軍事的威圧を常態化させる中国(9月3日)
ペロシ下院議長の訪台をきっかけに超党派の米国議員団の台湾訪問などが中国を刺激し、台湾に対する軍事的威圧を常態化させている。
台湾国防部の調べで、8月に台湾海峡の中間線を越えた中国軍機が300機を超えたことが明らかになった。わずか1か月の間に昨年1年間の合計の150倍もの戦闘機が中間線を踏み越えたことになる。台湾周辺海域で確認された中国軍艦艇も190隻と急増している。
台湾離島へのドローンの飛来も増えている。...
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ペロシ下院議長の訪台をきっかけに超党派の米国議員団の台湾訪問などが中国を刺激し、台湾に対する軍事的威圧を常態化させている。
台湾国防部の調べで、8月に台湾海峡の中間線を越えた中国軍機が300機を超えたことが明らかになった。わずか1か月の間に昨年1年間の合計の150倍もの戦闘機が中間線を踏み越えたことになる。台湾周辺海域で確認された中国軍艦艇も190隻と急増している。
台湾離島へのドローンの飛来も増えている。つい先日は、威嚇射撃を行うも引き返さなかったために台湾国防部がこれを撃墜した。この他、台湾外交部や国防部のウェブサイトが見られなくなるなど、サイバー攻撃も頻繁に起きている。こうしたハイブリッド攻撃は、中国がいつ武力侵攻に踏み切ってもおかしくない局面に入っていることを意味しているという。
中国が台湾に武力攻撃を仕掛けてくる場合には軍事力・サイバー攻撃・電子戦・情報工作を同時に仕掛け、一挙に勝負に出てくることが予想されている。
台湾・蔡英文総統は「私たちは紛争を引き起こさないし、自制を働かせるが、それは対抗しないという意味ではない」と強硬姿勢を強める中国に対し、台湾も強い態度で臨む姿勢を示している。
台湾海峡が本格的な有事になった場合には、日本が巻き込まれる可能性はゼロではない。
台湾から与那国島まではわずか111キロしかなく、沖縄までは711キロなどと日本と台湾は近距離である上、台湾本土には最大に見積もって4万人の邦人が居住しており、サプライチェーンの問題、エネルギー安全保障の見地からも日本は無関心ではいられない。
日本には対立を煽るのではなく、中台の緊張関係を沈静化させる役割が求められているのではないか。
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台湾軍・“無人機を撃墜”(9月2日)
台湾軍は、所属不明の民生用の無人機1機が、台湾が実効支配する離島の沿岸の上空に飛来したため撃ち落としたと発表した。
この付近の離島では、中国のものと見られる無人機の飛行が、先月から頻繁に確認されるようになっているが、台湾軍が撃ち落としたと発表するのは初めて。
台湾・蔡英文総統はおととい「武力攻撃に至らない手法で、中国が台湾を威嚇している」という認識を示し、「武力衝突の口実を中国に与えないよう、台湾側は自制する」としながらも、「われわれの自制は対抗しないことを意味しない。...
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台湾軍は、所属不明の民生用の無人機1機が、台湾が実効支配する離島の沿岸の上空に飛来したため撃ち落としたと発表した。
この付近の離島では、中国のものと見られる無人機の飛行が、先月から頻繁に確認されるようになっているが、台湾軍が撃ち落としたと発表するのは初めて。
台湾・蔡英文総統はおととい「武力攻撃に至らない手法で、中国が台湾を威嚇している」という認識を示し、「武力衝突の口実を中国に与えないよう、台湾側は自制する」としながらも、「われわれの自制は対抗しないことを意味しない。すでに国防部に必要かつ強力な対抗措置を適時取るよう命じた」と述べていた。
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米国海軍“巡洋艦2隻台湾海峡を通過”(8月28日)
米海軍第7艦隊はきょう、ミサイル巡洋艦のアンティータムとチャンセラーズビルが台湾海峡を通過する通常の活動を行っていると発表した。
また2隻はどの沿岸国の領海にも属さない航路を通過したとし艦船による台湾海峡の通過は米国の自由で開かれたインド太平洋への関与を示していると強調している。
米海軍はこれまでもたびたび台湾海峡に艦船を派遣し海峡を通過させているが米国のペロシ下院議長が今月初旬に台湾を訪問して以降はこれが初めて。...
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米海軍第7艦隊はきょう、ミサイル巡洋艦のアンティータムとチャンセラーズビルが台湾海峡を通過する通常の活動を行っていると発表した。
また2隻はどの沿岸国の領海にも属さない航路を通過したとし艦船による台湾海峡の通過は米国の自由で開かれたインド太平洋への関与を示していると強調している。
米海軍はこれまでもたびたび台湾海峡に艦船を派遣し海峡を通過させているが米国のペロシ下院議長が今月初旬に台湾を訪問して以降はこれが初めて。
米国としては中国がペロシ議長の訪台をきっかけに台湾周辺で大規模な軍事演習を行ったり航空機を台湾海峡の中間線を越えて飛行させたりして台湾への圧力を強め現状変更を試みていると見ており米国の台湾や東アジア地域への関与が揺らぐことはないと示すねらいがあると見られる。
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台湾・来年の防衛費総額過去最高に(8月26日)
台湾当局は来年の防衛費の総額を今年よりおよそ14%増やすとする予算案を閣議決定した。増額の理由として台湾周辺で中国軍の活動活発化に伴い台湾軍の航空機や艦艇の出動も頻繁になり、そのための費用が今後も膨らむと見込んでいるためとしている。
このほか新型戦闘機F16の調達やミサイルなどの量産のための特別予算などもあり総額は過去最高となる。この額はGDP(国内総生産)の2.4%にあたるという。大規模な軍事演習で台湾への圧力を強める中国に対抗する構えを示した形。
台湾・野党副主席が中国高官と会談(8月25日)
中国を訪問している台湾の最大野党・国民党の幹部・夏立言副主席が昨夜、中国の高官と会談し、今月の大規模な軍事演習に不満と憂慮を伝える一方、「中台の交流が必要だ」という考えで一致した。
中国に融和的な姿勢を取る国民党の夏立言副主席は今月10日から中国を訪問していて、昨夜、中国の台湾に対する窓口機関「海峡両岸関係協会」の張志軍会長と会談した。
国民党によると夏副主席は中国が今月上旬に大規模な軍事演習を行うなど台湾への圧力を強めていることについて「台湾の大衆の不満と憂慮を伝えた」という。...
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中国を訪問している台湾の最大野党・国民党の幹部・夏立言副主席が昨夜、中国の高官と会談し、今月の大規模な軍事演習に不満と憂慮を伝える一方、「中台の交流が必要だ」という考えで一致した。
中国に融和的な姿勢を取る国民党の夏立言副主席は今月10日から中国を訪問していて、昨夜、中国の台湾に対する窓口機関「海峡両岸関係協会」の張志軍会長と会談した。
国民党によると夏副主席は中国が今月上旬に大規模な軍事演習を行うなど台湾への圧力を強めていることについて「台湾の大衆の不満と憂慮を伝えた」という。
これに対し中国国営の新華社通信によると張会長は「われわれが取った対抗措置は国家の主権と領土の一体性を守り、台湾独立勢力の分裂行動と外部からの干渉を抑え込む正義の行いだ」と述べ、正当化した。そのうえで双方とも「台湾海峡の平和と安定のために交流と意思疎通の強化が必要だ」という考えを示した。
米国のペロシ下院議長の台湾訪問に対抗して中国軍が大規模な演習を行った中で夏副主席が中国に向かったことについて蔡英文総統は「国際社会に誤ったメッセージを送るものだ」と非難した。また国民党内からもことし秋の統一地方選挙への影響を懸念する声が出ている。
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