『CNN』や
『ロイター通信』などのメディアが報じたところによると、イラクでは長年、クリスマスはキリスト教徒の間だけで祝われてきたが、これを全ての国民のための祝日とするよう、閣議で国民の祝日に関する法律の改正案を承認した。
同国政府はツイッターに、「イラク政府は、クリスマスをイラク全体の正式な休日とすることを発表する。キリスト教徒の国民、全てのイラク国民、そして世界中でクリスマスを祝う全ての人々に幸せなクリスマスを。...
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『CNN』や
『ロイター通信』などのメディアが報じたところによると、イラクでは長年、クリスマスはキリスト教徒の間だけで祝われてきたが、これを全ての国民のための祝日とするよう、閣議で国民の祝日に関する法律の改正案を承認した。
同国政府はツイッターに、「イラク政府は、クリスマスをイラク全体の正式な休日とすることを発表する。キリスト教徒の国民、全てのイラク国民、そして世界中でクリスマスを祝う全ての人々に幸せなクリスマスを。」とのメッセージを投稿した。
イラクでは、国民の95%がイスラム教徒であり、シーア派が全体の66%、スンニ派が29%を占めている。しかしながら、イラクでのキリスト教信仰は2000年の歴史があり、チグリス川とユーフラテス川の肥沃な平原で、使徒トマスとタダイが福音を伝えたと言われる1世紀にまで遡るという。イラクはカトリックと正教会の多くの東方教会の拠点となっており、同国の民族的、宗教的多様性が表れている
2003年に始まったイラク戦争で、米国が主導する多国籍軍が同国に侵攻する以前は、約140万人のキリスト教徒がイラク国内に住んでいたが、その後、様々な武装勢力による暴力行為により、数十万人の教徒が国外に去り、約30万人に減った。その大多数は、キリストが用いたとされるアラム語の1つである現代アラム語を話すアッシリア人と言われている。
そして過激派組織「イスラム国(IS)」が同国で勢力を拡大すると、キリスト教徒は、多額の税金を支払い、イスラム教に改宗しなければ殺害されるなど迫害され、多くが国外に避難するなどして、さらにその人数が減少した。その後IS掃討作戦が成功し、イラクは2017年12月に勝利宣言を行ったが、多くの町ではいまだに戦いの痕跡が残り、多くの教会が破壊されるなど、キリスト教徒らにもたらされた損失も大きかった。
首都バグダッドでは25日の朝、装飾を施した教会で、キリスト教徒らがクリスマスを祝い、ミサを行うなどした。教徒らは、かつては恐れを抱いていたが、今では治安状況が改善し、希望が持てると述べた。
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