韓国でドイツ自動車大手BMWの車のエンジンから出火する事故が相次いだ問題で、韓国の国土交通省は24日、同社が欠陥に気づいていながら、リコールを意図的に遅らせていたとして、課徴金112億ウォン(約11億円)を課すとともに、同社を検察に刑事告発する方針を明らかにした。
『CNN』『AFP通信』『ロイター通信』など主要メディアが伝えている。BMWの車が炎に包まれる事故は、今年韓国メディアで大きく報じられた。同様の火災は日本や欧州では起きていなかったが、韓国では今年50件以上の事故があり、出火を恐れてBMW車の利用を断る駐車場まで現れた。
BMWは、EGRシステム(排気ガス再循環装置)の冷却装置(EGRクーラー)の欠陥が火災の原因であるとして、韓国国内で17万2,000台をリコールした。...
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『CNN』『AFP通信』『ロイター通信』など主要メディアが伝えている。BMWの車が炎に包まれる事故は、今年韓国メディアで大きく報じられた。同様の火災は日本や欧州では起きていなかったが、韓国では今年50件以上の事故があり、出火を恐れてBMW車の利用を断る駐車場まで現れた。
BMWは、EGRシステム(排気ガス再循環装置)の冷却装置(EGRクーラー)の欠陥が火災の原因であるとして、韓国国内で17万2,000台をリコールした。8月には同じ問題により、欧州および韓国を含むアジア諸国の一部で48万台のリコールを発表し、その2カ月後には、100万台以上のディーゼル車をさらにリコール対象としている。
韓国の国土交通省は、官民合同の政府調査団による5カ月にわたる調査結果を発表し、「BMWは、今年7月20日になって初めて、EGRクーラーの欠陥と火災との関連を認識したことを明らかにした。しかし我々は、同社のドイツ本社が2015年10月、既にEGRクーラーの問題を解決するための特別チームを編成していたことを確認している。」と声明で述べ、以前から問題を認識しながら適切な対応を取らなかったと指摘した。
韓国で走行する輸入車の6割がドイツ車で、自動車の輸入販売業者の連盟によると、BMWは今年上半期にも約3万9,000台を韓国で販売しており、その影響力は大きい。国土交通省は、課徴金に加え、BMWが意図的に問題を公表せず、リコールを遅らせたとして、検察に刑事告発することとした。
BMWは24日に声明を発表し、火災の根本的な原因を確認次第、リコールを実施したと反論している。問題を当初隠蔽しようとしたとの国土交通省の指摘については触れず、EGRシステムの設計に欠陥ありとの主張に対しては、これを否定した。
BMWは、顧客の懸念や不自由について改めて謝罪し、韓国でのリコールを早期に完了するとともに、継続中の調査には全面的に協力し、問題を解決していくことを約束すると説明した。
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