【Globali】
OPECの原油供給削減は可能か?(2016/01/27)
26日のニューヨーク原油先物WTI(ウェストテキサスインターミディエート)3月物は前日比1.11ドル高の31.45ドルで取引を終えた。イラク石油相が、サウジアラビアやロシアが原油の減産に対して柔軟な姿勢を示していると述べたと報じられたことで買いが優勢であったためである。この結果を受けニューヨークダウも投資家心理の改善で前日比282.01ドルの大幅高で16,167.23ドルと、1万6千ドルを回復して引けた。ただ、イラク石油相の発言はOPECと非OPEC国が協力して減産が出来ればという希望的観測の域を出ないもので、OPECの中心サウジアラビア、非OPECの中心ロシア各政府の減産に向けての動きは未だ表に出て来ていない。原油価格及び産油国の動きに世界全体が一喜一憂するある意味では異常な状態が続いている。人類が石油という化石燃料に支配される時代は未だ暫くは続きそうである。この動きについてのメディアの報道を拾ってみた。
1月26日付
『USニューズアンドワールドレポート』は、「ロシア-サウジの原油減産は起こるか?」という見出しで、ロシアとサウジアラビアの二大産油国が原油価格急低下の打撃を受けて価格引上げへ向けて大転換を考慮中という報道があったと伝えた。先に報道されたようにサウジが国営石油会社アラムコの株式公開を検討中であるということは、サウジの国家財政がかなり厳しいというサインであるし、イラクの石油相がロシアとサウジが減産に対して前向きだと発言している。...
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1月26日付
『USニューズアンドワールドレポート』は、「ロシア-サウジの原油減産は起こるか?」という見出しで、ロシアとサウジアラビアの二大産油国が原油価格急低下の打撃を受けて価格引上げへ向けて大転換を考慮中という報道があったと伝えた。先に報道されたようにサウジが国営石油会社アラムコの株式公開を検討中であるということは、サウジの国家財政がかなり厳しいというサインであるし、イラクの石油相がロシアとサウジが減産に対して前向きだと発言している。しかしこれは未だ噂の域を出ない。また、ロシアは減産した場合、生産再開に多大なコストが掛かり簡単ではないとも報じている。
1月26日付
『ロイター通信』は、「サウジ、ロシア 原油取引で変化 イラク石油相発言」という見出しでイラク石油相の上記発言を報じた。この発言の前日、OPECの幹部とロシアが原油の供給過剰問題の解決に共同して取組むための話し合いを持っていることも伝えた。ロシア第二位の石油会社ルークオイルの副社長は、ロシアはOPECとの協議を開始する必要があると発言した。
1月26日付
『ミドルイーストオンライン』は、「クウェートとイラク:OPECだけの減産は不可能」という見出しで、OPEC以外の国も協調しなければOPECは減産を行わないという26日のクウェートとイラクの石油相の発言を伝えた。イラク石油相は、現在の状況が続けば投資が減って将来価格の急激な上昇を招くであろうとも発言した。
1月26日付
『アルバワダ』は、「OPEC、終に減産に向かうか?」という見出しで、OPECのエルバドリ事務局長が、原油価格回復のため世界の原油生産大国が協力するよう呼びかけたと報じた。この発言はロシアルークオイルの副社長のロシア政府が支援するならば減産に反対しないという発言を受けてなされた。
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