※2022年6月、更新を終了しています
オバマ大統領の一手(5月24日)
23日オバマ大統領は、訪問先のハノイでベトナムへの武器禁輸解除を表明した。
両国は、戦火を交えた歴史と政治体制の違いを乗り越えて、同盟関係を強めている。
南シナ海で海洋進出を強める中国に対する共同戦線とも言える。
オバマ大統領とチャン・ダイ・クワン国家主席は、会談後の共同記者会見で「南沙諸島の領有権問題で中国の一方的主張を認めない」方針を表明した。...
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23日オバマ大統領は、訪問先のハノイでベトナムへの武器禁輸解除を表明した。
両国は、戦火を交えた歴史と政治体制の違いを乗り越えて、同盟関係を強めている。
南シナ海で海洋進出を強める中国に対する共同戦線とも言える。
オバマ大統領とチャン・ダイ・クワン国家主席は、会談後の共同記者会見で「南沙諸島の領有権問題で中国の一方的主張を認めない」方針を表明した。
ベトナムは、前指導部の方針を継承し、米国との連携を強化する方針であるとも言えよう。
米国から見ると、ベトナムは南シナ海に面した約3千キロの海岸線を有し、フィリピンとの間に南シナ海を臨む要衝である。
ベトナムは、民主化や人権で考え方が違うが、切迫した南シナ海の情勢の中では、ベトナムと関係を強化する判断をしたようである。
ベトナムは、これまで武器をロシアから調達してきた経緯があるが、今後米国からも調達できるようになり、選択の幅が広がったとも見える。
26日のG7首脳会議を前にして、オバマ大統領は、先にベトナムを訪問し、こうした成果を携え、いよいよ日本に乗り込んでくる。
その背景には、「南シナ海」に対する中国への警戒感と、防衛上の方針が鮮明に感じとられる。
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G7での成果は?(5月23日)
安倍首相による3週間前の欧州歴訪による成果は何だったのだろうか。
昨日終わったG7による「財務相・中央銀行総裁会議」では、持続的な世界経済の成長についての明確な方針が出なかった。
26日から始まるG7首脳会議で、安倍首相のリーダーシップで明確な方針が出せるのか、見通しは不透明になってきた。...
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安倍首相による3週間前の欧州歴訪による成果は何だったのだろうか。
昨日終わったG7による「財務相・中央銀行総裁会議」では、持続的な世界経済の成長についての明確な方針が出なかった。
26日から始まるG7首脳会議で、安倍首相のリーダーシップで明確な方針が出せるのか、見通しは不透明になってきた。
当初の予定では、安倍首相は「G7各国の財政出動」により、世界の持続的な成長を目指していたが、独、英を説得できなかった。
悪くすれば、G7首脳会議はパナマ文書に関連した「不公正な資金の流れを絶つ」という程度の声明文に纏められてしまう可能性もでてきた。
「中国の南シナ海の埋め立て問題」もどこまで強いメッセージを放つことができるだろうか、少々気になるところである。
オバマ大統領による「広島訪問」が大きく取り上げられ、G7首脳会議で決議すべき重要なメッセージは、その影に隠れてしまわないようにしなければ、G7の意味が消えてしまう。
7年に1回の日本での開催を実りあるものにしなければ、これだけの警備と費用を掛けた意味が薄れてしまうのではないか。
兎に角、G7首脳会議の声明文の内容に注目したい。
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G7首脳会議開催と激変するアジア情勢(5月20日)
来週26日から開催される、G7首脳会議では、当然低迷する世界の経済に対する「財政出動」などが協議されると想定される。
更には、「テロ対策の国際連携強化」「パナマ文書」などが議論されることになると見られている。
G7の構成メンバーの内、アジアの国は日本唯一である。...
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来週26日から開催される、G7首脳会議では、当然低迷する世界の経済に対する「財政出動」などが協議されると想定される。
更には、「テロ対策の国際連携強化」「パナマ文書」などが議論されることになると見られている。
G7の構成メンバーの内、アジアの国は日本唯一である。米国、カナダを除いた後の4か国は、欧州の国である。
欧州では、EUやその通貨であるユーロを巡る様々な問題が生じている。英国では6月にもその離脱を巡る国民投票も控えており、ウクライナ問題やギリシャなどの財政危機、加えてテロと関係が深い難民問題等に悩まされているので、アジアに対する関心は比較的薄いと考えられる。
しかし、そのアジアでは、中国の南シナ海への進出が大きな問題になっている。
日米やその周辺国は、その動きに神経を尖らせているものの、周辺国は中国との経済関係を損ないたくは無いという思惑も持っている。
16日にも取り上げたが、中国はスプラトリー諸島で軍事化を進め、ファイアリークロス礁では滑走路に軍用機を着陸させるなど実運用を始めている。パラセル諸島のウッディー島では地対空ミサイルや戦闘機を配備。更にはフィリピンと領有権をめぐって対立しているスカボロー礁では中国が測量を始めたとされていて、新たな埋め立ての準備をする動きがみられている。
国際社会の非難の声が高まっているにも関わらずスカボロー礁の埋め立ての動きを見せている。
着々と南シナ海に三角形の強力な防衛ラインを引こうとしている。
更に、中国は19日の記者会見で「米軍の偵察活動を直ちに止める様」米国に迫っている。
台湾では、20日より独立色が強い民進党政権がスタートする。
日本で開催されるG7では、日本が位置するアジア、特に南シナ海に於ける中国への牽制を明確に表明するものだと期待したい。
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オバマの理想と現実(5月17日)
オバマ米国大統領の来日まで、あと一週間余りに迫ってきた。
先ず、G7の会合や各国首脳との会談があり、27日には広島に行くことが決まっている。
政治家の行動であるので、期待するようなハプニングは起きないと考えられる。
「広島に行く」だけでも歴代大統領ができなかった大きな出来事である。
今後、世界の核に対する考え方は、どうなるのであろう。...
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オバマ米国大統領の来日まで、あと一週間余りに迫ってきた。
先ず、G7の会合や各国首脳との会談があり、27日には広島に行くことが決まっている。
政治家の行動であるので、期待するようなハプニングは起きないと考えられる。
「広島に行く」だけでも歴代大統領ができなかった大きな出来事である。
今後、世界の核に対する考え方は、どうなるのであろう。
最も順当な考え方では、米ロの核兵器の均衡を保ちながら、中国も引き込みながら「削減」に向かって少しずつ歩んで行くことになるのではないだろうか。
もう一つ、インド、パキスタン、イラン、北朝鮮などの国々の核兵器の廃棄と核開発をどう食い止めるかが、当面の課題になる。
米ロの核削減については、オバマ大統領はその気充分だと思うが、プーチン大統領はそれをどう受けて立つか、ウクライナ問題を抱える今、不透明である。
そこで、面白い情報に辿り着いた。16日のBSフジの「プライムニュース」に出演した、湯崎英彦広島県知事は、ロシアの下院議長が広島を訪問する可能性について言及した。
それがきっかけで、ロシア要人も広島を訪問し、近い内にプーチン氏も訪問するということになれば、世界的に核兵器の起こす悲惨さを世界が認識し、核軍縮のきっかけになる可能性もある。
現実的には、一足飛びに「核のない世界の実現」にはならず、「少しずつ核兵器を削減してゆく」という方法が、当面考えられる現実かも知れない。
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南シナ海を巡る複雑な攻防(5月16日)
南シナ海を巡って、中国の動きに日米や東南アジア諸国の戦いが熱くなってきている。
中国は、他国の心配をよそに、着々と南シナ海に三角形の強力な防衛ラインを引こうとしている。...
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南シナ海を巡って、中国の動きに日米や東南アジア諸国の戦いが熱くなってきている。
中国は、他国の心配をよそに、着々と南シナ海に三角形の強力な防衛ラインを引こうとしている。
中国はスプラトリー諸島で軍事化を進め、ファイアリークロス礁では滑走路に軍用機を着陸させるなど実運用を始めている。パラセル諸島のウッディー島では地対空ミサイルや戦闘機を配備。更にはフィリピンと領有権をめぐって対立しているスカボロー礁では中国が測量を始めたとされていて、新たな埋め立ての準備をする動きがみられている。
国際社会の非難の声が高まっているにも関わらずスカボロー礁の埋め立ての動きを見せている。
これらの軍事基地化が完成すると、南シナ海に中国による強力な防衛ラインができることになる。
大統領選が終わったばかりのフィリピンでは、スカボロー礁に対する対応がどうなるかまだはっきりしない。
少なくても、国際仲裁裁判所の判断がどう出てくるかに、注目が集まることになる。
フィリピンとベトナムは、領土領海問題では以前から中国との対立点も見えるが、ここに来てインドネシアがナトゥナ諸島で、同国軍が潜水艦基地の建設計画をしていると16日の読売新聞が伝えた。
現在、インドネシアは保有する2隻の潜水艦で、2カ所の基地で活動している。新たに韓国から調達する3隻を含め、2024年までに12隻以上の配備を行う予定のようだ。
インドネシアは、中国が主張する「九段線」と自国の領海の一部が重なり、その存在そのものを否定している。
インドネシアは、経済では中国と緊密な関係の構築を目指しているが、国防費は約2割増額し軍事基地や軍港の拡張に15年から着手している。
このように、南シナ海を巡るインドネシアを始めとする、東南アジアの国々は、経済関係を促進しながら、「九段線」の否定と国防にも力を入れている。
しかしながら、南シナ海に線引きする中国の強力な三角形の防衛ラインには、米軍等の協力がなければ、対抗できそうもない。
そういう意味では、巨大な中国の経済力を利用しつつ、領海領土や南シナ海の自由航行を守るという複雑な関係が今後も続くことになる。
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