発表したのは英学術誌「ヒューマン・リプロダクション」で、体外受精の治療を受けている間、新鮮な野菜、果物、全粒穀物、魚、オリーブオイルなどを中心とした食事「地中海式食事法」にすることで、女性の妊娠の可能性が約70%上昇したという。
今回の研究はギリシャ・アテネでIVFを申し込んだ35歳未満の女性244人を対象に行われた。研究では妊娠前6ヶ月の間にどれだけ地中海式の食事をしたかに応じて0から55のスコアをつけた。...
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発表したのは英学術誌「ヒューマン・リプロダクション」で、体外受精の治療を受けている間、新鮮な野菜、果物、全粒穀物、魚、オリーブオイルなどを中心とした食事「地中海式食事法」にすることで、女性の妊娠の可能性が約70%上昇したという。
今回の研究はギリシャ・アテネでIVFを申し込んだ35歳未満の女性244人を対象に行われた。研究では妊娠前6ヶ月の間にどれだけ地中海式の食事をしたかに応じて0から55のスコアをつけた。さらにスコアに応じて女性を3つのグループに分け、それぞれの妊娠率を比較した。それによると、最も高いスコアのグループは50%が妊娠したのに対し、最も低いスコアのグループは29%と妊娠率に大きな開きがあったという。さらに無事に赤ちゃんが生まれた割合で比較しても、それぞれ48.8%、26.6%となった。また、スコアごとに見ても、スコアが5ポイント上昇するごとに妊娠率がおよそ2.7倍向上したという。
今回の研究を行ったアテネ大学のニコス・ヤナクール教授は「今回の研究で、受精率には食生活の効果や食事の質が重要であることが際立った。また、今回の結果は地中海式の食事に期待できる役割を裏付けた。」と話した。
ギリシャやスペインなどの国々でよく食べられている食事から着想を得た地中海式食事法は、赤身肉を控えめにし、魚や野菜、果物などを中心にすることで、心臓の機能を高めるのに役立つと考えられてきた。ただし、今回の研究では女性の妊娠と健康的な食事がなんらかの因果関係があると示唆しているものの、地中海式の食事が体外受精の成功の要因だと断定するものではない。また、今回は肥満女性などが対象外となっているため、全女性に当てはまるわけではないとしている。
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