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米朝首脳会談:中国の評価(7月2日)
7月1日の外交部の定例記者会見で、6月30日に板門店で米朝首脳が会談したことをどのように評価しているか、との質問に対し、耿爽報道官は以下のように回答した。
板門店で朝米韓のトップが友好を温めたことを歓迎する。建設的な会談で成果があったと思うが、とくに朝米が近く会談を行うための実務者協議を行うことを決めたのは重要な意義があり、中国はこれを支持する。中国は一貫して朝鮮半島の非核化を支持しており、朝鮮半島の平和を擁護し、対話こそが問題を解決するという姿勢を堅持している。...
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7月1日の外交部の定例記者会見で、6月30日に板門店で米朝首脳が会談したことをどのように評価しているか、との質問に対し、耿爽報道官は以下のように回答した。
板門店で朝米韓のトップが友好を温めたことを歓迎する。建設的な会談で成果があったと思うが、とくに朝米が近く会談を行うための実務者協議を行うことを決めたのは重要な意義があり、中国はこれを支持する。中国は一貫して朝鮮半島の非核化を支持しており、朝鮮半島の平和を擁護し、対話こそが問題を解決するという姿勢を堅持している。先日習近平主席が訪朝し、朝鮮半島の問題の政治的解決のための力を注いできたところである。
一方7月1日の「環球時報」は「38度線の朝米首脳会談は型にとらわれない良いこと」と題する社説を掲載した。
そこではまず今回の会談が短い時間で成し遂げられたのか、精工に練られた計画だったのか、と疑義を呈しながらも、米朝間の膠着状態を打破し、両国の雰囲気を改善する積極的な役割を果たしたと評価している。
今年の2月のハノイ会談の失敗以後、米朝関係は膠着状態に陥り、第三次の米朝首脳会談をしなければとトランプ大統領は巨大な圧力にさらされていた。今回の突然の呼びかけは準備をする時間を与えずに行われたことによって、双方の関係に微調整が加えられた。トランプ大統領はデールの名手であり、危機を転じて特殊な梃の役割をさせることになった。
しかし指導者の個人的な友情が国家の利益にとってかわることはなく、その役割は有限である。現在北朝鮮は新戦略をとっており、経済発展に積極的に取り組んでいて、国際的な制裁の緩和を強く望んでいる。トランプ大統領が制裁を少し緩和しようとすれば、38度線へのよいお土産になっただろうが、そのようなことはなかった。ワシントンはまず北朝鮮に核の放棄を承諾させようとしており、両者の主張の違いは歴然としている。
客観的にいって、2018年になってから、朝鮮半島情勢はゆっくりではあるが、前進している。東北アジア各国は朝鮮半島情勢が前進してくれることを望み、米国社会も半島が米国の火薬庫にならないことを願っている。
3度目の米朝首脳会談は新しい解決の道を示した。トランプ大統領と彼のチームが対話を続けていき、役割を果たしていけば、歴史はトランプ大統領が、朝鮮半島問題にいかなる貢献をしたかを評価するだろう。
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米中首脳会談:曖昧さを残す妥協(6月30日)
29日行われた米中首脳会談によって、5月以来中断していた米中間の貿易交渉は再開されることになった。首脳会談が不調に終わった場合、米国は対中輸入3000億㌦分について25%の追加関税をかけるとされていた件はひとまず回避されることになった。
またトランプ大統領は会見で、華為技術に対する米国からの輸出に関して、安全保障上問題なければ輸出は可能とした。「人民日報」の記事を見る限り、首脳会談で華為を特定する話し合いは行われなかった模様。...
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29日行われた米中首脳会談によって、5月以来中断していた米中間の貿易交渉は再開されることになった。首脳会談が不調に終わった場合、米国は対中輸入3000億㌦分について25%の追加関税をかけるとされていた件はひとまず回避されることになった。
またトランプ大統領は会見で、華為技術に対する米国からの輸出に関して、安全保障上問題なければ輸出は可能とした。「人民日報」の記事を見る限り、首脳会談で華為を特定する話し合いは行われなかった模様。
追加関税が検討されていた3000億㌦分については消費財も多く含まれていたことから、国内販売する際の値上げをせざるを得ないなど、米国への消費者への影響が大きく、来年の大統領選挙に向けて、トランプ大統領は課税を避けたいとの意向があったものと思われる。2018年7月以来3回にわけて課されている2500億㌦分の追加関税についてはそのままである。
今後米中間の実務者会議は続行されることになったが、米中間で問題となっていた中国の国有企業に対する産業補助金や技術開発の問題は、中国側も容易には取り消すことができないことから、交渉は難航しそうである。交渉が長引いた場合、また3000億㌦分の追加関税が俎上に上る可能性もある。
会談ではこのほか、中国人留学生のビザがおりにくくなっていることもあり、「中国人留学生を公平に扱い、人的交流に支障をきたさないように」という中国側からの要望もあり、また台湾問題も話題にのぼった。
さらに朝鮮半島情勢についても話題はおよび、中国は米朝が接触を続けていることを支持し、朝鮮半島問題に中国が建設的な役割を果たすと述べている。
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米中は交渉継続で合意(6月29日)
G20に出席していた米国のトランプ大統領と中国の習近平主席は6月29日二者会談を行い、平等互恵の原則に基づいて、貿易交渉を再開することで合意した。米側は中国の輸出産品に新たに追加関税をかけないことになった。両国の経済貿易代表団が今後事務折衝を行うことになる。「人民日報」電子版が29日12時34分に伝えたもの。
日本はまた、中国の福地となるのか?(6月29日)
世界が注目する中、米中首脳会談が11時50分、大阪で始まった。12時11分、このニュースを新華通信社がいち早く各メディアに発信し、大きな見出しを付けてトップで伝えた。会談冒頭の習近平主席の発言が掲載されている。
「この度は大統領先生と大阪でお会いすることを大変嬉しく思います。48年前、つまり1971年に、ここから100キロ余り離れた名古屋で第三十一回世界卓球選手権に参加した中米卓球選手が友好交流をしました。...
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世界が注目する中、米中首脳会談が11時50分、大阪で始まった。12時11分、このニュースを新華通信社がいち早く各メディアに発信し、大きな見出しを付けてトップで伝えた。会談冒頭の習近平主席の発言が掲載されている。
「この度は大統領先生と大阪でお会いすることを大変嬉しく思います。48年前、つまり1971年に、ここから100キロ余り離れた名古屋で第三十一回世界卓球選手権に参加した中米卓球選手が友好交流をしました。これは後に人々が言う「ピンポン外交」が始まり、「小さい球が大きい球を回転させた」という美談とって歴史に残りました。8年後の1979年に、中国とアメリカは外交関係を樹立しましたた。国交樹立以来の40年間を振り返ってみると、国際情勢と中米両国関係が大きな変化を遂げましたが、ただ、一つの基本的な事実はずっと変わらないのです。それが、つまり、連衡すれば双方を利し、衝突すれば共に傷を負うというものです。協力は摩擦に勝り、対話は対抗に勝ることです。最近、私は、大統領先生との間、電話や手紙のやり取りで密接な関係を保っています。今日は大統領先生と両国関係の発展の根本性の問題について意見を交換し、次の段階の両国関係の発展への方向性を取り決め、協調、協力、安定を基調とする中米関係を推進したいと思います」と、習近平主席の冒頭発言の部分のみを速報した形で伝えたのだ。
中国にとって、名古屋は、かつて米中国交樹立のきっかけを創って両国の関係改善に貢献した栄光な都市だとすれば、大阪は、今度の米中貿易戦の休止を宣言する場として再び米中関係の歴史に残る偉大な都市となるか、世界は固唾を飲んで見守っている。
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6月初めに大陸間弾道ミサイルの実験(6月29日)
『環球時報』の報道によると、中国国防省の報道官の任国強大佐が27日、定例記者会見で「計画通りの正常な研究実験だ」として、6月初めに海上で大陸間弾道ミサイルの実験が行われ、それが「巨浪3型」の試験発射であることを事実上、認めたこととなった。
6月2日未明、山東省、山西省、河南省、河北省などの多くの地域で空に「発光する不明飛行体」が出現し、「彗星のような明るい物体が長い尾を引いて空の中を走り抜けていく」といった神秘的な事象にいろんな憶測が飛び交う中、中国のロケット軍と海軍の公式ホームページに3日夜、「UFOを見た」とか、「やはりそうか」、「やあ、ピント来たぞ」と叫ぶ声が一斉登場したこともあり、確かに、注目され続けている一件だった。...
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『環球時報』の報道によると、中国国防省の報道官の任国強大佐が27日、定例記者会見で「計画通りの正常な研究実験だ」として、6月初めに海上で大陸間弾道ミサイルの実験が行われ、それが「巨浪3型」の試験発射であることを事実上、認めたこととなった。
6月2日未明、山東省、山西省、河南省、河北省などの多くの地域で空に「発光する不明飛行体」が出現し、「彗星のような明るい物体が長い尾を引いて空の中を走り抜けていく」といった神秘的な事象にいろんな憶測が飛び交う中、中国のロケット軍と海軍の公式ホームページに3日夜、「UFOを見た」とか、「やはりそうか」、「やあ、ピント来たぞ」と叫ぶ声が一斉登場したこともあり、確かに、注目され続けている一件だった。一部の外国メディアは、水中発射の「巨浪3型」といわれた大陸間弾道ミサイルの試験発射ではないかと報じた。今回は環球時報記者の質問に答える形でそのニュースの真実性を確認したわけだが、中国政府が初めて「巨浪3型」の発射を公の場で認めたことを意味する。
昨年末、アメリカのメディアがアメリカ国防省の消息筋の話として伝えた「中国が同年11月下旬に「巨浪3型」の大陸間弾道ミサイルの初試射を行った」ことを踏まえて、12月の定例記者会見で同じような質問があったが、当時の国防省報道官の呉謙大佐は、「私には発表しなければならないものを持っていない」と答えるにとどまったことが記憶に新しい。
このタイミングでそれを公表する中国政府は、G20大阪サミット及び米中首脳会談を強く意識するものと思われる。今のところ、この「巨浪3型」の性能について公表していないが、西側のメディアによると、射程が12,000メートル以上で、最大10発の核爆弾を持つことが可能、突撃能力と命中精度も一段と上がったと見ているようだ。
これに対し、中国の軍事専門家の李傑氏は27日、「環球時報」の記者のインタビューを受けて、「今回の試験発射は中国の大陸間弾道ミサイルのラインナップに新種が加わったことを示した。アメリカ、ロシアは潜水艦より発射する大陸間弾道ミサイルを大量に保有している。中国は、この面で少しは発展しているが、数量が限られていて、しかも、いかなる状況においても、先に核兵器を使用しない政策を遂行しているだけでなく、無条件に核兵器の非保有国と非保有地域に対して核兵器を使用しない、また使用の脅かしをしないことを約束している」とコメントし、アメリカとロシアはどちらも「先制不使用」の約束を拒否している点を暗に指した。
冒頭の記者会見では、任国強報道官は、また、「これらの実験は、特定の国や目標に対するものではない。中国は、一貫して防御的国防という政策と積極的な防衛という軍事戦略を実施しており、国家安全を守るため基本的必要な武器や装備を発展させている」と重ねて強調したという。
この中国ロケット軍と海軍の新兵器、「巨浪3型」は、いったい何物か、やれやれ、新たな軍事緊張にならなければいいのだが。
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