スウェーデンのシンクタンク「ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)」は10日、ロシアが世界の武器製造ランキングで英国を抜き、米国に次ぐ2位となったことを発表した。
『AFP通信』『AP通信』『CNN』などの多くのメディアが報じた。SIPRIによる2017年の世界の武器製造・軍事企業上位100社のリストには、ロシア企業10社がランクインし、その内の1社はトップ10入りした。10社の販売額合計は、前年比8.5%増の377億ドル(約4兆2,600億円)に上り、全体の販売総額の9.5%を占めている。これにより同国は、2002年以来英国が保持していた武器製造大国2位の座についた。
SIPRIのシーモン・ウェゼマン上席研究員は声明で、「ロシアの企業は2011年以降、武器の販売量を著しく伸ばしている。」と述べ、「これはロシアが軍隊を近代化するために、武器調達への支出を増加させていることと符合する。」と指摘した。
米国は42社がラインクインし、武器製造大国1位の座を守った。その販売額は2%伸びて2,266億ドル(約25兆6,000億円)に達し、全体の販売総額の57%を占めている。SIPRIの武器・軍事支出計画ディレクターであるオード・フリュラント氏は、「米国企業は、米国防総省の現存する兵器需要の恩恵を直接受けている。」と説明した。2017年も米ロッキード・マーティン社が、449億ドル(約5兆800億円)の売上高により、世界最大の武器製造企業となった。
一方、西欧で最大の武器製造国である英国の販売額合計は357億ドル(約4兆400億円)で、ロシアに抜かれて国別ランキング2位から3位に後退した。同国のBAEシステムが、SIPRIの上位100社中4位に入っている。
この他の国々では、トルコ企業による武器の販売額が2017年に24%伸びたが、同国での武器の需要増を満たし、外国企業からの輸入への依存度を下げるために、国内の軍事産業の発展を目指すトルコ政府の野望を反映するものであるとSIPRIは分析している。
2017年の上位100社の販売総額は、前年対比で2.5%増加し、3,982億ドル(約45兆円)となった。これは、2002年に初めて同様のデータを集計して以降、44%伸びたことになる。注目される中国については、統計が取れないために、ランキングには含まれていないという。
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