今年のGDP成長目標は6-6.5%(3月5日)
中国で全国人民代表大会(日本の国会に相当)が5日に開幕し、李克強総理が政府活動報告を行った。注目された今年のGDPの成長率は6-6.5%と幅を持たせた目標値となった。
今年の成長率については、中国社会科学院は6.3%を、世界銀行は6.2%と予測しているが、いずれにしても6%台の前半の数字である。幅を持たせる数字にすることによって、大きな落ち込みになるという印象を避けたということと、米国との貿易戦争などの不確定要因が大きいからということなのだろう。...
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中国で全国人民代表大会(日本の国会に相当)が5日に開幕し、李克強総理が政府活動報告を行った。注目された今年のGDPの成長率は6-6.5%と幅を持たせた目標値となった。
今年の成長率については、中国社会科学院は6.3%を、世界銀行は6.2%と予測しているが、いずれにしても6%台の前半の数字である。幅を持たせる数字にすることによって、大きな落ち込みになるという印象を避けたということと、米国との貿易戦争などの不確定要因が大きいからということなのだろう。
GDP以外の目標数字としては、都市の新たな就業者を1100万人とし、登録失業率を4.5%以内とし、消費者物価の上昇率を3%前後とし、農村の貧困人口を1000万人減少させ、GDP単位当たりのエネルギーの消費量を3%前後減少させるとしている。
成長率の鈍化を受けて、企業の負担を少なくするために、今年の重点目標として、企業の税と社会保険料の負担を2兆元減らすとしている。増値税(付加価値税)の税率を製造業ではこれまでの16%から13%に、輸送業などでは10%から9%に引き下げる。
また環境や中国の自動車政策からも注目されている新エネルギー車の購入に優遇政策をとり、購入を促そうとしている。また投資については鉄道への投資に8000億元、道路や水運に1兆8000億元をあてるとしている。
外資が参入しやすくなるように、100%外資の企業が参入できる業種を増やすと同時に上海自貿区を拡張する。さらに引き続き米国との交渉を行うとしている。なお米国との間で問題になっていた「中国創造2025」には言及していない。
また国有企業等への補助金などが問題になっているからか民営経済を発展させ、民営銀行を発展させるという目標も示された。環境面では二酸化硫黄や窒素酸化物の排出を3%減少させるとの目標をたてている。
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中国本日から全人代開催(3月5日)
中国では5日から11日間にわたって、日本の国会にあたる全国人民代表大会(全人代)が開催される。
本日は李克強総理によって政府活動報告が発表される。そのなかではとくに注目されるのは、じわじわと景気が減速していくなかで、本年の経済成長率が6%台の前半のどこに設定されるかである。また景気を下支えするために国内への投資をどのくらい増やすかも注目される。債務が膨らむなかで、リーマン・ショックのときのような投資の大盤振る舞いをすることはできないはずであるが、景気を一時的に回復させる特効薬への誘惑は大きいかもしれない。...
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中国では5日から11日間にわたって、日本の国会にあたる全国人民代表大会(全人代)が開催される。
本日は李克強総理によって政府活動報告が発表される。そのなかではとくに注目されるのは、じわじわと景気が減速していくなかで、本年の経済成長率が6%台の前半のどこに設定されるかである。また景気を下支えするために国内への投資をどのくらい増やすかも注目される。債務が膨らむなかで、リーマン・ショックのときのような投資の大盤振る舞いをすることはできないはずであるが、景気を一時的に回復させる特効薬への誘惑は大きいかもしれない。
一方米国からの非難の対処はどうなるのか。外国企業に技術移転を強要することを禁じる「外商投資法」が全人代で採択される予定である。3月2日からとされていた米国のさらなる対中関税引き上げはひとまず回避され、さらに中国は米国製品の輸入拡大や報復関税の撤廃を、米国は対中報復関税の撤廃ないし一部の取り下げをお互いに検討しているというが、知的財産権などをめぐる問題では妥協点を見つけることは難しい。また国有企業や一部の企業に対する巨額の補助金の問題も残っている。
昨年の全人代で国家主席の任期の撤廃に成功した習近平主席であるが、今年の全人代では経済問題に足を掬われないように、細心の注意が必要となる。
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米朝関係に中国は積極的な役割を果たす(3月5日)
3月4日全国人民代表大会の張業遂報道官が全人代について日程や議題について説明を行い、関連する質問を受け付けた。そのなかで韓国人記者が物別れに終わった米朝首脳会談についてどのように思うか、中国の役割は何かとの質問を行った。
これに対し、張報道官は、確かに合意文書の署名には至らなかったが、双方ともに対話を継続する意思を持っているので、次回の会談は建設的なものになるのではないかと考えている、と答えた。...
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3月4日全国人民代表大会の張業遂報道官が全人代について日程や議題について説明を行い、関連する質問を受け付けた。そのなかで韓国人記者が物別れに終わった米朝首脳会談についてどのように思うか、中国の役割は何かとの質問を行った。
これに対し、張報道官は、確かに合意文書の署名には至らなかったが、双方ともに対話を継続する意思を持っているので、次回の会談は建設的なものになるのではないかと考えている、と答えた。さらに米朝関係は複雑であり、1度や2度の会談では解決できないものであるが、朝鮮半島の非核化や平和体制の構築のためのためには、政治的な解決が正しい道である。朝鮮半島の問題は米朝が当事者であるが、中国も朝鮮半島の非核化や平和体制の構築のために、積極的な役割を果たしていくし、中国のやり方で努力を続けていく、と述べている。
4日付「環球時報」では中国国際問題研究院の楊希雨研究員の「朝米首脳はハノイで相互理解に至った」との記事を掲載している。そのなかでもこれからも両者の間で対話が続き、政治的解決に至ることの期待が寄せられている。そのなかで朝米が核やミサイルを巡って朝鮮半島の危機が高まっていたときに、「双暫停(北朝鮮は核実験やミサイル試射を暫く停止し、米国は米韓合同軍事演習を暫く停止する)」を提案したのは中国であること、また中国が議長国となって六者会合を主催し、2005年には9.19共同声明を出し、朝鮮半島の平和メカニズムを構築したと述べている。
中国にとって、米国が北朝鮮に最大限の譲歩をすることによって、北朝鮮も米国との関係を大幅に好転させるようなことは由々しき事態である。もっとも北朝鮮は中ソ対立の時代に、中ソと等距離外交を行い、中ソのバランスをとるのに腐心していたように、大国に囲まれた国として外交には最大の注意を払っていたことからすれば、米国一辺倒になることはないであろうが、多少であっても米国に重心が偏ることは中国は警戒したであろう。その点からすれば、中国が新たな仲介者ともなれるし、米国との貿易戦争を回避するためのカードのひとつに北朝鮮を利用することもあり得る。また六者会合のような多国間会議を主催することによって、自らの立場をあげるという選択肢もある。
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今日から全人代開幕・景気減速の中・焦点は経済(3月5日)
全人代は中国共産党の指導部のメンバーらおよそ3000人が参加してきょうから今月15日まで北京の人民大会堂で開かれる。
初日のきょうは李克強首相が政府活動報告を行い、今年の経済成長率の目標などを示す見通しである。
中国では米国との貿易摩擦を背景に景気の減速が鮮明となっている。経済成長率の実績の推移を紹介。去年は6.6%。28年ぶりの低水準にとどまっている。これまで2年間、6.5%前後としてきた目標を引き下げるかどうかが焦点となる。...
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全人代は中国共産党の指導部のメンバーらおよそ3000人が参加してきょうから今月15日まで北京の人民大会堂で開かれる。
初日のきょうは李克強首相が政府活動報告を行い、今年の経済成長率の目標などを示す見通しである。
中国では米国との貿易摩擦を背景に景気の減速が鮮明となっている。経済成長率の実績の推移を紹介。去年は6.6%。28年ぶりの低水準にとどまっている。これまで2年間、6.5%前後としてきた目標を引き下げるかどうかが焦点となる。
今後、経済の落ち込みが深刻になれば圧倒的な権力を持つ習近平国家主席の責任を問う声が高まる恐れもあり、雇用対策や大規模な減税といった下支え策が打ち出されると見られる。
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北京の新国際空港・公開(3月2日)
中国の首都北京で世界有数の規模となる新たな国際空港がきのう報道陣に公開された。
北京大興国際空港と名付けられた新空港はことし9月末の開業を目指して建設が進められている。
新空港には4本の滑走路が建設され、2025年には年間7200万人の利用者を見込んでいるほか、将来的には滑走路を6本に増やし年間1億人を超える利用者に対応する計画だ。
北京にはすでに北京首都国際空港があるが、去年1年間の利用者が初めて1億人を超え、中国政府には新空港の建設で利用者の増加に対応する狙いがある。...
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中国の首都北京で世界有数の規模となる新たな国際空港がきのう報道陣に公開された。
北京大興国際空港と名付けられた新空港はことし9月末の開業を目指して建設が進められている。
新空港には4本の滑走路が建設され、2025年には年間7200万人の利用者を見込んでいるほか、将来的には滑走路を6本に増やし年間1億人を超える利用者に対応する計画だ。
北京にはすでに北京首都国際空港があるが、去年1年間の利用者が初めて1億人を超え、中国政府には新空港の建設で利用者の増加に対応する狙いがある。
また新空港は北京と隣接する河北省にまたがって建設され、天津にもおよそ80キロの距離で、中国政府は北京とこれらの地域を首都圏として一体的に開発する国家戦略を進める中、新空港を交通の要と位置づけている。
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