米国最大級の学区で11歳から18歳の生徒の成績を調査したところ、新型コロナウイルスによって学習が、リモートに切り替えられた影響で、「F(不合格点)」の評価を受けた生徒の数が83%増加しており、障害のある生徒が最も影響を受けていることが判明した。
『デイリーメール』によると、バージニア州フェアファックス郡の公立学校が行った18万6千人の中高生を対象とした調査では、2つ以上の科目でF(不合格点)の成績を獲得した生徒の割合が83パーセント増加したことが分かった。
2020-21年度の第1四半期の終わりまでに、公立学校に通う10,000人の生徒が2つ以上の科目でFの成績を獲得しており、昨年の同時期に比べて4,300人増となった。
英語が母国でない生徒のうち不合格点を取った割合が106%増加した一方で、特別教育を受けている生徒が最も苦戦していることも判明した。...
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『デイリーメール』によると、バージニア州フェアファックス郡の公立学校が行った18万6千人の中高生を対象とした調査では、2つ以上の科目でF(不合格点)の成績を獲得した生徒の割合が83パーセント増加したことが分かった。
2020-21年度の第1四半期の終わりまでに、公立学校に通う10,000人の生徒が2つ以上の科目でFの成績を獲得しており、昨年の同時期に比べて4,300人増となった。
英語が母国でない生徒のうち不合格点を取った割合が106%増加した一方で、特別教育を受けている生徒が最も苦戦していることも判明した。2つの科目またはほとんどの科目で不合格点をとった生徒は9%から19%に増加しており、昨年に比べ111%増加している。
中学校だけで見ると、2科目以上で不合格点を取った生徒が昨年と比べて300パーセント増加している。昨年の第1四半期には2パーセントだった不合格点の生徒が、2020-21年の第1四半期には8パーセントにまで増加している。
なお、不合格点の増加率は、ヒスパニック系の中学生は400パーセント、英語が母国語ではない中学生は383パーセント、経済的に恵まれない中学生は375パーセントの増加となっている。
一方で、リモート学習に移る前から優秀だった生徒の大部分は予想よりも良い成績を残していることが判明した。今回の調査結果で、これまで優秀な成績を収めていた生徒と、そうでなかった生徒の間のギャップが拡大していることに対し懸念の声が上がっている。
『ワシントン・ポスト』は、今回の調査結果で、リモート学習がアメリカの教育における公平性の格差を拡大させていることに対する懸念を裏付けていると報じている。学校に深く関わり、学校に関心を持っている子供たち、つまり安定した家庭環境にあり、親が十分な経済力を持っている子供たちは、リモート学習でも続けて良く学ぶことができるが、気質的に、また社会経済的地位、家庭の状況によって成績を上げることができないような子供たちは、ますます遅れをとることになることが懸念されている。
こうした状況に対応するために、フェアファックス群では、生徒のリモート学習を支援しようと、締め切りを柔軟にし、勉強をサポートする特定の日を設け、テストの再受験を許可するなど、様々な対策が取ってきたという。しかし、フェアファックスの高校教師は、こうした対応を取ってみたものの、これまでBやCの成績だった生徒のうち50~70%がDとFの成績を取っていると懸念を表明している。
『フォックスニュース』によると、米CDCのロバート・レッドフィールド所長は、学校はパンデミックの間、子供たちにとって最も安全な場所であると訴えている。感染した子供たちに関する調査では、学校外の社会生活の中でまたは家庭で感染しており、学校で感染しているのではないことが分かっていると説明している。そのため、子供たちにとって、最も安全な場所の一つは学校であり、感情的に学校の閉鎖を決めるべきではないと訴えている。
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