米大統領選の民主党候補者選び前哨戦で、今のところバーニー・サンダース氏(バーモント州選出上院議員、78歳、注1後記)が一歩リードしている。しかし、候補者の中で最も社会主義的公約を掲げていることから、下馬評ではドナルド・トランプ大統領には勝てないとも言われている。ただ、外交政策では、中国がもし台湾を力で制圧しようとするなら、迷わず武力支援すると、トランプ氏に負けず劣らず硬派な面を見せている。
2月24日付
『Foxニュース』(
『AP通信』配信):「サンダース候補、もし中国が台湾を攻めたら武力で擁護すると発言」
バーニー・サンダース上院議員は、2月23日に放送された「60ミニッツ(注2後記)」の中で、もし自身が大統領になった際に、中国が台湾を攻撃してきたら、米軍を配備して対抗すると発言している。
同議員は、2月22日に行われたネバダ州民主党予備選で勝利した後にインタビューに答えたものである。...
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2月24日付
『Foxニュース』(
『AP通信』配信):「サンダース候補、もし中国が台湾を攻めたら武力で擁護すると発言」
バーニー・サンダース上院議員は、2月23日に放送された「60ミニッツ(注2後記)」の中で、もし自身が大統領になった際に、中国が台湾を攻撃してきたら、米軍を配備して対抗すると発言している。
同議員は、2月22日に行われたネバダ州民主党予備選で勝利した後にインタビューに答えたものである。
同番組ニュース・キャスターのアンダーソン・クーパー氏(ジャーナリスト、作家)が、仮の話として、もし中国が台湾を制圧しようとした場合、どうするのかと同上院議員に尋ねたことに対するコメントである。
サンダース氏は、“状況を見定める必要があるが、主権が他国の武力で侵されるのは黙認できない”と明言している。
同氏は更に、“武力行使は、米国及びその同盟国に脅威が迫った際”に決断すると付言している。
ただ、同氏は、今年初めに、イラン革命防衛隊のガーセム・ソレイマニ司令官がドナルド・トランプ大統領の命令で爆殺された際、イラク戦争(編注;2003年3月~2011年12月)のような新たな戦火を招く恐れがあると痛烈に批判していた。
一方、同司令官殺害について、同大統領は米国の安全保障のため必要だったとし、マイク・ポンペオ国務長官も、同司令官が対米攻撃を目論んでいたためこれを阻止する必要があったと強調している。
(注1) バーニー・サンダース:2016年米大統領選挙では、長年統一会派を組んでいる民主党に入党し予備選に立候補した。同選挙でヒラリー・クリントンに敗れた直後離党し、再び無所属となったが、民主党はサンダースを民主党上院議員執行部の「有権者対策(アウトリーチ、票田の拡大)委員長」に任命し、民主党執行役員の任を担うこととなった。上下院を通じ、無所属議員として米国史上最長のキャリアを継続している。
(注2) 60ミニッツ:『CBSテレビ』のドキュメンタリー番組。初回放送が1968年9月で、50年以上続く長寿番組であり、報道番組の中で最も視聴率が高い。
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