。英国の法人税は2020年までに現在の20%から17%に引き下げる目標であるが、トランプ次期米大統領が米国の法人税率を35%から15%に下げる方針を示しているのを意識し、ヨーロッパ連合(EU)離脱後も更に引き下げる可能性を示している。また、EU離脱の具体的道筋もない中、自由貿易を維持する一方で移民を減らす方針を示したことから、短絡的で無謀な対策、法人税は逆に増税する必要がある等と批判もされている。
11月21日付
『AP通信』は「英国首相、R&Dへの出資宣言」との見出しで以下のように報道している。
メイ首相は英産業連盟の会合で、経済対策の必要性を論じ、英国への企業誘致策として、科学・テクノロジー分野への出資を宣言。2008年の金融危機の影響から回復していない英国の産業対策としてまずは科学分野への投資を行う意向を示した。2020年までに英国が科学・テクノロジー分野での世界首位を目指し、年間20億ポンド(24億ドル)のR&Dへ分野への特別予算をつける。...
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11月21日付
『AP通信』は「英国首相、R&Dへの出資宣言」との見出しで以下のように報道している。
メイ首相は英産業連盟の会合で、経済対策の必要性を論じ、英国への企業誘致策として、科学・テクノロジー分野への出資を宣言。2008年の金融危機の影響から回復していない英国の産業対策としてまずは科学分野への投資を行う意向を示した。2020年までに英国が科学・テクノロジー分野での世界首位を目指し、年間20億ポンド(24億ドル)のR&Dへ分野への特別予算をつける。また、EU離脱時の経済対策として、(米トランプ氏が選挙公約としたように)法人税を減税、G20の中で最低レベルの法人税を目指し、現在の20%から2020年までに17%にする目標である。(米トランプ氏は15%の目標を表明)
同日付
『ロイター通信』は「英国メイ氏がブレグジット回避の企業を応援」との見出しで以下のように報道している。
月曜開かれた英産業連盟による集会で、企業へのブレグジット対策として、科学やテクノロジー分野の研究開発企業への投資を確約。その見返りに投資継続と企業ガバナンス改革を義務づけるとした。2.3兆ドル市場の英国経済はEU離脱問題で先行きが不安定となり、メイ首相には現状打開を望む市民から企業の英国離れを食い止める重要なかじ取りが期待されている。フェイスブック社が500人を新規雇用し英国での活動を拡大したり、グーグル社がロンドンに新拠点をつくる動きがあるのはよい兆しではあるが、企業の懸念を払しょくするさらなる対策が必要だとした。
一方、野党労働党のジェレミー・コービン氏は同会議の演説で、メイ首相の法人税減税案を「無謀で短期的パフォーマンス」だと批判し、法人税は公共費用増大でむしろ増税する必要があると述べている。また、フランス経済省副大臣は、移民政策を強化しつつ技術投資を進めるとは驚いたとしている。
同日付米国
『ウォールストリートジャーナル』は「英国のメイ氏が科学分野予算拡大、法人税は減税」との見出しで以下のように報道している
英国のEU離脱での経済懸念への対策の一環で、メイ首相は科学テクノロジー分野への追加投資と法人税減税案を表明した。経営者報酬や株主規定などの企業統治の規制強化も行う。19万の企業が加盟している英産業連盟での演説で、英国の長期に渡る経済での混乱期にたちむかう中、政府が方向転換すれば企業もそれに従う必要があると述べ、グローバル化で苦しむ国内産業救済と外国企業誘致を目的とし、自由貿易を維持する一方で移民を減らす方針を示した。
法人税ではG20での最低レベルを目指すメイ首相は、この日具体的目標値は示さなかったが、首相の側近は2020年までに17%を目標にしているとしている。一方の米国の連邦法人税は35%だが、15%と公約したトランプ政権の共和党で個人と法人税の減税が予測される。
企業担当のラジェッシュアグラワル・ロンドン副市長は、英国の企業は欧州の単一市場と自由移民政策の継続を必要としている。莫大な金額の世紀の政治的決断であり、党の圧力などで早まってはいけないと警鐘を鳴らしている。
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韓国朴大統領の疑惑の親友が逮捕(2016/11/01)
韓国検察は31日、朴槿恵大統領から機密文書を受け取り、国政に介入した疑惑が持たれている朴氏の親友、チェ・スンシル容疑者を証拠隠滅の恐れがあるとし緊急逮捕した。非営利財団の資金横領疑惑や大統領の演説原稿に手を加えた疑いも持たれている。韓国メディアによると、チェ容疑者は海外に住居を持ち(ドイツの住居も資金疑惑がある)で精神的に不安定で病気がちだと報道されている。ソウルでは週末は大規模なデモがあり、責任追及の声の高まりから支持率も底をつき任期1年を残した朴政権の危機は必至となる。
10月31日付
『ロイター通信』は「韓国検察は政治危機で渦中の女を逮捕」との出しで以下のように報道している。
韓国の大統領制度を危機に陥らせるほどの問題の中、朴氏との友情を利用し政治に介入した疑惑がもたれている。チェ・スンシル氏が検察で尋問の後逮捕された。極秘文書を受けとり、非営利財団から資金を受けていたともみられている。
「ヨンハップ」紙によると、チェ氏が証拠隠滅を図る恐れがあるとされ、検察は逮捕状なしに緊急逮捕した。...
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10月31日付
『ロイター通信』は「韓国検察は政治危機で渦中の女を逮捕」との出しで以下のように報道している。
韓国の大統領制度を危機に陥らせるほどの問題の中、朴氏との友情を利用し政治に介入した疑惑がもたれている。チェ・スンシル氏が検察で尋問の後逮捕された。極秘文書を受けとり、非営利財団から資金を受けていたともみられている。
「ヨンハップ」紙によると、チェ氏が証拠隠滅を図る恐れがあるとされ、検察は逮捕状なしに緊急逮捕した。
チェ氏の身柄は火曜朝拘置所のバスでソウル拘置所に送られたが、詳細は明かされていない。同氏の弁護士のコメントは得られなかった。韓国の法律では、逮捕状なしの拘束は48時間が上限でそれ以降は正式な逮捕状が必要となる。
「朝鮮日報」紙によれば、チェ氏は朴大統領就任後、演説原稿を受け取ったと認めてたが、公式文書へのアクセスは否定したという。
先週、朴大統領はチェ氏に演説原稿を渡した事を認め、国民の混乱を招いた事を謝罪した。5年任期の4年目で、レームダック政権の最後のかじ取りに苦戦することとなる。土曜夜、朴大統領の辞任を求め、数千人がソウルでデモを行った。
10月31日付米
『ウォールストリートジャーナル』は「韓国のクリントン風スキャンダル」との出しで以下のように報道している。
大統領の相談役が非営利財団への資金協力の見返りに機密文書へのアクセス権を得て政治に影響力をもっていた証拠が浮上し、検察は政府と財団で汚職捜査に乗り出した。
これはヒラリークリントン政権発足後100日間 の予測ではない。支持率14%に落ちた韓国の朴槿恵大統領についてである。利権政治改革者として2012年就任、1970年代父朴正熙政権時代の再来と期待された。その槿恵氏と40年以上親友で「永遠の命の教会」会長のチェ・スンシル氏は、昨年、韓国文化を海外に広める目的で「ミール・Kスポーツ財団」を設立、数か月で7200万ドルの資金を集めたが、文化省や韓国産業連盟の援助があったと見られている。朴大統領の引退後の活動が目的ともみられており、チェ氏が資金をドイツの自宅購入に充てたかが捜査対象となっている。両氏は容疑を否定。また、チェ氏が朴大統領の演説原稿に注釈をつけ側近に渡したと報道され、その政治関与が疑われている。
韓国は北朝鮮の核やミサイルの脅威で緊張が高まる中、経済改革と競争力維持のため強いリーダーが求められているが、朴大統領の父の時代からの負の遺産への対処が課題となる。
同日付韓国
『コリアタイムズ』は「我々はチェ共和国で暮らしているのか?」との見出しで次のように報道している。
朴大統領の高校の同期だというチェ・スンシル氏は本当に黒幕なのか?「朝鮮日報」紙は違うと報道。陰で糸を引くのはチェ氏の姉、チェ・スンドゥクだという。姉が指示し、スンシルが実行していたと知人は語っているという。
姉は、2006年当時ハンナラ党(サヌリ党の前身)党首だった朴槿恵氏が街頭選挙活動中ナイフで刺された際、朴氏が家に滞在したと自慢していたという。この姉の娘には「ウィンタースポーツエリートセンター」の幹事を務めた際政府から58,4万ドルの賄賂を受け取ったという疑惑があるとされる。姉は先月利益誘導が明るみになって以来、ソウル南部の高級マンションの籠っており、また数年前から病気で外出も稀だったと報道されている。
同日付韓国
『ヨンハップ』は以下のように報道している。
政治介入疑惑で朴氏の親友が尋問の後逮捕された。刑法上、捜査機関は容疑者を死刑や終身刑に匹敵する容疑の証拠がある場合や証拠隠滅の恐れがある場合などに緊急拘束できる。当局者によるとチェ氏は容疑を全面的に否定しており、証拠隠滅の懸念があるとされる。
過去に海外移住しており、韓国国内に住所がない。精神的にも非常に不安定で、釈放されると何をするか分からないという。同氏は検察に到着し、「本当に申し訳ない、大きな罪を犯してしまった。許してください。」とリポーターらに述べた。朴大統領は、チェ氏の家族とは1974年の父と母の暗殺後に親しくなった。
「ギャロップ」の調査によると、スキャンダルで朴政権の支持率は2013年の発足以来最低の10%台まで落ち込み、土曜にはソウルで多くの市民が辞任を求めてデモ行進した。
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