『ワシントン・ポスト』『ニューズウィーク』など各国英文メディアは、コーヒーの発がん性に関する注意喚起をめぐって、米カリフォルニア州がコーヒー販売業者に訴訟を起こしており、今月中の和解に向けた話し合いが行われている件について報じている。

コーヒーに含まれる成分については長年あらゆる議論がなされてきたが、その中の一つで発がん性がある物質として挙げられるのが「アクリルアミド」だ。アクリルアミドは穀物や植物を揚げる、焼くなどの調理で１２０度以上の高温で加熱することで起こるメイラード反応で発生するという。アクリルアミドがヒトに対して発がん性があるという決定的な証拠は見つかっていないが、世界保健機関（WHO）の外部機関、国際がん研究機関（IARC）は発がんの可能性のある物質として分類している。...

コーヒーに含まれる成分については長年あらゆる議論がなされてきたが、その中の一つで発がん性がある物質として挙げられるのが「アクリルアミド」だ。アクリルアミドは穀物や植物を揚げる、焼くなどの調理で１２０度以上の高温で加熱することで起こるメイラード反応で発生するという。アクリルアミドがヒトに対して発がん性があるという決定的な証拠は見つかっていないが、世界保健機関（WHO）の外部機関、国際がん研究機関（IARC）は発がんの可能性のある物質として分類している。スウェーデン大学の研究でコーヒーの高温焙煎やポテトチップスを作るときなどに生成されることがわかっている。

カリフォルニア州ではこの報告をもとに２０１０年に、非営利団体「CERT」がスターバックスやシアトル・コーヒー、セブンイレブンなど飲食店や小売店を相手に、コーヒーにアクリルアミドが含まれていることを消費者へ知らせ、かつ安全なレベルまで下げることを義務づける訴訟を起こした。１９６８年に制定されたカリフォルニア州の法律では「消費者の健康を害する物質について、明確に注意喚起しなければならない」と定めており、今回の訴訟はその義務を怠ったというものだ。

セブンイレブンなど１３の業者ではすでに和解が成立し、罰金の支払いなども行われているが。スターバックスなど大手チェーンはいまだに和解に応じていない。国立コーヒー協会の代表であるウィリアム・ビル・マーレイ氏は「コーヒーは健康飲料であることが繰り返しわかっている。この訴訟は消費者を混乱させるばかりでなく、消費者が健康についての明確で正しい情報を必要としている時に、州法を台無しにする可能性がある。」と話している。

今月、残りの事業者とも和解交渉が行われるが、和解が成立しなくても今年中には判決が下る予定だ。