5月11日付
『AP通信』他:「今日5月11日に何があった?」
●1858年
・ミネソタ州が、米合衆国の32番目の州に昇格。それまでは準州登録。ミシシッピ川の支流のミネソタ川(ネイティブ・インディアンのスー族の“曇り空の色に染まった水”の意)。
●1935年
・第32代大統領のフランクリン・ルーズベルト(1882~1945年、1933~1945年在任)が実施したニューディール政策(注1後記)の一環で、農村電化を促す法案に署名し農村電化局が発足。
●1943年
・“アッツ島の戦い(注2後記)”と呼ばれる、アリューシャン列島の日本軍占領のアッツ島への米軍の上陸作戦開始。
●1946年
・人道支援国際NPO団体CARE(注3後記)の初の活動である、欧州向け緊急食料品等支援物資がフランス北西部ル・アーブル港到着。
●1947年
・オハイオ州のタイヤメーカーB.F.グッドリッチ(1870年設立)が世界初のチューブレスタイヤを開発・販売。なお、同社は1990年に世界最大のタイヤメーカーであるフランスのミシュラン傘下に。
●1953年
・テキサス州が大型竜巻に襲われ、114人が犠牲。
●1960年
・イスラエルの諜報特務庁モサド(1949年設立)が、ナチスドイツ親衛隊中佐で秘密警察ゲシュタポのユダヤ人移送局長官だったアドルフ・アイヒマン(1906~1962年)をブエノスアイレス(アルゼンチン)で捕縛。1961年末にイスラエル裁判所で、人道に対する罪・戦争犯罪の責任等によって死刑判決、翌年5月に絞首刑。
●1973年
・「ペンタゴン・ペイパーズ(注4後記)」に関し、スパイ容疑で逮捕されたダニエル・エルズバーグ氏(経済学者・平和運動家、当時42歳で元国務省勤務、現90歳)とアンソニー・ルッソ氏(1936~2008年、エルズバーグの助手、当時37歳)に対し、ウィリアム・M.・バイン連邦地裁判事(1930~2006年)が政府側に不正行為があったとして公訴棄却判決。
●1996年
・ジョージア州の格安航空会社バリュージェット(1993年設立、1997年営業停止)の592便がマイアミ空港離陸直後に爆発炎上して、フロリダ・エバーグレーズ湿地帯に墜落、乗員乗客110人全員が犠牲。原因は同社の利益重視・安全軽視で、米連邦航空局が運行停止処分。
●1997年
・米IBMが開発した“ディープブルー(チェス専用のスーパーコンピューター)”が、当時の最強チェス選手ガルリ・カスパロフ氏(アゼルバイジャン人、1985~2000年の間世界チャンピオンとして君臨、当時34歳、現在58歳)に勝利。前年対決ではカスパロフ氏が勝っていて5分5分となったが、同選手の再戦要請に対して、IBMがプロジェクトを終了してしまったため再戦は実施されず。
●1998年
・インドが3回の地下核実験実施。5月13日にも2回実施。場所は北西端のラージャスターン州でパキスタン隣接。1974年に初核実験して以来だが、パキスタンの核の脅威に対抗するもの。一方、パキスタン側も対抗して同年5月末に計5回の核実験実施。
・フランス造幣局(864年設立の世界最古の施設)が、欧州共通通貨ユーロ硬貨を初めて製造。
●2010年
・英国保守党のデビッド・キャメロン氏(当時43歳、現在54歳)が、約200年間の歴代首相の中で最も若い首相に就任。13年間続いた労働党政権が終焉。ただ、同首相が主導した2016年6月実施の欧州連合離脱是非を問う国民投票で惜敗し、同年7月に首相退任。
●2011年
・ヘッジファンド(注5後記)の大物ラジ・ラジャラトナム(スリランカ系米国人、当時53歳、現在63歳)に対し、ニューヨーク地裁がインサイダー取引容疑で禁固11年の有罪判決。
●2016年
・サウスカロライナ州の元白人警官のマイケル・スレーガー(当時34歳、現在39歳)に禁固20年の有罪判決。同被告人は2015年4月4日、自動者を運転中の黒人ウォルター・スコット氏(当時50歳)が制止を振り切って逃走しようとしたとして射殺。通行人が携帯電話で撮影した映像から、武器を持たない同氏を背後から撃ったことが判明。
●2020年
・トランプ大統領(当時73歳)が、新型コロナウィルス(COVID-19)に対してマスク不要論をぶっていたが、ホワイトハウスで2人の感染者が出たことから、大統領執務室や記者会見場がある西棟の入館者に対して“マスク着用”を要請。
・米ツイッター社が、COVID-19関連の偽情報の投稿は禁止すると警告。
・ジョージア州の検事総長が、同年2月23日に黒人被害者アーマード・アーベリー氏(享年25歳)を殺害した白人容疑者のマクマイケル父子の事件に黒人のアトランタ地区首席検事を充てることを決定。同容疑者らは、黒人狩りとされる忌むべき行為を行ったが、元警官だったことから、黒人被害者が自宅敷地に無断侵入したとの同容疑者らの証言が通って無罪放免。しかし、事件発生時の動画がインターネットに拡散して世間から人種差別的行為との非難が上がり、結局同容疑者らが逮捕されたもの。
(注1)ニューディール政策:1930年代に米国大統領フランクリン・ルーズベルトが世界恐慌(1929年)を克服するために行った一連の経済政策。特に、1935年からの第二次政策では、失業者への手当給付・生活保護から失業者の雇用へという転換を行い、公共事業促進局を設立し、失業者の大量雇用と公共施設建設や公共事業を全米に広げた。
(注2)アッツ島の戦い:第二次世界大戦中の1943年5月に米国アラスカ準州アリューシャン列島で、米軍のアッツ島上陸によって開始された日本軍と米軍との戦闘。米軍は、奪われた自国領土のアリューシャン列島の奪回を目指したもので、19日間の激戦の結果、日本軍はほぼ全滅(日本軍戦死2,638人、捕虜29人。米軍側は、戦死約600人、負傷約1,200人)。
(注3)CARE:1945年設立の米NPO団体。第二次大戦後の飢餓に喘ぐ欧州市民救済のために設立。当初は、Cooperative for American Remittance to Europeだったが、後にCooperative for Assistance and Relief Everywhereに改称して世界各地へ支援拡大。
(注4)ペンタゴン・ペイパーズ:原題は“ベトナムにおける政策決定の歴史、1945~1968年”で、1971年に国際安全保障問題担当のジョン・マクノートン国防次官補が中心になってまとめた報告書。エルズバーグらがコピーを入手して、『ニューヨーク・タイムズ』・『ワシントン・ポスト』等に持ち込んで暴露し、世界に反戦を訴えるために使われた文書。
(注5)ヘッジファンド:金融派生商品など複数の金融商品に分散化させて、高い運用収益を得ようとする代替投資の一つ。投資家(個人、金融機関、年金基金など)から預かった資金を運用し、相場の上下変動にかかわらず収益を追求する投資ファンドで、反対売買などを組み合わせることでリスクを回避(ヘッジ)しながら運用するのでこう呼ばれる。
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