20日午後2時すぎ、米連邦緊急事態管理庁(FEMA)は、全米の携帯電話に、緊急警報のテスト送信を行った。テロや自然災害などの非常事態の際、大統領の指示で送信される。“大統領警報”という名のメッセージで、受信設定を解除できないため、政治目的に使われるとの危惧する声があるが、大統領が私的メッセージを送ることはないという。
10月2日付
『AP通信』は「全米の携帯へ緊急警報テスト通信」との見出しで以下のように報道している。
水曜東部時間午後2:18、緊急事態庁が初のワイヤレス緊急警報を試験発信し、全米の携帯でトーン音が鳴った。警報メッセージの表題には、“大統領警報”と書かれ、内容は、“これは携帯への全国緊急警報システムで、警報へ従う必要はありません。”と書かれたものだった。FEMA当局は、同時に2億2500万台が受信したと試算している。...
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10月2日付
『AP通信』は「全米の携帯へ緊急警報テスト通信」との見出しで以下のように報道している。
水曜東部時間午後2:18、緊急事態庁が初のワイヤレス緊急警報を試験発信し、全米の携帯でトーン音が鳴った。警報メッセージの表題には、“大統領警報”と書かれ、内容は、“これは携帯への全国緊急警報システムで、警報へ従う必要はありません。”と書かれたものだった。FEMA当局は、同時に2億2500万台が受信したと試算している。基地局から30分中継されたため、受信が遅れたり、同じ携帯で4件受信した場合や、全く受け取れなかった携帯もあったという。
携帯に続いて、テレビやラジオ放送からの警報が2分後に発信されたが、これは数年前からテストが実施されている。このシステム警報は、2012年から緊急事態庁が連邦通信局と共同で開発、非常事態の時のみ使用される。テストの成功度は未検証だが、FEMA当局は、実際の警報時に役立つようにテスト結果を公表するとしている。主要キャリアを含む全国の携帯電話の約75%で受信された。
気象警報、誘拐情報などの緊急警報を発信する警報は、ユーザーが受信選択から外すことができるのだが、この“大統領警報”は受信選択が不可能。
政治目的に警報が使われるのではと危惧する批判に対しては、大統領の私的メッセージの配信などに使用されることはないとしている。
10月3日付米国『CNN』は「政府から携帯へ緊急メッセージ一斉送信」との見出しで以下のように報道している。
携帯電話を持っている人は恐らく着信音やバイブ音が鳴ったことだろう。これは、テロや大規模災害の際に使用される緊急警報のためのものである。嵐や竜巻の前の気象警報や誘拐事件の際に発信される「Amber Alert」のようなものだが、大統領警報は、全国全ての携帯に送信され、消すことは出来ない。
政府はこれまで長くテレビやラジオの警報発信を行ってきた。(テレビとラジオのテスト送信は毎月行われている)1950年代から徐々に改良が進み、今では携帯にも送信可能となった。
テスト送信は9月に予定されていたが、FEMAがハリケーン・フローレンスへの対応に追われたため、延期された。2016年携帯通知システムに関する法が成立し、3年に1度以上、FEMAがテストを行う事が定められた。
大統領警報と銘打つが、大統領が書いたメッセージではない。FEMAの職員が、他機関や大統領府と協議して、いくつかの定型文から配信内容を選び、事態に合わせて都度修正を加えて発信するという。大統領が警報の発信源ではない。現職大統領が特定のメッセージを発信することはないとしている。
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