米タイム誌は1927年以来、「良くも悪くも、最もニュースに影響を与えた人」を「今年の人」に選んできている。そして2015年の時の人は、ドイツのアンゲル・メルケル首相(61歳)が選ばれたと各国メディアが伝えた。
12月9日付米
『タイム』誌は、「本誌は12月9日、2015年の時の人に、ドイツのアンゲル・メルケル首相を選出した。今回、本誌の表紙は、著名なアイルランド人人物画家のコリン・デビッドソン氏が描いたメルケル像を掲載したが、実は、ジョージ・ブッシュ前大統領も、影響を受けた政治家として、メルケル首相の人物画を描き、ダラス(テキサス州)に所有するジョージ・ブッシュ図書館に掲げている。なお、ブッシュ氏は、プーチン大統領、ブレア前首相など20人以上の各国首脳を描いている。」と報じた。
同日付米
『Foxニュース』は、「メルケル首相を時の人に選ぶに当り、タイム誌は“自由主義世界を牽引する首相”とのサブタイトルを付けている。なお、個人の女性が時の人に選出されたのは直近20年で初めてのことである(編注;1952年に英国エリザベス女王が、1986年にフィリピンのコラソン・アキノ大統領が選ばれている)。」とし、「最終選考には、ドナルド・トランプ氏(米不動産王で大統領選共和党候補のひとり)、アブ・バクル・バグダディ容疑者(過激派組織イスラミックステート最高指導者)、プーチン大統領、ロハニ大統領(イラン)など7人が候補者となっていた。」と伝えた。
同日付米
『USAトゥデイ』紙は、「最近5年間の時の人に選出されたのは以下どおり:
・2014年エボラ出血熱医療従事者(命を懸けて、西アフリカ他で伝染病根絶に努力)
・2013年フランシスコ教皇(ローマ・カトリック教会1,200年の歴史上、初の非欧州人)
・2012年オバマ大統領(米国を変える、と叫んで2期目も当選)
・2011年アラブの春を達成した反政府抗議グループ(チュニジアのジャスミン革命を発端として、エジプトやリビアの長期独裁政権を転覆)
・2010年マーク・ザッカーバーグ(フェイスブック創業者で、世界5億人以上が参加のソーシャル・ネットワークを展開)」と報じた。
12月10日付英
『UKニュース』は、タイム誌のナンシー・ギブス編集長のコメントを引用して、「メルケル首相は、多くの政治家が尻込みするような政策を自国(ドイツ)に求め、悪政やご都合主義に立ち向かい、そして確固たる倫理的指導力を発揮した政治家であることから、2015年時の人に選出された。」と伝えた。
また、12月9日付ロシア
『イタルタス』国営通信社は、「メルケル首相が時の人に選出されたのは、彼女が欧州における難民受け入れやギリシャ危機の対応に当り、リーダーシップを発揮したからだと報じられている。」と報じた。
更に、同日付中国
『グローバル・タイムズ(環球時報、人民日報英語版)』は、「メルケル首相は、難民受け入れとギリシャ危機問題から、欧州が分裂する事態に遭遇しても、その危機からの脱却のためリーダーシップをいかんなく発揮したことから、2015年時の人に選出された。」と伝えた。
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