エチオピアのアビィ・アハメド首相は、エリトリアの首都アスマラの空港でイサイアス・アフォルキ大統領と抱擁を交わした。数カ月前には誰もが想像できない光景であった。
エチオピアが2002年の国連による国境裁定を遵守し、争った土地をエリトリアに譲渡することに同意したことで、20年間膠着状態にあった対立が解消を見せ始めた。
二人はアフリカ最長の紛争をどのように終わらせるかについて非公式に協議した。...
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エチオピアのアビィ・アハメド首相は、エリトリアの首都アスマラの空港でイサイアス・アフォルキ大統領と抱擁を交わした。数カ月前には誰もが想像できない光景であった。
エチオピアが2002年の国連による国境裁定を遵守し、争った土地をエリトリアに譲渡することに同意したことで、20年間膠着状態にあった対立が解消を見せ始めた。
二人はアフリカ最長の紛争をどのように終わらせるかについて非公式に協議した。
和解により、エリトリア自体の改革への期待も高まる。エリトリアでは、政府の残虐行為により多くの難民がヨーロッパに流出している。近年ヨーロッパに向かう最大の難民グループの一つを構成している。イサイアス大統領は二国間の紛争が国民弾圧につながっているとしている。エリトリアは常に戦時体制にあり、奴隷労働と変わらないような長期国民皆兵制がある。
ロンドン大学英国連邦研究学院のマーティン・プロート主任研究員は、和解によりイサイアス大統領はエリトリアの民主主義発展を妨げる「戦時体制を口実にできなくなる」との見解を示した。
一方、エチオピアのアビィ首相は4月に就任して以来、ジャーナリストや反対勢力の釈放、国営体制の自由化など、劇的な改革を導いてきた。しかし、最も驚くべきことは、アビィ首相が東アフリカにあるエチオピア・エリトリア国境紛争を終結させる平和条約を完全に受け入れたことである。
両国は1998年に8万人が死亡した2年間の戦争以降、外交関係が途絶えた。その後も小さな紛争は続いた。
アビィ首相のアレガ参謀総長は、この訪問は「恒久的平和をもたらす努力をさらに深めること」を目的としているとツイートした。会談の写真も投稿し、42歳のアビィ首相が72歳のイサイアス大統領に「非常に温かく迎え入れられた」「両国は、歴史と、他とは異なる結びつきを共有している。私たちは今、20年間の不信を克服し、新たな方向へと踏み出すことができる。」と述べた。
エチオピア外務省もこの訪問を「エリトリアとの関係を正常化する努力の一部」としている。
エリトリアはかつてエチオピアの海岸沿いを占める一州であった。1993年、独立闘争の末エチオピアから独立し、5年後にさらなる関係の悪化によりエチオピアと戦争に突入した。
アビィ首相は、エチオピア航空がエリトリア便の運航を始める予定であり、内陸国として、エリトリアが持つ港へのアクセスに関心を示していると述べた。しかし、彼の抜本的な改革は、与党連合の一部から抗議され、先月、支持者による大規模な集会で手榴弾の攻撃を受けている。
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