|
|
|
|
【Globali】
英研究、アミノ酸の一種の制限が乳がんの抑制に役立つ可能性を示唆(2018/02/11)
英科学誌「ネイチャー」に掲載された研究論文によると、非必須アミノ酸「アスパラギン」という栄養素が不足すると、乳がんの成長が抑えられることがマウスを使った実験でわかった。これにより、アスパラギンが乳がんの転移に関係している可能性があるという。アスパラギンはたんぱく質を構成するアミノ酸の一つで、牛肉や鶏肉、魚類などあらゆる食品から吸収される。アスパラギンの名前の元になったアスパラガスにも含まれている。...
全部読む
英科学誌「ネイチャー」に掲載された研究論文によると、非必須アミノ酸「アスパラギン」という栄養素が不足すると、乳がんの成長が抑えられることがマウスを使った実験でわかった。これにより、アスパラギンが乳がんの転移に関係している可能性があるという。アスパラギンはたんぱく質を構成するアミノ酸の一つで、牛肉や鶏肉、魚類などあらゆる食品から吸収される。アスパラギンの名前の元になったアスパラガスにも含まれている。
英ケンブリッジにあるキャンサー・リサーチUKがん研究所の所長であるグレッグ・ハノン氏らが行った実験では、通常であれば数週間で転移、数ヶ月で死亡する進行の早い乳がんを持つマウスを使った。マウスにL-アスパラキナーゼと呼ばれる薬剤を利用してアスパラギンの吸収を抑えたり、低アスパラギンの食物を与えるなどすると、がんの進行が抑えられたという。ハノン氏は「アスパラギンはがん細胞が乳房から血液を介して他の臓器に転移するのを助けているようである。アスパラギンのレベルを抑えることで、がんの広がりを抑えることにもつながるようだ。」と話した。
ハノン氏は、これはヒトによる研究が行われるまでは、ヒトのがんを予防する最適な方法ではないとしながらも「食生活の変化が致命的な病気であるがん細胞にどのように影響するかを示した一つのケースである」と話した。またアトランタのエモリー大学のがん研究者は「アスパラギンは肉や魚、野菜など多くの食品に見られるため、食事療法で減らすよりも薬剤治療によるアプローチの方が理想的だ。」と述べた。一方、乳がん治療の慈善団体の会長であるデリス・モーガン氏は「これにより極端な食事療法をするのは避けた方が良い。すべての患者にバランスのとれた食事を摂るように指導している。」と話した。
閉じる
その他の最新記事
|
|