※2022年2月、更新を終了しています
人工知能ブームの裏側では(5月16日)
少し技術的な話で恐縮ですが、今再び「AI(人工知能)」ブームが爆発している。
CPU(中央演算装置)という言葉は、ごく一般的になっているが、GPU(画像処理装置)という単語は余り知られていない。
世界一の碁打ちと称せられる韓国のイ・セドルを相手に4勝1敗の戦績で勝利した、グーグル傘下で開発したAIロボットのアルファ碁が、ディープラーニング(深層学習)で腕前を一気に上げたという話題により、一躍名をはせた訳だが、そこに技術的注目が一気に集まっている。...
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少し技術的な話で恐縮ですが、今再び「AI(人工知能)」ブームが爆発している。
CPU(中央演算装置)という言葉は、ごく一般的になっているが、GPU(画像処理装置)という単語は余り知られていない。
世界一の碁打ちと称せられる韓国のイ・セドルを相手に4勝1敗の戦績で勝利した、グーグル傘下で開発したAIロボットのアルファ碁が、ディープラーニング(深層学習)で腕前を一気に上げたという話題により、一躍名をはせた訳だが、そこに技術的注目が一気に集まっている。
ディープラーニングをシステム化させる時に、利用する半導体または装置が、GPU(ジーピーユー)である。
従来は、高速な画像処理が必要だったゲーム等に利用されるなど、限定的な範囲で使用されてきたが、AIブームが起こっている現在は、自動車の「自動運転システム」等にも利用の用途が広がってきた。
高速の画像処理が伴えば、最早従来のCPUだけでは間に合わない。GPUことこのグラフィックプロセッサーが必須になってくる。
GPUの開発や製造を行っている米国の「エヌビディア社」の前四半期の業績が、1億9600万ドル、46%増益と急速に伸びている。
売り上げ規模も13%増の13億5百万ドル(約1450億円)だった。
この5月に発売開始されるエヌビディア社の半導体には、演算コアが2560個集積され、画像処理にはめっぽう強そうだ。
AIブームを支える陰の主役である「エヌビディア社」のこれからの業績は、文字通りうなぎ上りが予想される。
今までご承知のない方は、是非GPU(ジーピーユー)という聞きなれない言葉と一緒に、「エヌビディア」という社名も記憶に残すことをお勧めしたい。
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ESGという価値観(5月13日)
5月13日、日経朝刊「春秋」というコラムに、欧米を中心に成長する企業を見極めるために「ESG」というものさしが注目されているとの意見を目にした。
「E」は環境、「S」は社会性、「G」は企業統制である。
こういった新たな「ものさし」は、たいてい欧米からやってくる「風の流れ」だ。
今時、環境に悪い企業では成長は難しいと思う。
社会性が伴わなければ、これも難しい。
企業統制は、文字通り捉えれば、統制が徹底していなければ、そもそも公の企業としては成り立たない。...
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5月13日、日経朝刊「春秋」というコラムに、欧米を中心に成長する企業を見極めるために「ESG」というものさしが注目されているとの意見を目にした。
「E」は環境、「S」は社会性、「G」は企業統制である。
こういった新たな「ものさし」は、たいてい欧米からやってくる「風の流れ」だ。
今時、環境に悪い企業では成長は難しいと思う。
社会性が伴わなければ、これも難しい。
企業統制は、文字通り捉えれば、統制が徹底していなければ、そもそも公の企業としては成り立たない。
そこにコンプライアンス(法令順守)という要素も勿論必要になる。
「春秋」では、内外に向けて風通しの良い組織を目指す、という意味だと解説している。
勿論、加えて売上高や利益の伸び、市場性が無ければ、話にならないのだろう。
こうして、確認してみると何か当たり前のことのようだが、「ESG」というものさしで、成長企業を推し量るという新たな価値観が確かにこれからの潮流になるのかなと頷かざるを得ない。
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時代の流れが変わってきたか(5月11日)
このコラムでも、取り上げている「パナマ文書」の公開についての世界の反応であるが、場合によっては「違法」では無いが「公正」とは言えないといった論評や、一握りの富裕者や大企業だけが、租税を回避できて良いのかといった意見もでてきた。
租税回避地を利用した、租税回避は、今までも懐疑的に見られてきたが、今回の「風の流れ」は、「国家の徴税権の行使」としてG7が動くことになりそうである。
単純に社会正義の履行という流れだけではなく、赤字に喘ぐ国家財政の財源としてクローズアップされている側面もある。...
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このコラムでも、取り上げている「パナマ文書」の公開についての世界の反応であるが、場合によっては「違法」では無いが「公正」とは言えないといった論評や、一握りの富裕者や大企業だけが、租税を回避できて良いのかといった意見もでてきた。
租税回避地を利用した、租税回避は、今までも懐疑的に見られてきたが、今回の「風の流れ」は、「国家の徴税権の行使」としてG7が動くことになりそうである。
単純に社会正義の履行という流れだけではなく、赤字に喘ぐ国家財政の財源としてクローズアップされている側面もある。
社会の「風の流れ」は、往々にして、権力にそのニーズがあると反応が早く、動きも速い。
かくして、26日から伊勢志摩で開催されるG7でこの問題は、ある方向付けがされそうである。
もう一つ、「オバマ大統領の広島訪問」も、時代の流れを大きく変える画期的な決断である。
社会正義から言えば、「核なき世界を目指す」というオバマ氏の理念は、心情的に正しいと感じる。
しかし、この決断も、米ロの核軍縮にどれだけ影響を与えることができるのだろうか。
北朝鮮の核実験を封殺することは可能であるのか。
ただ少なくとも、オバマ氏の理念に賛同する人々は圧倒的に多数であると信じたい。
そしてその「風の流れ」が世界を覆うことを信じたい。
その「風の流れ」もG7からであり、日本から吹くことになる。
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パナマ文書公開(5月10日)
いよいよその日がやってきた。
パナマ文書の実名リスト公表の日である。パナマ文書で21万社以上の企業リストが公開された。
公表したICIJは「全ての租税回避が違法というわけではない」と指摘しながらも「税をめぐる不公平の是正につなげたい」と、公開の意義を強調している。
パナマというタックスヘイブンを利用した世界の裕福層の租税回避の実態がパナマ文書で明らかにされてから1か月。
5月10日に実名リスト公表が予定されるタイミングで、その発端となった告発者が身元を隠したまま、暴露の経緯や動機を新聞で発表した。...
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いよいよその日がやってきた。
パナマ文書の実名リスト公表の日である。パナマ文書で21万社以上の企業リストが公開された。
公表したICIJは「全ての租税回避が違法というわけではない」と指摘しながらも「税をめぐる不公平の是正につなげたい」と、公開の意義を強調している。
パナマというタックスヘイブンを利用した世界の裕福層の租税回避の実態がパナマ文書で明らかにされてから1か月。
5月10日に実名リスト公表が予定されるタイミングで、その発端となった告発者が身元を隠したまま、暴露の経緯や動機を新聞で発表した。
ジョン・ドウ(日本で言う名無しのごんべい)と名乗る告発者の告発文が発表された。
ジョン・ドウは「各国所轄の当局と協力する心づもりがある」ようだ。もし司法当局のみがパナマ文書を入手し、評価するとしたら、パナマ文書によって数千の起訴が生じる可能性があるからだ。無料で協力するかどうかは明言していないが、ジョン・ドウが出した条件は「身の安全の保障」であった。
各国政府はジョン・ドウのための法的保護手段を確立していないが、パナマ文書を入手するにはメディアが行った文書解析に頼らざるを得ないだろう。
またジョン・ドウは告白文の中で「社会的不平等を生む癒着システムによって、弁護士の職業倫理の逸脱、裕福層の免責が可能になる事」、「それを終わらせる政治指導者の勇気の欠如」を指摘した。
麻生財務相は「課税の実現を図るのは当然のことだと思っている」と述べ、来週仙台で開催されるG7財務大臣会合でも租税回避の問題について議論する方針を示したと報道されている。
パナマ文書疑惑では、日本関係でも200以上の名前が取りざたされている。
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安倍首相の対ロシア戦略(5月9日)
8日のフジテレビ朝の「新報道2001」の中で、上席解説委員・平井文夫氏は、
「安倍プーチンで北方領土を解決することはできる。これができたらノーベル平和賞ものだが、ちょっと安倍総理は前のめりすぎ。今回もプーチンに1時間以上待たされたあげく、山口に来てくれと言っても来てもらえなかった。さらには(北方領土を)返してもらう前に経済協力を出してしまった。先に出すと返してくれない可能性がある」と発言した。
この発言を聞き、1時間も待たされたのかと、プーチン大統領の胸の中が分かったような気になった。...
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8日のフジテレビ朝の「新報道2001」の中で、上席解説委員・平井文夫氏は、
「安倍プーチンで北方領土を解決することはできる。これができたらノーベル平和賞ものだが、ちょっと安倍総理は前のめりすぎ。今回もプーチンに1時間以上待たされたあげく、山口に来てくれと言っても来てもらえなかった。さらには(北方領土を)返してもらう前に経済協力を出してしまった。先に出すと返してくれない可能性がある」と発言した。
この発言を聞き、1時間も待たされたのかと、プーチン大統領の胸の中が分かったような気になった。
ロシアは、近頃はっきりと、「北方領土は戦争において獲得した領土」だと表現するようになった。
安倍首相の提案のような経済協力をしても、北方領土の4島は、なかなか帰ってこない可能性すら感じる。
良いところ、歯舞色丹の2島が対象となり、数倍の規模の国後、択捉の2島はどうなるか分からないことになりはしないかという、疑念も沸く。
プーチン氏は、今経済を引き上げたいという思惑で一杯であると考えられる。
そこに乗じて、魅力的な経済協力を提案するにしても、やはりきちっと歯車を合わせながら、一歩一歩相手の考えを確認しながらこちらの手札を切っていかなければならない。
日本だけが、入れ込んでも相手が乗ってこないと一人芝居になりかねない。
とは言うものの、領土問題、特に北方領土のロシアからの返還には、他の妙手もない状態である。
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