2月18日付
『CNN』(米)は、まず、オバマ氏がアメリカ初のアフリカ系アメリカ人の大統領だが、ケニヤ出身の黒人の父と、カンザス州出身の白人の母の間に生まれ「奴隷の子孫ではない」と説明している。そのうえで、東京にあるテンプル大学准教授であるクリーブランド氏のコメントを掲載している。「黒人、奴隷といった言葉だけをとって差別的というのではなく、今回の発言には、日本の政治家特有の国粋主義が表れている」。クリーブランド氏は石原慎太郎氏を引き合いに出し、石原氏が在日中国人や韓国人を差別的用語で呼んだこと、また女性、同性愛者に対し差別的発言をしたり、南京大虐殺を「中国によるねつ造」などと発言したことに言及する。「このような政治家が50年近くも活動しており、これは人種問題、差別問題、民族多様性に関する日本の教育が十分でないことを表している」。
同記事は丸山氏が現在アメリカで、歯に衣着せぬ発言で注目を浴びているトランプ氏と丸山氏を比較し、「丸山氏は日本版トランプ氏なのか」とする。これについてクリーブランド氏は「丸山氏には、自身の発言により人々の注目を集めようとする意図はなく、トランプ氏とは異なる」とし、ただ単に人種問題に疎いだけだとする。
同日付
『ヤフーニュース』(米)は「AFP通信」の記事を引用し、「丸山氏は議会でアメリカ社会のダイナミックな動きを説明しようとしたものの、その不用意な発言が集中砲火を浴びている」と報じている。
また、同記事は甘利前経済再生担当大臣や宮崎前議員のスキャンダルにも触れ、今回の発言も安倍政権へのダメージとなる可能性を示唆している。
同日付
『ロシア・トゥデイ』(露)は「ジャパンタイムズ」の記事を引用し、「ブラック・トーキョー」(日本で生活するアメリカ系黒人やアフリカ系黒人むけのウェブサイト)でクリエイティブ・ディレクターを務めるロビンソン氏のコメントを載せている。「オバマ大統領はケニヤの学生とアイルランド系移民の間に生まれた息子であって、奴隷の子孫ではない。丸山氏がきちんと勉強していれば、このくらいのことは分かるはず」。
同記事は丸山氏の問題とされている発言の直前に日本がアメリカの一部に組み込まれるという、あくまでも仮定の話を出していたことに言及し、問題発言が飛び出した文脈について説明している。丸山氏は、もし日本がアメリカの51番目の州になるようなことがあれば、人口の比率からいえば日本が最多議席を獲得しうるし、日本人が大統領になることだってありうると発言している。
また、同記事は昨年2月に、安倍内閣の私的諮問機関である教育再生実行会議のメンバーだった曽野綾子氏の「日本では人種ごとに居住区を分けるべき」とする新聞でのコラムが世界からも非難を浴びた件についても触れている。
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